陸上自衛隊 第一部長 吉水氏による防災セミナー東京都防災士会広報よりレポートです
目次
NPO法人化への歩み
防災における自衛隊の役割
災害派遣の根拠と流れ
自衛隊の災害対応体制
過去の災害派遣事例
質疑応答
参加者の声
編集後記
1. NPO法人化への歩み
2024年9月8日、東京都防災士会主催の防災セミナーが開催されました。冒頭、東京都防災士会 理事長の大林氏より、東京都防災士会がNPO法人化されたことが報告されました。
NPO法人化の目的は、防災における「自助」「共助」「公助」の連携強化、特に、東京都においてこれまで不足していた自衛隊等の「公助」と地域住民や防災士等の「自助」「共助」の橋渡し役を担うことにあります。
このNPO法人化により、防災士資格を持たない方でも「賛助会員」として入会できるようになり、防災に関する情報提供やセミナーへの参加などが可能となりました。
2. 防災における自衛隊の役割
続いて、講師として陸上自衛隊 第一部長 吉水氏より、自衛隊の防災活動についてご講演いただきました。
吉水氏は、まず防災の基本的な考え方として、「自助」「共助」「公助」の重要性を改めて強調しました。その上で、自衛隊は「公助」の立場として、発災直後の人命救助、医療支援、避難誘導などを primary mission とし、その後、地方公共団体や関係省庁と連携して生活支援などを行うことを説明しました。
3. 災害派遣の根拠と流れ
自衛隊の災害派遣は、自衛隊法第83条に基づいて行われます。派遣の判断基準となるのは、以下の3つの要件です。
緊急性: 差し迫った状況であり、直ちに自衛隊の派遣が必要であること。
公共性: 公共の秩序維持の観点から、自衛隊の派遣が妥当であること。
非代替性: 自衛隊以外の適切な手段がないこと。
災害発生時には、都道府県知事などが自衛隊に災害派遣を要請し、自衛隊が受理後、部隊を派遣するという流れになります。
4. 自衛隊の災害対応体制
自衛隊は、大規模災害発生時に備え、平時から様々な計画を策定し、迅速な対応ができる体制を整えています。
政府の危機管理組織と連携し、統合幕僚幹部が中心となって、陸海空自衛隊の活動を調整・指揮します。
陸上自衛隊は、全国を5つの方面隊に分けており、各方面隊はさらに師団や旅団などの部隊で構成されています。
初動対処部隊は、災害発生後1時間以内に出動できるよう、常に待機しています。
5. 過去の災害派遣事例
吉水氏は、過去の災害派遣事例として、以下の3つを紹介しました。
令和5年 愛媛県 三輪火災: 防災ヘリによる空中消火を実施。
令和4年 山形県 土砂崩れ: 消防・警察と連携し、重機を用いた捜索・救助活動を実施。
令和6年 石川県 能登半島地震: 統合任務部隊を編成し、陸海空自衛隊が連携して人命救助などにあたった。
これらの事例を通して、吉水氏は、災害は常に想定外であり、あらゆる事態に対応できるよう、平時から訓練を重ね、関係機関との連携を強化していくことの重要性を訴えました。
6. 質疑応答
講演後には、参加者からの質疑応答が行われました。
参加者からは、
自衛隊の初動体制
災害時の住民の行動
自衛隊員のメンタルヘルス
トイレ問題
ドローンなどの活用状況
荒川水害への対応
関東大震災の教訓
自衛隊の魅力化
など、多岐にわたる質問が寄せられました。
吉水氏は、それぞれの質問に対して丁寧に回答し、自衛隊の活動内容や課題、地域住民との連携の重要性などを改めて説明しました。
7. 参加者の声
最後に、参加者から感想や意見が述べられました。
阪神・淡路大震災の体験談
消防団員の活動報告
自衛隊への感謝の言葉
防災訓練への参加
マンション防災の取り組み
など、様々な声が聞かれ、防災意識の高まりを感じることができました。
8. 編集後記
今回のセミナーは、自衛隊の防災活動について理解を深めることができ、大変有意義なものでした。
改めて、「自助」「共助」「公助」の連携の重要性を感じるとともに、地域住民として防災意識を高め、日頃から備えておくことの大切さを認識させられました。
東京都防災士会では、今後も様々な防災セミナーやイベントを開催していく予定です。ぜひ、ご参加ください。
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元動画はこちら:
(154) 東京都防災士会 防災セミナー 20240908 配信 - YouTube