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慢性胃炎(胃痛、萎縮性胃炎、胃酸過多、ストレス性胃炎)の鍼灸治療

疫学:胃粘膜に慢性的な炎症、びらん、不可逆性の萎縮が見られる病態。心窩部の不快感、空腹時の胃痛、背中の痛みなどが見られる。

原因:不明。グラム陰性桿菌(ヘリコバクターピロリ菌)によって胃内部にアンモニアが発生し、粘膜障害が引き起こされると考えられている。

注意点: 35歳前後からは胃癌検診を定期的に行い、ピロリ菌は除去しておくことが望ましい。

一般的な治療法:ピロリ菌の除去。薬物療法など。

当院の治療法:精神的ストレス過多により、慢性的な胃痛を訴える患者は増加傾向にあります。当院では胃を支配している自律神経節付近の筋肉へ刺鍼し、胃の炎症を抑えるような治療を行っています。胃の裏あたりの背筋がガチガチに凝っている場合、交感神経が優位になり、胃に炎症が起きやすくなるようです。特に、顎関節症(食いしばり、歯ぎしり)がある場合も交感神経が優位になって、睡眠障害を伴うことが多いため、顎への刺鍼も必須となります。また、副交感神経がちゃんと働いていないと、消化不良となり、胃腸全体に不調を来す可能性があります。この場合は背中への刺鍼と、腰部や腸骨筋への刺鍼が必要になります。足三里や梁丘などを刺激すると、胃の不調が緩和されたり、痛みが減少することがありますので、灸を据えたり、マッサージするのもお勧めです。基本的に、逆流性食道炎の治療も胃炎の治療と同様に行います。また、鍼灸治療を定期的に行うことで、全身の血流を改善し、自律神経やホルモンのバランスを整え、免疫機能を向上させ、ストレスや外的環境の変化に強い体を維持することが可能です。

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