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モノクロにすれば、カッコよくなるのか
こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXです。
今日は、写真の表現方法としてモノクロに仕上げることで「カッコよく」感じさせる効果がありますが、本当にそうなのか、モノクロ写真の魅力と限界について考えてみたいと思います。
モノクロ写真はカラー情報がないことから、色彩に左右されず構図と光と影のコントラストが際立つ表現方法です。
カラーと比べるとシンプルに見えるため、被写体を注目するような視線導入がやりやすく、カッコよさや重厚感を感じやすいと言えるでしょう。
また、1970年代頃までは写真といえばモノクロが主流であったことから、クラシックな雰囲気があることから「アート」らしい印象も持ち合わせています。
歴史的、または芸術的な価値があると見なされる場合もあり、カラー写真と比べると、アート作品のような「カッコよさ」も演出できる一面はあるように思います。
色彩情報がないことから、カラーと比べると被写体や撮影された状況などの情報量は少なくなりがちですが、逆に曖昧になることで、鑑賞者にその空気感やストーリー性などを「想像させる余地」を与えることにも繋がります。
これが「カッコよく」感じさせる理由のひとつかもしれません。
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しかしながら、モノクロ写真のネガティブな面にも触れておく必要があるでしょう。
花や夕焼けなど、色彩が大きなウエイト占めるような写真では、表現としては十分とは言えません。
被写体の魅力が伝わらないばかりか、写真の完成度を自ら放棄してしまいかねません。
モノクロが持つ「カッコよさ」は確かに強力ですが、常に効果的になるとは限りませんので、モノクロに適した写真とカラーが適した写真があることは認識しておいた方が良いかもしれません。
さて、一般のカメラユーザーがモノクロ写真を作成する方法としては、カメラの撮影モードを変更するか、現像する際にモノクロ変換することがほとんどだと思います。
しかしながら、世の中にはモノクロでしか撮影できないカメラが存在します。
その代表的なモデルが「Leica M11 Monochrome」と「PENTAX K-3 MarkIII Monochrome」です。
ライカのレギュラーモデルのM11はカラー用CMOSセンサーの6000万画素ですが、M11モノクロームはモノクロ専用のCOMSセンサーですので、RGBを識別する必要がなくより階調豊な表現が可能で、更に超高感度でもノイズが少ない撮影が可能となり、夜間などの暗いシーンをダイレクトに切り取ることができます。
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PENTAXは約2500万画素ですが、ミラーレス一眼が主流となったレンズ交換式カメラ業界にあって、今や貴重な一眼レフのカメラです。
ライカは約150万円、一方のペンタックスでも約30万円と、かなり贅沢な価格設定となっておりますが、スマホ全盛のこの時代にカタログモデルとしてモノクロ専用機がラインナップされていることは、大変重要なことです。
それだけに、カラー撮影した写真の無彩色変換ではなく、モノクロで表現することの “究極” が用意されていることは、たとえこのカメラを手にすることがないにしてもモノクロの可能性が無限であることの証ではないでしょうか。
「モノクロはカッコいい」
そこには、きっとまた見ぬ景色があるからに違いありません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX/TPIXでした。
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