なぜ街中でカメラを構えている人を見ないのか
こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。
私は小さな頃から不思議に思っていたことがありました。
なぜ、カメラを観光地やハレの日以外で見ないのだろうと。
子供の頃、親に連れられて観光地へ行っても、その名所と言われるような場所でなら、たくさんカメラを構えて写真を撮っている人がいるのに、その場所からわずか50mくらい離れただけで、カメラを持っている人がほとんどいなくなる現象を不思議に思っていました。
その間の人の行動を観察していると、そっとカメラを専用ケースかカバンに入れていました。
「おそらく、これが一般の人の感覚なんだろうな。自分は少し特殊な感覚を持っているかもしれない」と。
他にも、もっと撮ればいいのにと思っていました。
今はスマホが普及しすぎて一般の人がカメラを持つことも少なくなりましたが、2010年には1010万台、昨年(2023年)でも少なくなったとは言え120万台が販売されています。
※日本経済新聞 電子版 2024年4月18日「デジカメ市場13年ぶり成長 スマホ代替で縮小に歯止め」より
昨年だけでもカメラが120万台も出荷されているのに、街中でカメラを持つ人はほとんどおらず、“ひっそりと” 名所や観光地で使われているように思っていました。
でも、本当は違っていました。
昔から、街中でもカメラを構えて撮っている人たちがいたことを、大人になってから知りました。
ストリートスナップを撮る人たちです。
でも、世間的に見れば、ほんの一握りの人にすぎません。
一眼レフやミラーレス機で堂々と撮っている方もいますが、コンパクトカメラで、俗にいう「キャンディッド・フォト」と呼ばれる手法で撮影していました。
街中の何気ない景色をカメラに収めることは、ストリートスナップ好きなら当たり前かもしれませんが、世間一般の認識ではあり得ないことですし、カメラユーザーでも街中でカメラを取り出して撮ることに抵抗がある人が多いような気がします。
街中でカメラを構えて何かを撮っていると、すれ違いざまに、そのレンズの先を見て、何かある?と言わんばかりに不思議そうに見られることもあります。
ヘタをすると、警察に通報され不審者扱いです。
一般常識という観点から見れば、おかしい行動なのでしょう。
写真というのは、何か目的がないと撮ってはいけないような雰囲気を感じるのも事実です。
そんな雰囲気を感じ取って、本当は街中を撮りたいのに、街中で堂々と撮ることを躊躇してしまう人もいるかもしれません。
また、SNSが普及してからは、肖像権の侵害についても議論されることが多くなり、より一層街中での撮影にブレーキがかかっているようにも感じます。
ストリートスナップに慣れてくると、ルールやマナーを守った範囲内ではありますが、いつでもどこでも撮ることが普通になってきてしまいます。
小さい頃私が感じていた、観光地以外でカメラを持っている人をほとんど見かけないことは、そもそも撮りたいものがないか、撮りたくても撮ってはいけない雰囲気に躊躇してしまうことが大きな要因としてありそうです。
私自身が街中でカメラを持って感じることは、撮りたいものは撮りたいと思う気持ちは大切にしたいということです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。
スキ♡&フォロー 気に入っていただけたら、よろしくお願いします。
Amazonにてデジタル写真集(Kindle版)を販売中。Unlimited会員は実質無料。