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隠れた名投手列伝② 北原啓(1954年)

今回は西鉄ライオンズの北原啓について検証してみる。

ところで西鉄と言えば日本シリーズ3連覇を果たした1956~58年がオールドファンから歴代最強チームと言われる程にその伝説が様々な専門誌等で未だに語り継がれているが、その2年前にリーグ初優勝した1954年の西鉄についてはあまり語られる事がない。3連覇した時よりもこちらの方が印象深いというリアルタイムの西鉄ファンも少なからずいそうではあるのだが。

54年の西鉄の投手陣はまだ稲尾和久が入団する前で、12年目の33歳ベテラン川崎徳次が53年まではエースの座にいたが、54年は5年目の大津守に、2年目の河村久文西村貞朗の若い投手達が一気に頭角を現し彼らの勢いが西鉄を初優勝へと導いた。

北原は54年に高卒入団1年目でチーム3位の21試合で先発登板してこの若い先発陣の一角を占めていたのだが4勝3敗、防御率3.26と平凡な成績に終わりその後も1年目以上の活躍をする事が出来ずにわずか4年のキャリアで終わったため全くといって良いほど語られる事が無い投手である。それでも西鉄初優勝の一端を担った投手ではあるので、今回はそんな北原について掘り下げてみる。


まずは北原啓の簡単な経歴と年度別成績はこちら。

生年月日:1936(昭和11)年2月28日
投打:左上投げ 右打ち
身長:171cm
体重:69kg
出身地:福岡県久留米市
経歴:久留米市立南筑高等学校

【年度別投手成績】

これ等を元に簡単な検証から行っていく。


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