vol.7:N-LAP最終ピッチイベント
令和3年12月26日(日)17時。
N-LAPのファイナル。最終ピッチイベント。
いよいよ各チームから3か月間の成果が発表される。
会場は、「BIWAKO PICNIC BASE」。
江戸時代のものと伝わる古民家を改装し、日本庭園を愛でながら仕事ができるサテライトオフィスで、長浜に昨年11月誕生した。
なお、この日の長浜は、10年ぶりの大雪。日本庭園の雪化粧は美しく、雪を見慣れない参加者から感嘆の声も響いた。
ここを会場に最終ピッチイベントがあることは、長浜の伝統と新しい挑戦がマッチングした感があり、今後の展開が楽しみだ。
そして、オフライン開催は、チームメンバーやメンターと顔合わせができる。直接会うことって単純に嬉しい。メンバーのテンションも上がる。舞台は整ったようだ。
<市長あいさつ>
・長浜の発展は、若い人の活躍がキーワード。今日の4チームの発表を楽しみにしている。
・BIWAKO PICNIC BASEは、若い人たちにどんどん利用してほしい。今日のイベントを内外にアピールしていくので、協力をしてほしい。
<オーガナイザーの岩嵜さんからN-LAP経緯説明>
・8月に長浜でStartup Weekendを開催。長浜在住の人、長浜ゆかりの人だけでなく多くの人に参加いただく。この運営には、滋賀大学の山下先生に非常にお世話になった。このイベントで、7チームができた。うち6チームのリーダーが長浜にゆかりある人で、長浜で新しいことをしたい人が多いことがわかり、嬉しい驚き。
・N-LAPは、前述のチームのうち、希望した4チームのサービス構築等を支援するプログラムで、メンタリングや地域とのマッチング、レクチャーセッションなどを実施した。
・この取り組みを地元紙や長浜の広報紙が取り上げてくれたことで、市民にも長浜の新しい動きを知っていただけた。
その他の動きについては、これまでのnoteの記事参照。
<チーム発表>
■茂基地 中川さん
〇提案内容
庭を造るキットの製作販売をする。
〇プレゼンでの主な発言
・ソフトウェアが大切。庭を造ることでなく住んでいる人がどのように育んでいるかが大事。
・地域はいかに文化資本を蓄えているかが問われる。それに貢献したい。
・文化発信拠点を作っていきたい。
・自分で庭を造り、庭を楽しむ人が増えれば、人生が楽しくなり、まちも明るくなる。
〇主な質疑応答
・自分好みの庭を造りたい人はDIYしていると思うが、その人は何に困っているのか?
→いきなり設計は難しく、ある程度のガイドを求めているはず。キットをその求めに応えるものにしたい。
・庭を造りたい人が、庭師に依頼するのでなく、キットを注文する意義は?
→費用が安価になる。自分で5‐10年かけて作るので、それが楽しいと感じる人に届けたい。
・価格が安いとお客さんにとっては良いが、本来とれる利益がとれないのでは?
→新しいニーズをとっていきたい。
■デジふる 福田さん
〇提案内容
日本一の数を誇る長浜のお寺と人々をつなげるデジタルコミュニティサービス
〇プレゼンでの主な発言
・長浜市のお寺の数は日本一。この財産をデジタルの力で活用する。
・お寺は人が集まることを求めている。豊富な見識がある住職と人間関係を広げたい人とをつなげることで、達成したい。
・このコミュニティで、長浜の良さを内外に届けていきたい。
〇主な質疑応答
・ユーザーの獲得が難しいと思うが策はあるか?
→メディアによる集客。お寺に相談している人からスモールスタートする。
・顧客数の試算は、かなり多いと思うが?
→長浜への観光客が年間700万人。お寺や観音目当ての人も多い。1000人に1人くらいは、顧客となるという試算。
・お寺の反応は?
→ヒアリングでは好意的。お金もそんなに要らないと言われている。
■空き家 横田さん
〇提案内容
将来、空き家となる可能性がある家の所有者の不安を解消するコンサルタントサービスを提供する。
〇プレゼンでの主な発言
・長浜市の関係人口を増やすために、空き家資源活用に着目した。
・ただし、現在利用可能な空き家は長浜市では4%であり、この増加を目指す。
・空き家資源増加のために、現在家を所有する高齢者の相続不安を解消するとともに、空き家になる可能性のある家の情報を入手する。
・今後の市場の拡大も考慮に入れ、3年後に9000万円の利益を生むサービスになると見込んでいる。
〇主な質疑応答
・空き家が入り口ということであれば、ターゲットは高齢者だけでないと思うが?
→空き家問題の主な要因に相続問題がある。まずは、相続目線で空き家問題を解決に導きたい。
■かっちゃんチーム 熊谷さん
〇提案内容
保育士が見守る農園サービス。保護者の育児負担の軽減と農業体験による子どもの情操教育の充実をはかるもの。
〇プレゼンでの主な発言
・仕事をしながら育児をしている人をターゲットにしている。
・習い事などでは、時間が短い。農園であれば、長時間保育が可能となる。
・農園提供者、保育士などの協力者は確保。参加者が集まれば開始できる。
・顧客に農園保育サービスの他、子どもの写真などを販売するサービスを行う。
〇主な質疑応答
・一人の顧客が年に何回使うのか?
→月に3回程度を想定。
・農園で月3回も行ったら、採るものがなくなってしまうのでは?
→収穫体験だけでなく、他の農作業や食べる体験もコンテンツにと考えている。
・保育士はいるのか?
→60代の女性を中心に集まった。
・「農園 保育」ではなく新しいワードを使い、長浜からこのしくみを広げてほしい。
→頑張ります。
<まとめ>
各チームリーダーから、顧客のことを思い、精緻に積み上げられた起業計画について、熱を持って、発表があり、多くの起業を見てこられたメンターの皆様から、愛情ある厳しい質問が飛ぶ。
それに真摯に応える各チームリーダー。
見学いただいた地元金融機関の皆様、湖北市民会議の皆様からも温かいコメントをいただきました。
今日のこの瞬間、まだ一歩目だろうけど、長浜で新しく大きなムーブメントが起きているなと感じた。
今後の長浜に注目いただきたい。
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