ストリートスナップで顔が写ったらヤバいのか
こんにちは、路上写真家のTokyo Street PIX／TPIXです。
私はストリートスナップをメインに撮影しています。
さて、最近SNSを見ていましたら、タイムラインに「人の顔が絶対写らないように、気をつけるべし」みたいなポストが流れてきました。
話の主旨が、撮影のことなのかSNSにおける公開でのことなのかは明確ではありませんでしたが、とにかく顔が写ったら絶対NGのようなニュアンスでした。
そこで今日は、ストリートスナップで、通行人などの顔が写ることの是非について考えてみたいと思います。
さて、話を戻しますと、上記のSNSのポスト主の言っていることは十分理解できます。
カメラ界隈でも、以前から顔が写ってもOK派とNG派で、意見は常に真っ二つなように感じています。
私の個人的な意見は、ルールとマナーを守った上であれば、顔が写ることに賛成の立場です。
いつも言っていることですが、念のため明記しておきますと、各都道府県の「迷惑防止条例」および、「性的姿態等撮影処罰罪」に該当するような撮影は論外です。
また、私有地における撮影は、そもそも無断での撮影はNGという認識です。飲食店などで個人的な撮影など黙認されている場合はこの限りではありませんが。
以上を前提として、それ以外の公道や誰でも自由に出入りできる公共の場所での撮影においては、顔が入り込むような撮影や、その写真の公開も基本的には問題ないと考えます。
ただし、話はそこまで単純ではありません。
たとえ、法的なルールに則った撮影・公開であっても、人には肖像権という権利があり、個人の顔や姿などの肖像を無断で撮影されたり公表されたりしない権利が認められています。
ここでは、公共の場所での撮影に限定してお話ししますが、一般的に個人を特定できるような形での撮影は、許可を取ることが望ましいとされています。
肖像権を侵害すると、損害賠償請求や名誉毀損の訴訟に発展する可能性は否めません。
肖像権には明文化された法律がないため、過去の判例を見ても、「写された人の行動内容、撮影または公表された場所、目的、態様、必要性などを考慮して “人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものか” を判断すべきである」などの判例が過去に出ています。
また補足として、肖像権の侵害は民事上での責任を問うものであって、犯罪ではありません。
実際ストリートで撮ったことがあれば分かると思いますが、例えば横断歩道などにたくさんの人がいて、そこをスナップしたとしたら、実際に全員に撮影許可をもらうことは事実上不可能です。
たとえ、1人の通行人であっても、ありのままを撮ることが重要なスナップ撮影において、許可をもらった時点でそれはスナップではなくポートレートになってしまいます。
コンテストやSNSなどの公表において、肖像権について深く考えなければなりませんが、あまりにも過度に公共空間における個人情報の保護を訴えるような声が大きくなると、今後ストリートスナップは死を迎えることでしょう。
最終的には、写真を撮って公表することは、その人の責任においてなされるべきものですから、あなたの作品に通行人の顔を入れるか否かの線引きは、あなたの決定に委ねられます。
楽しく写真を撮って発表の活動をする上で、この線引きをどこにするか考えた方が良いと思う今日この頃です。
(こちらの記事もオススメです)
本日のオススメの1冊
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。またお会いしましょう。路上写真家のTokyo Street PIX／TPIXでした。
スキ♡&フォロー 気に入っていただけたら、よろしくお願いします。
Amazonにてデジタル写真集(Kindle版)を販売中。Unlimited会員は実質無料。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？