TB report Hogaleeさん「Landmark Art Girl」制作・撮影日記
東京ビエンナーレ2020/2021の第一弾のプロジェクトとしてアーティスト・Hogaleeさんの「Landmark Art Girl」が、神保町古書店街、カレー屋街、スポーツ用品店街から一歩入った場所でありながら下町風情の残る神田小川町に建つ、宝ビル壁面に完成しました!靖国通りに面したビルの裏路地側の壁面に壁画が描かれています。
もともと隣に建っていた建物は宝ビル壁面にくっついて建っており、建物解体後の宝ビル壁面には、今はなきビルの素材感の痕跡がくっきりと残っていました。
隣接ビル解体後に痕跡が残る宝ビルの様子
まずは業者さんが壁の補修工事をし、その足場を使ってHogaleeさんが壁画の制作を行いました。足場がグリッド状に組まれているので、その一コマ一コマにプロジェクターで図柄を投影し、輪郭線をトレースしてからペンキで塗っていくという根気のいる作業。
完成した壁画があまりに綺麗に描かれているので、よく、印刷したポスターを貼ったものでないかと言われるのですが、ペンキで丁寧に描かれているんです!
作業途中の壁画とHogaleeさん
作品完成後の写真撮影に東京ビエンナーレ事務局も同行させてもらいました。撮影週は雨続きで、撮影日も曇りの予報でしたが、現場に着くと嘘のような晴天。
写真撮影は、東京ビエンナーレ2020/2021でアーティストとして「いなせな東京Project」を行う池田晶紀さんが率いる「株式会社ゆかい」の池田さんと池ノ谷さんによって行われました。
幅11m×高さ9mの壁画を画角に収めるために、高いところから撮影できないかとゆかいのお二人と話をしていたとき、ちょうど向かいのビルにお住まいのお母さんが植物の水やりに出てきて、「この壁画、鮮やかで綺麗ですよね。毎朝見るたびに明るい気持ちになります」と声をかけてきてくれました! 図々しくもビルの屋上から写真撮影をお願いすると、快く上げてくださり、写真撮影が始まりました。
屋上からシャッターを切る池田さん
高所恐怖症の池田さんも、さすが写真家。カメラを持つと恐怖心も落ち着くとのことで、屋上に置いた梯子の上から見下ろすように撮影を続けてくださいました。池ノ谷さんと交代で、被写体としてのHogaleeさんの表情を引き出す声をかけながら、手際よく撮影をし、ものの20分程度で屋上からの撮影終了。その後地上に戻って道の反対側から通行人を入れた写真撮影をし、撮影終了。プロの業を見させていただきました。
撮影中の池田さんと池ノ谷さんの様子
池田さんは、「いなせな東京Project」で「江戸っ子」のポートレートを作品として発表なさっているので、今回の撮影に協力してくれたビルのお母さんもポートレート作品として発表されるかもしれません。池田さんのプロジェクトの今後も、お楽しみに。
地域の「ランドマークアート」として、見る人の気持ちを明るくするHogaleeさんの「Landmark Art Girl」は、都営新宿線小川町駅B2出口からすぐの宝ビルの靖国通りの裏の壁面でいつでも鑑賞することが出来ます。ぜひ、この作品を見に街へ出かけてみて、自分なりの見なれぬ景色を体験してみて下さい。
<作品詳細>
アーティスト:Hogalee
プロジェクト名:「Landmark Art Girl」
場所:宝ビル 東京都千代田区神田小川町1-6-1
常時公開
協賛:株式会社ビルテック、日本ペイント