【LAST SEASON ESSAY 2024 #2】MKG 伊地智 覇耀
夢のチカラ
「スタンドに1万人お客さんを集めます。」
これが1年の時の僕がイヤーブックに書いたコメントでした。
僕はこのWARRIORSに入部した時から、マーケティングスタッフとして試合集客をしたいと思っていました。新歓の時MKGの先輩は、2019年の横浜スタジアムでの試合には1000人のお客さんが来て応援してくれたんだと誇るように語っていました。だいぶ生意気ですが、正直自分ならもっとできるとその時に感じました。
そして僕は1万人のお客さんを集められれば試合の空気が変わり、少しはチームの勝利に貢献できるのではないかと思い、それを目標にWARRIORSで頑張ることにしました。
それから約3年半。全然自分が思い描いた未来にはなりませんでした。集客でみると、今年の東京ドームは1万人どころか3000人にも届かず(東大側だけの数)、試合にも3-24で負け、ドームでは応援の力でチームを勝たせるということはできませんでした。またチーム全体としても去年は下位入れ替え戦にいくことになってしまいましたし、今年は開幕から3連敗を喫してしまいました。あまりに予定とはかけ離れていく現実に、どうしたら良いのか悩んだり、後悔の感情が押し寄せたり、目を背けたくなったりすることも多いです。そしていつしか立てる目標も下がっていきました、まるで子どもの夢が大人になるにつれ小さくなっていくように。
それでも最初の自分の想像をはるかに超えるようなこともありました。
自分が2年生の時に、関東学生アメフトでは約25年ぶりとなる東京ドームでの試合が開催されました。2022年9月3日秋シーズン初戦中央大学戦。
この試合は残り19秒で逆転して勝利するという劇的な幕切れ。
様々な施策を考え、その時できる限りの集客をし尽くした結果、相手校スタンドを大きく上回る数の、東大側スタンドに駆けつけてくださった観客の皆様の声援は、この逆転勝利に大きな力を与えてくださいました。この光景は今でも深く印象に残っています。そしてこの東京ドームでの試合を経て、同じ夢をともに追いかけ、心から信頼でき、あいつがあれだけやってるんだから自分ももっと頑張らないとと思える、相棒のような後輩もできました。
そして1年生の時に自分が夢見たような未来にはならなかった、とさっき書きましたが、まだ残っているものがあります。日本一です。
日本一になるという夢はまだ残っています。
最初に夢を持っていなければ、またその夢をどこかで諦めていれば、集客と応援の力でチームの勝利に貢献することも、かけがえのない仲間と苦楽を共にすることもなかったでしょう。日本一の可能性もとっくに消えていたでしょう。でも夢が僕をここまで連れてきてくれました。
2勝3敗というこの状況から日本一になるというのは、側(はた)から見ると本当にわずかな可能性かもしれません。ですが、どのチームよりも日本一になりたいという思いをこの細い糸口にねじ込み、次の10/27(日)慶應義塾大学戦に勝ち、必ずやその先に進み、日本一を達成します。
夢はきっとそこで僕を待っていることでしょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました。皆さんも夢のチカラを信じてみてください。