守護神、忌神、天中殺。大運の吉凶を読み解く!〜運勢編〜
こんにちは、東京陰陽寮のいづみです。
今日は前回の続き、映画「リング」の元ネタである千里眼事件の発端となった、念写や透視の実験で名を馳せた「福来友吉」氏の鑑定〜運勢編〜をお届けしたいと思います。
命式編はこちら↓
大運解析
鑑定の前に必要な情報A〜Dを載せておきます。
A 主な経歴(Wikipedia参考)
①1869年12月5日生まれ
②1899年(己亥)30歳で東京大学卒業
③1906年(丙午)37歳で文学博士学位授与
④1908年(戊申)39歳で東京帝国大学助教授
⑤1910年(庚戌)41歳で校長の勧めで御船千鶴子の念写実験に携わる
⑥1911年(辛亥)42歳で御船千鶴子が服毒自殺
⑦1912年(壬子)43歳で次の被験者、長尾郁子が病死
⑧1913年(癸丑)44歳、高橋貞子で実験し成功
⑨1914年(甲寅)45歳、「透視と念写」出版するもマスコミからバッシングされ同年10月、東京帝国大学から追放される
⑩1921年(辛酉)52歳、真言宗宣真高校学長
⑪1926年(丙寅)57歳、高野山大学教授
⑫1952年(壬辰)83歳、肺炎のため逝去
B 大運表
C 命式表
D 守護神と忌神
出揃いましたのでいざ、鑑定していきましょう★
①どんな幼少期を過ごしたのか?
運勢を見る時にまず確認して欲しいのが初旬です。初旬干支は幼少期を過す上で多大な影響を与えます。その影響を受けて人生を過ごしていくのでとても重要視します。
初旬は甲戌、主星は禄存星、従星は天堂星、そして天中殺なので、陰転の可能性があります。禄存星はお金の星、奉仕的星ですが陰転すると承認欲求、天堂星はお世話したい、悟りの星ですが陰転すると見下します。また甲は六親法で父です。
”おそらく財政的に厳しかった家系です。宿命の天剋地冲と月支冲動で跡を継がず、学問の世界で成功して父に認めて貰いたかったのではないでしょうか?天堂星ですから商人を見下していた可能性もありますね。”
そしてこの初旬の星は衛星のように人生に影響を与えます。
②19歳、忌神大運のはじまり。
30歳で東京大学を卒業しています。遅いですよね。19歳からの癸酉の大運と、29歳からの壬申の大運は忌神の大運です。
単純に考えても苦労を伴う二十年です。また主星の調舒星、鳳閣星は精神の星ですから精神的苦悩があったはずです。そこに天将星天禄星ですから現実界での苦労もあります。
卒業が長引いたのは、このような条件であったためですが、忌神の時期は、表立って輝くことは難しいのですが力をつけるのには良い時期です。
39歳の忌神大運を脱出してすぐ、大学教授になっています。
③仲間、業界中殺の「石門星大運」
大運天中殺も残り10年と差し迫った41歳庚戌年、校長の勧めで念写の実験に携わります。日支の半会や支合は紹介などで大きく動きますが年運天中殺ですので良い結果は望めません。
翌年の辛亥年、被験者である御船千鶴子が服毒自殺します。
辛未大運の辛亥年は外大半会で年天中殺です。自分より周りが勝手に広がっていきます。そして本人は年支対冲です。
”福来氏的には年支の冲ですから、これからもっと実験していこう、という時に千鶴子に自殺されてしまい、進めない状況になったと考えられます。また外大半会と天中殺ですからマスコミによる変な噂が勝手に広まったことで耐えられなくなった御船千鶴子が服毒自殺を図ったのではないでしょうか?”
43歳壬子年に二人目の被験者、長尾郁子も実験のあとすぐ病死します。外害、日支対冲です。
”日支の冲は実りとの決別。この時点ですでに彼のこれまでの実績はほとんど失っていたものと考えますし、大学を辞めてもいい覚悟があったのかもしれません。また外害です。害は病気などを示唆しますから長尾郁子の病室はこれを指すのかもしれませんね。”
44歳癸丑年にはリングにでてくる貞子のモデルとなった高橋貞子が実験後失踪しますが念写実験は成功したと結論づけます。外対冲・刑、年支半会、日支害です。
”外の冲ですから、世間はもうこの件にあきあきしていたし刑ですから批判的だったはずです。日支害ですからかなり疲弊はしていたようです。ただ年支は半会で進めの星ですから彼を止めることはできなかったのかもしれません。”
45歳甲寅年、「念写と透視」を出版。その後東京大学を追放されます。月支支合、日支半会、年支害&刑。
”日支半会ですから出版社から本を出さないかと提案があったかもしれません。月支も支合てすから、その話にのっちゃいましたね。ですが年支は害&刑なのでそのせいで争いと仕事に支障が出たとみれます。また東京大学の教授になったのは39歳戊申年、剥奪は甲寅です。大学教授としての生年月日が存在するとしたら天剋地冲です。”
”またこの大運は石門星大運です。仲間、業界大運ですから本来は個人の利益より業界の利益を優先すべき大運です。調和を目指すことが大事だったのではないでしょうか?それができなければ淘汰されます”
④仕切り直し、日干支律音大運
東京大学追放で幕を閉じた大運天中殺。一見悪いようにおもいますが、大運天中殺の出来事はその中でけじめをつけるのが鉄則です。特に天中殺中に得た名誉や物質的利益は手放すことがいいとされています。
52歳辛酉、真言宗宣真高校の学長に就任します。実はこのあたりの正確な年月日は曖昧でした。ただ、大運は庚午の律音ですから、仕切り直しです。日支ですし自分の生き方について仕切り直しです。
”真言宗系ですから高野山で修行でもしたのかもしれませんね。貫索星がまわると鏡をみている状態です。自分自身と向き合う時間が大切です。”
57歳丙寅で高野山大学の教授です。しかし念写についての研究は裏でやっていたそうです。
月は支合、日は半会なので推薦で教授になったのでしょうが年支冲動です。その後ずっと高野山大学にいらしたそうなので、辞令で動いたのかと思います。
”年支冲動は自らの意思で動くのは危険です。辞令や命令で動くことで災いは最小限に留められますし、新装開店のように、リニューアル的な方法なら良いとされていますので、異動という形だったのかもしれません。”
④83歳逝去、丁卯大運、壬辰年運
大運丁卯と年運壬辰は干合支害です。
守護神である丁を壬が干合で持っていってしまいました。丁と壬の干合は例えるなら赤潮です。一度赤潮になったらなかなか戻らないのです。害で肺炎になり悪化してでのことではないでしょうか?そして壬は鳳閣星の忌神です。未来を奪われたとみていいでしょう。
⑤最後に。
二回に渡ってお届けしてきました映画「リング」の元ネタ、念写実験の福来友吉氏。
今回の鑑定でわかったことは
・宿命生月中殺は家系を継がない
・宿命天剋地冲は影響力がすごい
・宿命月日座中殺は人の運気を左右する
・宿命干合は信じ込みやすい
・大運天中殺での出来事は手放すが吉
・大運天中殺は主星と従星の災いがでやすい
・外位相法は関係者に出る
・忌神は苦労を伴う
・守護神とはいえ干合で変化すると力を失う
といったところでしょうか?
今回は著名人鑑定ということで「福来友吉」氏をピックアップさせていただきました!
なかなかマニアックなところにいったな感はありますがお勉強の参考になったら幸いです。
お知らせ
東京陰陽寮では毎月5日に、東京都葛飾区立石にある「五方山 熊野神社」さんにて運命鑑定を行っております。
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