「パブローブ:100年分の服」へ服の寄贈をお願いします|東京ビエンナーレ2023
「パブリックなワードローブ」を意味するパブローブは、服の図書館のような、だれでも利用できる公共のワードローブを作り出すプロジェクトとして、アーティストの⻄尾美也が日本各地で展開してきたものです。会場となる海老原商店は、今からちょうど100年前に起こった関東大震災後の復興期に東京・神田に建てられた看板建築で、古着、既製服、反物と、装いにまつわる商品を扱ってきました。
「東京ビエンナーレ2023」のパブローブでは、震災から100年の間に人々に着られた服を募集してワードローブを構成します。地域に開かれた装いの公共空間/コミュニティ・ミュージアムとして、今秋迎える会期本番には服の貸し出し、服のレプリカ制作、イベントなど様々な活動を行うことで、人々が生きてきた100年分の時間/生活文化をこれからの東京へとつなげていきます。
服の募集に先駆けてプロジェクトチームによる説明会を実施
これから始まるプロジェクトで求めている服は、どのような服なのか。その服を使って、どのようなプログラムが行われる予定なのか。本プロジェクトの全容をご説明し、100年分の服集め、レプリカ制作、パブローブの運用にお力添えいただける方を募ります。
会場は本プロジェクトの活動拠点となる海老原商店。100年の時の流れを見つめてきたこの場所から、プロジェクトがスタートします。ぜひご参加いただければ幸いです。
募集内容
1) 下記ア〜オに当てはまる服を100着ほど募集します。
ア 例えば図書館に本を寄贈するように、誰かに紹介したいと思える服
イ この100年の間(1923〜2023年)に人々に着られた服
ウ 関東大震災の被災エリアで、着られていた服
エ 東京ビエンナーレ2023の来場者に着てもらいたい服
オ この100年を象徴するような服
(例えば、大切にしまわれた着物、国⺠服、もんぺ、自分で仕立てた洋服、職人の仕事着、祭りの法被、晴れ着、老舗の売れ残り、各時代を生きた若者の日常着、コスプレイヤーの服など)
2) 募集する服の条件は下記となります。
ア 靴や鞄、ベルト、アクセサリーなどの服飾品は除く
イ 無償寄贈いただけること(ただし希少な服など返却が必須という場合、レプリカ制作・展示の後に返却いたします)
ウ 募集会場にご自身でお持ち込みいただけるもの
※ 服にまつわる簡単なエピソードを書いて/教えていただきます。
募集点数|100着ほど
寄贈受付|2023年4月〜6月頃、神田エリアにて
活動スケジュール
プロジェクトメンバー
⻄尾美也(にしお・よしなり)
1982年奈良県生まれ。美術家。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目したプロジェクトを国内外で展開。ファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」を手がける。
岩間香(いわま・かおり)
1974年東京生まれ。東京染色美術学院着物染色工芸科卒業。卒業後は、染色作家アシスタントの傍ら、作品制作、展示を行う。父方の実家は、神田で創業、江戸時代より続く果実問屋。2018年の春に東京・神田須田町にてバナナの室を改装し、期間限定のギャラリースペースを運営。また、染色や子ども向けワークショップ、古着をリメイクした小物作りなども行っている。
海老原義也(えびはら・よしや)
1980年神奈川県出身。明治学院大学経済学部卒。呉竹鍼灸柔整専門学校卒。2009年鍼灸整骨院TAIU開院。2015年父の実家海老原商店を活用しながら保存する海老原商店を活かす会を立ち上げ代表となる。主な活動に齋藤陽道「神話二年目」、⻘木尚哉「EBILAB」等がある。ちよだ生涯学習カレッジ、公益財団法人日本建築士協会などで講演を行う。
宍戸遊美(ししど・ゆうみ)
1978年東京生まれ。東京造形大学美術学部絵画専攻卒業。卒業後、保育所芸術専門員の仕事に従事しながら、沖縄県沖縄市でのアートプロジェクトの立ち上げと展覧会制作・発表を行う。2008年より、3331 Arts Chiyoda の立ち上げに参加、現在ジェネラルマネージャーとして従事。