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【LAST SEASON ESSAY 2024 #4】TR 河村 優菜

文章を書くことは苦手なので、エッセイを書く気は全くありませんでした。しかし、こんな未熟な自分にも話を聞きにきてくれる後輩がいて、下級生の時の自分と似ているなと思ったので、4年でラストシーズンを迎えた今自分なりに考えていることを書こうと思います。

「スタッフとして日本一を目指すということ」

スタッフというと一般的に「支える」というイメージがあると思います。WARRIORSに入部した当初の私はスタッフに対して「支える」イメージを持ちながら、この言葉が全くしっくりきませんでした。

小中高でやってきたスポーツは大体ずっとスタメンだったし、大学受験も自分自身が試験を受けます。部活も勉強も自分が直すべき課題が明確で、その課題に取り組む分だけ実力が伸びていき、そのまま結果につながるという過程が楽しかったのだと思います。

この部活に入り、スタッフという新しい立場で日本一を目指すことになりました。
気が利かない、要領が悪い、選手に相談されても自分で解決できず先輩やヘッドトレーナーに繋ぐだけの存在。フィールドに立ってプレーするのは選手で、サイドラインで自分の仕事をするしかないもどかしさ。スタッフとして何をすれば日本一になれるのかが分からず、そもそもヘッドトレーナーがいるのに学生トレーナーは必要なのかとすら思っていました。日本一というゴールが見えない状態で自分の無力さや未熟さをただ痛感する毎日で、逆算して取り組むことが好きな自分にこれほどきついものはないなと思いました。

4年経った今思うのは、私が考えるスタッフとして日本一を目指すということは、チームを日本一にするスタッフになるということです。自分個人の知識や技術を追い求めるのも重要だが、それだけで日本一になれるわけではありません。チーム全体や選手に影響を及ぼせないと結局チームは日本一にならないと思います。

チームや選手に影響を及ぼすとは結局何なのか今でも毎日考えます。私は森さんがよくおっしゃる「どこまでやるか」と毎日戦うことなのかなと思います。

唐突ですが、下級生のときの同期との会話を今でも覚えておりここで紹介したいと思います。当時システムのエラーを直し、備品を買いに行く自分の業務はマイナスをゼロにする仕事だと同期に話していました。その時に彼は「OLはそんなポジションだよ」って言って笑っていました。今、彼はOLとして、パート長として、オフェンスリーダーとして、1人の選手として、チームに多大なプラスを生み出しています。

全然上手な例えじゃないのですが、私が特に意識している「どこまでやるか」は以下の二つです。

一つ目は、「どこまで自分の仕事を勝ちにつなげるか」ということです。
OLというポジションはもちろんマイナスをゼロにするポジションという訳ではないのですが、日本一になるためには一見派手でない部分をプラスにしていくことが大事なのだと思います。スタッフの仕事も直接チームの勝ち負けにつながっているような派手なものなどほぼありません。でも、スタッフは自分の仕事をマニュアル通りこなすだけでなく、チームに対して意識が変わるところまで要求することもできます。直接的でなくても、間接的にはチームの勝ちに影響することができます。だからこそ、自分の業務を遂行して終わりではなく、間接的にでも勝ちにつなげるためにどこまでも突き詰めることをやろうとしてきました。

二つ目は、「どこまでを責任範囲とするか」ということです。
上で書いた同期を見ていると、彼の姿勢や言葉に影響を受けている人は必ずいて、彼はOLという役割以外で、一個人としてチームに多大なプラスをもたらしているのだと思います。

これと同じように、スタッフもポジションや与えられた仕事を超えてチームを日本一に近づけることができるということです。自分の仕事以外のことも自分の責任範囲として考えて、要求・追究していかないとこのチームは日本一になれないのだと思います。

私がもがいてやろうとしていたことは、選手を「支える」ことではなかったのだと思います。
心からこのチームで勝ちたくて、チームを日本一にするスタッフになりたくて、必死に毎日戦ってきました。運命の慶應戦まで残りわずかです。自分が信じてやってきたことを結果で証明したいと思います。

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