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ゴッホ『芦屋のヒマワリ』〜失われた絵画と白樺派
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが描いた「花瓶に入ったひまわり」は全部で7点とも言われていますが、そのうち、SOMPO美術館にある5番目に描かれた『ひまわり』は、ナショナル・ギャラリーの『ひまわり』を模写して描かれました。さらに、2番目に描かれた通称『芦屋のヒマワリ』と呼ばれる作品も日本に存在していました。
『芦屋のヒマワリ』は、他の『ひまわり』作品と異なり、特に花の数、構図、そして特徴的な紺色の背景色です。ほかの黄色の背景に黄色いヒマワリを配置している作品よりも、背景に紺色を使い、補色効果でヒマワリが際立って見えます。
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購入者は、綿業貿易で成功を収めた実業家、山本顧弥太。大正9年、当時の購入金額2万円は、現代の価値に換算すると数十億円に相当すると言われています。その頃のゴッホの知名度は低く、一部の西洋美術に精通していた文化人にのみ知られていましたが、山本が『芦屋のヒマワリ』を購入した背景には、白樺派との関係がありました。
白樺派は、武者小路実篤をはじめとする文豪や画家たちが集まり、明治43年に『白樺』雑誌を刊行し、新しい文学や西洋美術の紹介に力を注いだグループです。セザンヌ、ゴッホ、ルノワールなどの西洋の巨匠たちが日本で広く知られるようになったのも、白樺派の活動によるものでした。
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