家賃(賃料)支援制度はどうなるのか?-その3
こんにちは。弁護士の大城聡です。
「家賃支援給付金」について経済産業省のホームページに情報が掲載されました。今回は、現時点における「家賃支援支給金」の情報を整理してお伝えします。
1 家賃支援給付金とは
家賃支援給付金は、新型コロナウイルス感染症を契機とした5⽉の緊急事態宣⾔の延⻑等により、 売上の急減に直⾯する事業者の事業継続を下⽀えするため、地代・家賃(賃料)の負担を軽減することを⽬的として支給される給付⾦です。
2 だれが給付を受けられるのか(支給対象)
支給対象は、以下の①②③のすべてを満たす事業者です。
① 資本金10億円未満の中堅企業、中⼩企業、⼩規模事業者、フリーランスを含む個⼈事業者※
※医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人も幅広く対象。
② 5⽉〜12⽉の売上高について、
• 1カ⽉で前年同⽉⽐で50%以上減少、または
• 連続する3ヶ⽉の合計で前年同期⽐で30%以上減少。
③ 自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払い
3 どのくらい給付を受けられるのか(給付額・算定方法)
(1)法人最大600万円、個人事業者最大300万円の一括支給
法人に最大600万円、個人事業者に最大300万円が一括支給されます。
算定方法は、申請時の直近1か月における支払賃料(月額)に基づき算定した給付額(月額)の6倍です。
(2)給付額(月額)の算定方法
法人で支払賃料が月額75万円以下の場合、給付額(月額)は支払賃料の3分の2です。法人で支払賃料が月額75万円を越える場合、給付額(月額)は「50万円+〔支払賃料の75万円超過部分の3分の1〕」で、月額100万円が上限となります。
個人事業者で支払賃料が37万5千円以下の場合、給付額(月額)は支払賃料の3分の2です。個人事業主で支払賃料が37万5千円を超える場合、給付額(月額)は「25万円+〔支払賃料の37万5千円超過部分の3分の1〕」で、月額50万円が上限となります。
なお、当初は給付率3分の1の上乗せ分が適用され上限が100万円(法人)や50万円(個人事業者)になるのは複数店舗を有する事業者が想定されていましたが、支払賃料が高額な事業者であれば有する店舗が1つでも上乗せ分が適用されることとなっています。
4 申請に必要な書類
経済産業省は、今後、追加・変更の可能性があるとしながら、次の4つを用意していただく書類として示しています。このうち③と④は持続化給付金と同様としています。
① 賃貸借契約の存在を証明する書類(賃貸借契約書等)
② 申請時直近3か月分の賃料支払実績を証明する書類(銀行通帳の写し、振込明細書等)
③ 本人確認書類(運転免許証等)
④ 売上減少を証明する書類(確定申告書、売上台帳等)
5 いつから申請できるのか
政府は6月下旬からの申請開始を目指していたとされますが、まだ申請受付は始まっていません(7月4日時点)。経済産業省は、具体的な対象範囲や申請方法、申請開始日などの制度詳細については検討中であり、準備ができ次第公表するとしています。
重要な支援制度ですので、引き続き注目していきたいと思います。
以上
(本稿は2020年7月4日時点の情報に基づく記事です)
文責 弁護士 大城聡