選択 【Recruit Blog 2024 #8】 天摩創良
死ぬ前に自分の人生を振り返ったとき、WARRIORSに入るという選択が大きな転機になっているのではないかと思う。今でも心に強く残っている出来事がある。
2015-16シーズンのNBA Final、キャバリアーズの相手は昨シーズンのFinalで敗れ、さらにその年のシーズンにNBA史上最高勝率を残した歴代最強のチームのウォリアーズ。先に4勝したチームの優勝というファイナルでキャバリアーズは1勝3敗で王手をかけられる。1勝3敗から優勝したチームは過去に前例がなかった。
チームの本拠地があるオハイオ州で生まれ育ち、故郷に優勝をもたらすことを約束していたレブロンは絶体絶命の状況から奇跡の3連勝を果たしチームを優勝に導くと、歓喜に包まれながらこう叫んだのだ。
“Cleveland, this is for you!!” (クリーブランドよ、この優勝はお前たちのものだ!)
スマホの画面で見ていて心が震えたのを鮮明に覚えている。自分の力でチームを優勝に導くレブロンを心の底からかっこいいと思い憧れを抱く反面、絶対に自分はこうはなれないと強く感じていた。
自分は特別な人間なんかじゃない。そこそこ上手いことやっていても、劇的なストーリーの主人公にはなれない。何かに本気で取り組んでいても、どこか自分を俯瞰してしまう自分がいて、常に冷めた目で現実を見ていた。そんな捻くれた考えを持ち続けており、思えば自分で選択することをずっと避けてきた。親や先生に言われるがまましていた勉強、小さい頃からやっていて好きだから続けていたバスケットボール。辞める選択をする勇気も無く、どれも自分で選んだわけではないと、上手くいかなくてもそれを理由に言い訳ばかりだった。東大合格後、小学校からずっと続けていたバスケを続けようとは思っていたものの、全国に出場し日本一を目指しているような選手にはなれないし、自分よりも上手い奴は日本中にゴロゴロいて、どこかバスケに限界も感じていた。そんな中で、もちろん入る気など全くなかったが先輩に誘われWARRIORSの新歓にいった。何度も口にされる日本一という目標。それは決して夢物語ではなく、全員が本気の目をしていた。そして運動神経も他人より秀でた何かも、ましてや才能も何もない自分を、アメフトなら輝けると熱を持って誘って下さった。自分がアメフトで、東京ドームや甲子園で活躍する姿など想像し胸を躍らせては、自分にはそんなことできるはずがないと冷めた目で現実を見てはの繰り返し。しかし、気づけば練習に参加していた。最初は軽い気持ちだった。それでもアメフトは自分で選んだのだ。自分の意思でグラウンドに足を運び、自分の意思で入部届に名前を書いた。もちろんアメフト部に入ったからといって全てが上手くいくわけではなく、入部してからの1年間で自分の弱い部分に嫌というほど出会った。しんどいことから逃げ出したくなる自分、自分よりも上手く強い同期を妬んでしまう自分、すぐに無理だと思ってしまう自分。
それでも今も自分の意思でアメフトを続けているのだ。自分で選んだ以上どんな困難に直面しようが自分で、そして仲間と支え合って乗り越えていこうと思っている。自分は特別な人間じゃない。それでもこのチームで日本一を目指すことを選んだ。あの日レブロンが目にした歓喜の瞬間をこの目に焼き付けるために。人生は選択の連続なのだ。この文章を読むのだってあなたが選んだのだ。ならば日本一の景色を私たちと一緒に見るかどうかもあなた自身が選べばいい。みなさんと一緒にアメフトできるのを楽しみにしています。是非グラウンドに足を運んでみて下さい。
(2年 天摩創良)