SDSノート_19グランドレベル「アーティストトーク6」
こんにちは。ソーシャルダイブ・スタディーズ(以下 SDS)、コーディネーターの工藤大貴です。今回は8/25に実施されたアーティストトークのレポートです。前回までのSDSについては下記をご覧ください▼
第19回レクチャーとなる8月25日(水)のアーティストトークは、本芸術祭でも異彩を放つTOKYO BENCH PROJECTを出展されているグランドレベルの田中元子さんと大西正紀さんをゲストにお迎えしました。
▲田中元子さん
▲大西正紀さん
私設公民館のような喫茶ランドリーをはじめ、街場での地に足のついた取り組みを展開するグランドレベル。田中さんのルーツの1つでもある、街中で無料でコーヒーをふるまうフリーコーヒーのことから現在にいたるまで、企画にかける思いをふんだんにお話しいただきました。それでは今回もSDSメンバーにその様子をレポートしてもらいます。それではぜひご覧ください▼
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SDSメンバーの小川直恵です。普段はサイン・ディスプレイ(看板)のメーカーに勤めています。SDSでの勉強を重ねる度に街への視点が広がり、自分にも何か出来ることがあるのでは、もっと街へダイブしてみたい、と気持ちが昂る日々を過ごしています。
自分が地面に立ったとき、目の高さにある風景(グランドレベル)は、毎日体験する社会との接点です。その風景が私たちに開かれたものであればあるほど、そこでの出来事を通じて街も人も良くなる。
田中さんの「1階づくりは街づくり」というお言葉に深く共感しました。その先には個を認め合い、孤独とは無縁の開かれた街がひろがっているように感じます。
田中さんがパーソナル屋台で、街行く人にコーヒーをふるまわれたという私設公共「マイパブリック」。大阪のおばちゃんの「あめちゃん」の例えにはSDSメンバーも大きく頷いていました。自分のためではなく、今日出会うであろう見知らぬ誰かのために鞄に忍ばせるあめちゃん。
見返りなんて野暮なことは考えず、その時に生まれるコミュニケーションを楽しむ。なんて楽しいふるまいでしょう。ふるまいは物に限らず、場所の提供でも、自分が出来る事でも。自分が今すぐ出来ること…と考えると、近所の人にあいさつで笑顔をふるまう!でしょうか?「ふるまい」という言葉は背中を後押ししてくれますね。
そしてマイパブリックのお話の中で、私たちSDSメンバーは重要なことを学びました。それは「人のため街のためだと考えないこと」「自分が楽しいことをやる」ということです。自分がやりたいと心から思っていることでないと、すぐに見抜かれてしまいます。
誰かのためという言葉は結局他人事です。自分事だからこそ沸き起こる情熱が、興味や共感へとつながるのだと思います。
私はSDSに参加するよりも前に、田中さんの書籍『マイパブリックとグランドレベル』に感銘を受けてファンになったのですが、今回直接お話をお伺いし、田中さん、大西さんが腕を広げて「おいで」と言ってくれているような雰囲気に触れて、お二人に影響を受けましたと言うだけではなく、影響をうけてこんなことをやっていますと言えるファンでありたいと思いました。
レクチャー後はメンバー同士、田中さんのパワフルさや格好良さの話題で持ちきりでした。
第19回レクチャーの記録はここまでとなります。それでは、またSDSノートにてお会いしましょう。