なぜデジタルでも35mmがデフォなのか
こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。
今日は、デジタルカメラのセンサーサイズについて考えてみたいと思います。
デジタルカメラのセンサーサイズの基本は、フィルムと同じ35mmをフルサイズと呼び、一応の基準のサイズとしています。
現在のデジタルカメラのセンサーサイズは、
・35mmのフルサイズ (約36mm × 24mm)
・APS-C (約22.3mm × 14.9mm)
・マイクロフォーサーズ (約17.3mm × 13mm)
・1インチ (約13.2mm × 8.8mm)
・中判 (約43.8mm × 32.9mm)
・中判ラージフォーマット (約53.7mm × 40.2mm)
・小型 (1/2.3インチなど)
それぞれに特徴がありますが、今回の記事の趣旨は、なぜデジタルでも基準が35mmなのかというお話をしたいと思いますので、センサーサイズごとの特徴などについては別の機会に触れてみたいと思います。
さて、サイズの話に戻りましょう。フィルム時代は135フォルムがデファクトスタンダートとなっており、ライカに採用されたことできっかけで世界的に広がりました。
このサイズは「ライカ版」とも呼ばれ、数が少なくなった今でもフィルムサイズはこのサイズが基準サイズとなっています。
このサイズがフィルム時代の長い間、基準サイズとして使われており、レンズの焦点距離も35mm判で表現されるのが一般的であり、メーカーもフォトグラファもこのサイズが共通言語として今に続いています。
フィルム時代に35mm用のレンズは、当然のようにフィルムのイメージサークルに合うように設計されていますが、デジタルカメラでも同じ35mmセンサーを用いることで、カメラがアナログからデジタルに変更されても従来のレンズ資産をそのまま引き継いで使用できることが、最大のメリットでしょう。
フォトグラファーやカメラマンは、レンズを選択する際、当然28mm、35mm、50mmなどの焦点距離を意識しますが、そのままその感覚や知識を流用できるので、被写界深度や構図なども同じように撮影できます。
また、35mmというセンサーサイズは、画質とサイズのバランスが非常に良いとされています。
中判カメラは最高の画質が得られますが、ボディやレンズが大型で扱いやすいとは言えないことは確かです。
35mmであれば、画質を犠牲にせず機動性と携帯性も持ち合わせており、多くの場面で使いやすいサイズが高く評価されているといえるでしょう。
デジタルカメラが登場した当初は、センサーサイズも小さく解像度も低かった事から、あくまで一般の人が手軽な撮影に使うもので、プロは見向きもしていませんでした。
デジタルカメラで最初にフルサイズセンサーを搭載したのはCanon 5D(2005年発売)で、自社製1280万画素のCMOSセンサーが搭載されていました。
その後、他メーカーからもフルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラが発売されるようになり、最初はデジタルには見向きもしていなかったプロフォトグラファーや写真家たちが、徐々にデジタルへ移行していきました。
これまで見てきたように、フィルムからデジタルへ移行しても、AF
などの機能・性能が完全に発揮できない場合もありますが、基本的にはレンズ資産がそのまま使えるということは、大変重要なことでした。
一眼レフがデジタル化された後の大きな動きとしては2008年、マイクロフォーサーズ規格(4/3型・35mm判と比べて対角線が半分のサイズ)から「ミラーレス」が発売された事から始まりました。
2010年にはソニーからAPS-Cサイズのミラーレス機「α NEX」が、2013年には遂に世界初の35mmフルサイズのミラーレス機「α7シリーズ」がソニーから発売されると、その後はさらなる高画質化・高機能化が進み、元々エントリー機の位置付けだったミラーレス機が、プロの使用にも耐えうるようになり、「ミラーレス」という新世代のデジタルカメラでも、35mmというセンサーサイズがデフォルトとして継承されることとなりました。
またフルサイズミラーレス機の登場は、レンズアダプターを使用しフィルム時代のMFレンズを装着することで、「オールドレンズ」の文化を活発化させることにも繋がりました。
やはりレンズが本来の焦点距離で使用できることは、大きなメリットでした。
このように、フィルムからデジタル一眼レフに変わり、さらにはミラーレス一眼に変わっても、カメラの基本は35mmが基準のサイズとして受け継がれているというお話でした。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。
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