【公的年金制度の見直しについて】本当にヤバいネタは数行しか書かれていない
本日は2名で朝活-日経新聞シェア会を実施しました!
本日は、年金と自動運転のお話がメインでした。
レポートでは年金について書こうと思います。
公的年金制度の財政検証
公的年金制度の財政検証は、少なくとも 5 年ごとに行うことが、法律で定められており、次回は 2024 年夏に行われます。 財政検証を踏まえて、その翌年の 2025 年の通常国会に、次期年金制度改正の法案が提出されることが見込まれています。
ということで、4月16日に財政検証の会議が行われたようです。
いくつか案が出ていましたが、主な案は「財源の確保」
財源の確保案① 納付期間の延長
簡単に言えば、基礎年金の納付期間が、現在は20→60歳までの40年間ですが、20→65歳までの45年間に延長しようという案がひとつ。
財源の確保案② 納付対象者の拡大
もうひとつが、納付対象者の拡大。
現在は週20時間、月収8.8万円以上の職員が厚生年金加入対象となりますが、これを週10時間からにしようとか、対象企業を51人以上の会社から1人以上にしようとか、おそらくそんな感じで納付対象者を増やそうとしているように思います。
財源の確保案③ 保険料の基準額の引き上げ
厚生年金の保険料は、標準報酬月額によって決まりますが、標準報酬月額が65万以上は保険料が変わりません。
この基準額を引き上げて、報酬が多い人は、より多く納付してもらおうというのがこの案です。
財源の確保案④ 厚生年金から基礎年金へ拠出する額を増額
新聞には「基礎年金の給付抑制を早期停止」という分かりづらい表現で書かれていましたが、厚生年金の保険料として支払ったうちの一部が基礎年金の財源として拠出されています。この拠出額を引き上げるという案もあるようです。
厚生年金として納めているはずなのに基礎年金の財源に使われる。
ちょっと釈然としないので、記事もごにょごにょとしか書かないのでしょう。
在職老齢年金の見直し
さて、ほとんどの案が財源の確保ですが、在職老齢年金の見直しという案もありました。
現在は賃金と厚生年金の合計が月50万円を超えると年金が減額されるため、「働き損」を敬遠して就業時間を調整する人がいますが、この基準額を見直す・もしくは撤廃する案も出ていたようです。
そもそもこの仕組みは、詐欺みたいなもので、保険料を納付していたのに、いざ受け取れる時になったら「お前、いまも稼いでんじゃん。じゃあお金貰わなくても大丈夫だな」という仕掛け。
見直しが妥当でしょう。
しかし、そうすると厚生年金の財源が心配になる。よって財源確保案の②か③のいずれか、または両方が実施される可能性が高いと思われます。
特に納付対象者の拡大は、1粒で2度おいしいというやつでして、対象者からだけでなく事業主からの納付額も増えます。
どんどん国に吸い取られているのに、賃上げをしろと言われ、賃上げとセットで社会保険関係の納付額が増えていく。
そんな仕掛けなのです。
感想
全体的にみると、どの案も、それほど悪い感じではないのですが、事業主としても個人としても注意したいのは「納付対象者の拡大」です。短時間労働者が厚生年金に加入するとなると、事業主負担が増えます。そうすると事業を圧迫しますので、価格転換しないといけませんね。
個人として気になるのは、厚生年金から基礎年金への拠出額増。
これ単純に厚生年金として受け取れる額の減少ということですので、将来の年金額が減ります。
基礎年金として受け取れるからいいじゃないと思うかもしれませんが、基礎年金と厚生年金では対象人数が違いますので、間違いなく減るでしょう。
なぜ、これが新聞記事では数行しか書かれていないのか?
単純にヤバいから規制がかかってるんでしょうね。
新聞記事としては掲載しないわけにはいかない。
しかし大々的に報じると目をつけられる。
なので、ちょこっとだけ掲載して、読者にも厚労省にも言い訳できるようにしておく。
新聞記事を読む時は、数行の記事にこそヤバいネタが隠されているという事を覚えておくと楽しくなります。
有意義な時間になりました。
ありがとうございます。