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肘痛(野球肘、テニス肘、ゴルフ肘、上腕骨上顆炎)の鍼灸治療

疫学:主に上腕・橈骨関節が侵され、骨・軟骨の剥離、上腕骨小頭の骨軟骨裂離が見られることがある。離断性骨軟骨炎に移行するケースもある。

原因:野球肘の場合は、骨が未成熟な状態での投球動作のし過ぎ。テニス肘の場合は、バックストローク時の衝撃で橈側手根伸筋が強く収縮し、橈側手根伸筋の起始部である上腕骨橈側上顆に出血、骨・軟骨の部分剥離、炎症が起こって疼痛が生じる。この場合、患側の手関節に抵抗を加えて背屈させた時に上腕骨橈側上顆に疼痛が発生する。また、同時に、橈側手根伸筋に圧痛を認める。

一般的な治療法:局所安静、ステロイド注射や消炎鎮痛剤などの薬物療法、手術療法。

当院の治療法:肘痛も腱鞘炎と同様、病院や一般的な鍼灸院では根本的な治療法が確立されておらず、手術後に痛みが再発するなど、根治させることが難しいようです。当院では治療成績が良い病態の1つで、骨に異常が見られなければ、通常1~5回程度の施術で痛みを無くすことが可能です。肘痛に対する外科的手術も色々ありますが、根本的に関節部の痛みは、その関節に付着している筋肉が異常収縮を繰り返すことによるものが大半であって、その筋肉のコリを取って血液循環を回復させない限り、関節部に対する筋肉の張力は解除されず、再び関節に異常が起こりやすくなります。もちろん、温熱療法やマッサージなどでも関節部の痛みが軽減されることはありますが、筋繊維はある段階まで硬くなると、容易にはほぐれないようで、鍼治療以外では中々完治しにくいのが実情です。しかし、針治療も筋肉に対して万能なわけではなく、過去に酷い肉離れや炎症を経験した筋肉は、タンパク質が変性して膠原繊維のように硬くなってしまっているケースが稀にあり、このような部位に刺鍼しても筋肉が柔らかくなることはほとんどありません。これは、いわば瘢痕化であると推察され、触診ではシコリが感じられることがあります。

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