「誰かのために」頑張ることのかっこよさWARRIORS2020SA照理帆
Apr 12, 2018-by東京大学運動会アメリカンフットボール部
私には大学入学前、1つだけ決めていたことがある。
大学がどんな場所なのか、どんな人との出会いがあるのか、何一つ分からず全てがぼんやりしていた頃に、だ。
それは、「WARRIORSには入らない」ということだった。
私には姉がいる。そして彼女はWARRIORSのマネージャーである。姉妹で同じ部活に所属することがどれだけ気まずいか、多分察することはできるだろう。相当である。
そのうえ、私は姉がどれほど部活に時間と労力を費やし、身を粉にしてチームの勝利を望んでいるかを知っていた。私はもっと自分のペースで大学生活が送りたかったのだ。
小さい頃から姉は1つのことにまっしぐらに全てを捧げるタイプで、私はいろいろなことに手を出し、全て中途半端になるタイプ。私に部活は、WARRIORSは向いていないと思っていた。
それ故の確信であった。
では何が私を変えたのか。
実を言うと私にもよくわからないのだが、説明してみたいと思う。拙い表現になってしまうと思うが良ければこのまま読み進めてほしい。
最近よく、部活に入っていなかったら私はどんな大学生活を送っていたのだろうと考える。きっとこんなに悔しい思いも、辛い思いも、情けない思いもしなかったのだろう。思うようにアメフトが理解できずに悔しい、周りに頼ってもらえなくて辛い、自分がなぜここまで必死に部活に打ち込もうとしているのか分からず情けない。こんな思いしなくて済んだのだろう…と。いっそのこと辞めてしまおうかと考えたことも一度や二度の話ではない。
しかし毎回そうしたことを考えているときにふと思い出すことがある。
それは他の人から見たら小さなことで、誰も覚えていないかもしれない。でも、私は絶対に忘れない。同期が私に「このタックルどう思う?」と聞いてくれたこと、先輩が「りほ、よく復習したね」と褒めてくれたこと、練習の準備をしているときに今まで話したこともなかったような先輩が「ありがとう」とぼそっと話しかけてくれたこと、(これは小さなことではないが)鳥肌の立つような歓声を背に受けながらサイドライン際でタッチダウンを見られたこと…。
これらの小さな思い出が私を毎回引き止めるのだ。
私はこの部活に入るまで、自分が何かを始めたり続けたりする理由は自分の中に見つけないといけないと思っていた。簡単に言えば人生は1回なんだし、自分の本当にやりたいことをするべきでしょ!という具合である。
この考えに照らし合わせると私は部活をやめて、大好きな本をたくさん読みながら友達と自由に時間を過ごせる大学生活を送る方が幸せだということになる。
しかしこの部活に入ってから、この部活でたくさんの人と出会ってから、この部活を辞めたいと思ってから、その考えは変わった。
自分が何かを始めたり続けたりする理由は自分の中だけでなく、自分以外の誰かにあったとしても、それは同じだけ正当でかっこよくて素敵なものなのだということに気付いたのだ。
WARRIORSはそう思わせてくれる人がたくさんいる場所なのだ。
私が入部宣言をしたときに、ここまでのことを感じていたかは正直定かではない。つらつらと書いたけれども、私の入部動機はもしかしたら「強いチームがよくて〜、朝が苦手だから夜練がよくて〜」みたいな薄っぺらなものだったかもしれない。しかしそうならば私は自分の浅はかさに感謝したい。なぜならそのおかげで「誰かのために」頑張ることのかっこよさを知ることができたからである。
今これを読んでくださっている方の多くは、新入生で、今後どのような大学生活を送りたいか決めかねているのではないだろうか。私は「絶対に後悔させない」とか「最高の大学生活を送れるよ」とかいう言葉をかけてあげることはできない。なぜならきっと後悔するときもあるだろうし、辞めたくなるときだってあってもおかしくないからである。だけど代わりにと言ってはなんだが、私にも約束できることが1つだけある。
それは、「ここなら頑張りたい」と思わせてくれる人がいる、ということである。
他の部活やサークルと比べたらこの部活は拘束時間も長いし、思うように旅行に行ったり、バイトをしたりすることができないかもしれない。けれどその分この部活には、一生懸命で必死で、「自分も頑張りたい」と思わせてくれる人がたくさんいる。
それだけは約束する。
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偉そうに書いてきましたが、読んでいる方々が期待していた内容とは違うものだったと思います。リクルートブログ史上最もネガティブなものになってしまったのではないかな…と少し反省しています。ですが一人でも、これを読んでWARRIORSに興味を持ってくれたら幸いです。
私が、読んでくれた新入生のみなさんの頑張る理由になれる日を、そしてみなさんが私の頑張る理由になってくれる日を楽しみに待っています。