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【ウフマヨ】珈琲漢(コーヒーマン)達の本気の趣味。洋食同好会「Autumn 2024 (⅓)」のレポート
現在メンバーは5人。バリスタやロースターなど、全員がコーヒーを仕事としています。
洋食同好会Tokyo Omuruice’s(トーキョーオムライズ)では、四季折々の旬の食材や、風物詩、色、匂い、音など季節の破片を集めて、食を通して表現し、音楽やコーヒーとのペアリングを提案します。
【Thema】
Autumn 2024のテーマは「Autumu Leaves」。
紅葉のように9月は「黄」10月は「赤」11月は「茶(褐色)」とテーマカラーを設定して、3回に分けて開催します。
今回のテーマカラーである黄色を考えた時に、真っ先に月を思い浮かべました。しかしストレートに黄色=月とするのではなく、何か工夫が必要でした。そこで季語や歴史を調べている中で、「無月」という言葉と月を題材にしたいくつかの浮世絵を参考にしました。秋カラーの着物を着てお月見をする人々や、また十五夜に、空が曇って月が隠れてしまっても、それを風情として楽しむ様子など、とても日本らしい美しさを感じました。是非この情緒ある風景を食に落とし込みたいと考えました。なので、盛り付けした時に初めから黄色が見えないギミックが必要でした。しかしすぐにウフマヨという素晴らしい提案があり一品目は決定しました。月を隠すソースは雲を表現しています。雲のカラーは二代歌川国貞の「東海道名所之内 名古屋」を参考にしました。
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全体的にマヨネーズカラーで赤いグラデーションは旬を迎える柘榴を使って表現できないかと、鉄雄ヘッドシェフに提案しました。雲に見立てたソースをかき分け、卵を割ると美しく輝く月が出てきます。
【MENU】
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ウフマヨ マヨネーズと柘榴のソース
(卵、柘榴、白ワインビネガー、生クリーム、赤ワイン、他)
【FOOD】
料理は鉄雄ヘッドシェフが、レシピ作成から調理まで一貫して担当してくれます。
卵も割って、トロッと出てくる状態にするために、火力と茹で時間を5:50、6:00、6:30と30秒単位で検証し6:30を採用しました。
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また、自家製マヨネーズに旨みを足すためにチキンコンソメを使用しました。卵との相性も考え選択しました。浮世絵のような雲のレイヤーをソースで表現する為に、試作段階でマヨネーズと柘榴ソースの割合と混ぜ方も何パターンも検証しました。
【MUSIC】
プレイリストはペインターとしても活動しているオカシンペさんが担当してくださっています。今回もApple Musicで作成してくださいました。クラフトワークはドイツの音楽ユニットですが、1曲目が「Tour de France 2003」なのはウフマヨのウフ(oeuf)がフランス語だからでしょうか。前半はテクノポップが多い印象を受けますが、決して激しいわけではなく、ジャズへと流れていく選曲は夏から秋への移ろいを感じます。アート・ファーマーの「枯葉」はとても落ち着くメロディです。また、自然に馴染んでいるFishmansの「うまく歩けないよ」の歌詞は今回の料理名である「無月」をノスタルジックで優しく包み込み、とても感動しました。
【PLATE】
食器やグラス、カトラリーはyumiko iiboshi porcelainからセレクトしています。
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「pattern D17 haku」
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「ReIRABO round plate S winter night gray」
「pattern D12 haku」
メインの盛り付けとして選んだReIRABOのお皿は日本の伝統的な伊羅保釉を使って、現代のプロダクトにされたシリーズの一つです。表面が雲のようにモヤモヤとひとつひとつ違う美しい紋様が浮かび上がり、「無月」にぴったりだと思いました。
【NEXT】
次回は「Autumn 2024 (⅔)」です。
テーマカラーは「赤」です。メインディッシュをジビエで作ります。
花札にある「紅葉に鹿」を表現します。
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