noy 2nd e.p ディスクレビュー:第9弾 Message from MASA(THE BREATH / HI LIBERATE)
東京は初台WALLをベースに活動を続け今年で結成15周年を迎えるEmotional Hardcore バンド”noy” の2nd ep 「(We had squeezd out) The time that build milepost.」
結成当初からブレる事なくEmotionalなHardcoreをさらにソリッドに突き詰めた5曲入り。
Endzweck,Enslave,Envyのような日本のハードコアバンドからの影響をベースにModern life is war,Punch,Touché amoreなど2010年代の海外HCバンドのサウンドを独自の感性・手法でMixしている。
タイトルは直訳すると 「(オレ達は搾り出した)マイルストーンを打つ時」という事で活動15周年、一旦の集大成としての作品である、という意図を感じる。
マイルストーンという事で彼らの活動を振り返ってみると2008年の結成時からアクティブに活動し続け2013年にはCosmicnote主催のPUMP UP THE VOLUME @川崎クラブチッタにも出演。
2015年にはフロリダの伝説As Friends Rustのメンバーを擁するOn Bodiesとの帯同ツアーも敢行。2018年には1st フルアルバム「HARD CHOICE BRINGS US THE PAIN」をリリース。コロナが始まるまでのこの時期は国内ハードコアバンドの中でもトップレベルに活発な活動をしていたように記憶している。
その後、世界はコロナ禍に突入してライブ自体が出来なかった時期(2020年から2022年後半)を経て少しづつライブを再開しているが、ライブ本数は以前に比べると抑え目なのは否めない。
背後にメンバーの私生活におけるライフイベントを重ねる中で音楽・生活・仕事・家庭などのバランスへの葛藤がある事が想像される。
そういった環境や感性は一般社会に生きる多くの人々の感覚と地続きになっていて、noyの表現はロックスターや有名人とは別軸で一般社会を生きる生活者としての表現なのだと思う。
歌詞をいくつかピックアップすると
”無能感を従えて無力感と対峙する” #1
“確立されない主体性” #2
“続く価値観の相違” #4
恐らく多くの人が人生の中で感じてきた心情に重なるだろう。
時に疾走し、時にグルービーに奏でられるソリッドなHardcoreサウンドにいち生活者としての苦悩や希望を乗せた歌詞。
世界的にもメンバー個人的にも混沌とした状況が続く中でも地に足をつけて、もがきながら生活に折り合いをつけて歩を進め、紡いだのがこの作品なのだと思う。
MASA (THE BREATH / HI LIBERATE)
過去ディスクレビューアーカイブ
1.第1弾:Message from 安藤 竜 (BREAK THE RECORDS / SYSTEMATIC DEATH)
2.第2弾:Message from ヒカルさん (ex.ENSLAVE)
3.第3弾:Message from タナベさん (nervous light of sunday / still / uncovering / beyond man)
4.第4弾:Message from 長沼さん (MAKE IT LAST / KTGR / EAST END TOKYO)
5.第5弾:Message from 北川さん (AND BELIEVE / CROCODILE COX AND THE DISASTER / NO CHOICE IN THIS MATTER)
6.第6弾:Message from Sakai (Make Mention Of Sight / farandell / SOUL AGE RECORDS)
7.第7弾:Message from soichirou (FLING THING / QUESTRAKT)
8.第8弾:Message from Juntaro (F.P)
↑↑↑ディスクユニオン公式サイトから2nd e.p購入可能です!↑↑↑
↑↑↑2nd e.pに収録されている楽曲MVです!↑↑↑
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?