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どっちがエースだ!?② 村山実vs江夏豊(1968年)
プロ野球では長年に渡ってチームを支えてきた絶対的なエースと呼ばれる存在がいる。だがそうしたエースも何時までもエースを張れる訳では無く、自身の年齢の衰えと年下の若いエースの台頭による世代交代は避けられない運命である。
しかし長年に渡ってエースの座に君臨してきた様な投手は、例え歳を取って衰えを見せて全盛期程の成績を残せなくなってしまったとしても、その存在感だけでチームの精神的支柱となっている事が多い。若きエースが成績面ではベテランエースよりも明らかに勝っていてファンやマスコミからエースと呼ばれる様になってインタビュー等で振られたとしても「エースは〇〇さんの方ですよ」と答えるケースが少なからずある。もちろん縦社会のプロ野球界だから先輩を立てたり謙遜しているケースもあると思うが、実際の所はどうなのだろうか。
と言うのも成績の優劣とはいってもそこで基準となるのが得てして勝敗となってしまうケースが多く、ベテランだと年齢を考慮して登板間隔が空いたりリリーフ兼用等の無茶な登板が少なくなるため必然的に登板数や投球回数が減少する。そのため若くて元気だから投げまくる事によって登板数や投球回数が多くなる若きエースの方が、必然的に勝敗ではベテランエースを上回っている可能性は高い。だからといって若きエースの方が上なのか成績だけを見て決めつけてしまって良いのかは分からない。
そこで今回は成績面では明らかに圧倒している若きエース(それもまだブレイクして1~2年目)と長年に渡ってエースの座に君臨してきてまだまだ健在ではあるものの、ピーク時よりは衰えが見え成績面では明らかに若きエースに負けてしまっているベテランエースという構図は無いだろうか?と探してみたところ打ってつけのケースを見つけた。
それが1968年の村山実と江夏豊で、今回の『エース対決』はこの2人の検証を行う。
まずは2人の簡単な経歴とキャリアが被っていた時代の成績から紹介する。
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これ等を元に簡単な検証から行っていく。
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