43話:さくら、もゆ。-as the Night's, Reincarnation-/FAVORITE 自己犠牲わんこそばstyle
「泣きゲーの最高峰」
「全俺が泣いた」
というだいぶイケイケなレビューが多かったので買いました。
結論だけ言いますと、私には合わなかったです。
なのでさらっとした感想でまとめます。
とても長いゲームでした
まず注意して欲しいのが、完走までの平均プレイ時間45時間らしいのです。今、そんなゲームなかなかない。
でも私のマガジンタイトル「なぜ50時間もかけて1本のノベルゲを読むのか私にもわからない」。こちらにいちばんテーマが沿ってるし、泣ける話好きだから読もう!っていうのが最初でした。
この作品の好きなところ
よかったところを羅列するとこんな感じ。
以下ネタバレも入るのでお気をつけください。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」っぽい世界観がきれい!
初手がたしか列車のシーンから始まって、この物語はどんな終着駅へ向かうのだろうとワクワクしました。
優しさを丁寧に丁寧に重ねていくような描写は、あまり読んだことないタイプだったので新鮮でした。主人公は言葉遣いも所作も優しくて、普通にモテそう。女の子はどの子も素朴で控えめで、性格のいい子が多かったです。私の好きなギャルはいませんでした。だけどこの作品の雰囲気にギャルは不要だとすぐにお口ミッフィー。
鬱展開はほとんどやってて(エロ系の鬱はないです、普通に人生しんどいやつ)、不幸のオンパレード感がすごかった。
約束したヒロインを迎えに行く途中で主人公はもちろん事故で死ぬし。君が望む永遠ェ……となりました。
物語をたたむときには愛の詰まったシナリオが多くて、汚れた心は洗い流された気がします!!
それでも合わなかったのはなんでだろう…
それでもなかなか好みと言えなかったのは、どうしても文章が冗長に感じてしまったことです。クセがある……というふうに表現するのが正しいのかはわからないけど、万人受けではないシナリオかと思います。
そもそも自分は、一度書いたような説明を重ねないみたいなところを守って文章を書いているので。それとは真逆のスタンスの文章が入ってこなかったというのもありそう。
だけどこれ戦略でもあったみたいだから……。ただそれに乗れなかったのかなーと残念な気持ちでした。
また、登場人物は自己犠牲思考の人が多く、そして自分の存在を否定しがちな人も多かったですね〜。
暗い話はとても好きだし共感はできるところも多かったのだけど、没頭できなかったのは悔しかったなぁ。
何度も挫折しそうになって、でも「ラストのクロルートに救われる」というレビューを信じてやってきたけれど、それでもダメだった。
今回は、何かが悪いとかではなく、合わないが正しいかもしれない……。
考え方のヒントや美しい言葉にはいくつも心が救われて、たくさんメモもしたので、得るものが多かったのも本音です。
素直に、高得点をつけた方々のような感性が自分になかったことを残念に思います。
さくら、もゆ。で学べたこと
「軽率にハッピーエンドを求めてすまんかった」ってところかな。違ったらごめんなさい。
この話は大事な人のハッピーエンドを紡ぐために、みんながそれぞれ自分が不幸を背負って、次の人はその不幸を取り除くためにたくさんの代償を払って……みたいなことが続いて、ファッ!?となりました。
自分に置き換えてみて、この身を投げ出せるほどの想いなんてほぼほぼないじゃないですか。
ハッピーエンドを手繰り寄せることを本気でやってる人たちはすげーなと思いました。こなみかんですみません。
好きな言葉のひとつを置いときます。
「人の心は、今日まで投げかけられたすべての言葉でできている」
これはいつかパクろうと思います。
読了後の完走感が半端なかった東京ニート的評価「さくら、もゆ。」 B
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