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第6回 新型コロナと後遺症 -都民アンケート結果から(6)
こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。
新型コロナの流行が始まって3年以上が経ちました。リスコミチームでは都民のみなさんがどのような感染防止対策を行っているか、また今後の感染防止対策についてどう考えているか等を把握するためにアンケート調査を実施し、これまで5回にわたってその結果をお伝えしてきました。
第1回 流行から3年。感染防止対策、どうしていますか? -都民アンケート結果から(1)
第2回 これからの感染防止対策、どうしますか? -都民アンケート結果から(2)
第3回 マスク着用のマイルール-都民アンケート結果から(3)
第4回 私たちが医療従事者のためにできること-都民アンケート結果から(4)
第5回 新型コロナへの気持ちの変化-都民アンケート結果から(5)
その続編の第6回として、今回は新型コロナの後遺症を疑う症状があったかどうか等を中心に、都民アンケートの結果をお届けします。
調査の概要については、すでにnote「第1回 流行から3年。感染防止対策、どうしていますか? -都民アンケート結果から(1)」にお示ししたとおりですが、以下に再掲します。調査対象は東京都在住の20代~70代の都民とし、年齢構成を東京都の人口比率に合わせた割当抽出を行いました。調査期間は2023年2月15日〜同年同月21日、有効回収票数は10,429です。
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ではアンケートの結果です。
これまでに新型コロナ陽性と診断、判定されたことがあるかどうか、またその回数を質問したところ、下の図のような回答結果となりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1680149227356-jnMUs9ghvK.jpg?width=1200)
自己検査陽性も含めて「ある」と答えたかたは約2割いました。陽性経験に性別による差はなく、若い世代で陽性経験ありとする割合が高くなっています。コロナ陽性と判定されたかたのうち、陽性になった回数は「1回」が約9割、「2回以上」が約1割でした。
さらに、新型コロナ陽性経験のあるかたに、新型コロナに感染してから2ヶ月以上の期間、後遺症を疑う症状があったかどうかたずねました。下の図をご覧下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1680084829162-08rDAWRvQi.jpg?width=1200)
その結果、25.8 %のかたが「あった」と回答しました。グラフから、どの世代でも後遺症の症状を訴えるひとが一定数存在していることが分かります。
さらに、それはどのような症状だったかをたずねました。下の図をご覧下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1680084904591-4MJvilg6yN.jpg?width=1200)
症状としては、「疲労感・倦怠感」が約5割と最も多くなっていました。次いで、「咳」、「発熱・微熱」、「たんが出る」、「味覚障害」と続いています。また、いわゆる風邪症状には含まれない症状にも、長く苦しむかたがおられることが分かります。
では、後遺症の症状によって日常生活にどのような支障が生じたのでしょうか。下の図をご覧下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1680084940638-oFxquoaN9U.jpg?width=1200)
上のグラフは、後遺症の症状による日常生活への支障の有無を示したものです。「非常にあった」と「ややあった」を合わせると、85 %が支障ありと回答しています。
また下のグラフからは、支障があったかたのうち、5割以上が仕事や学業を休んだことも分かりました。なかには一月以上休んだかたも8.3 %おられます。
次に、都民のみなさんの気持ちについてもお示ししましょう。新型コロナの5類への移行後、5月8日以降についての心配や不安についてたずねました。下の図をご覧下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1680084992216-UUdsS0ciAv.jpg?width=1200)
その結果、今後の感染対策や医療への不安として、「医療費がどれくらい自己負担になるか心配だ」とする回答割合は、6割強となっています。また、「どこの医療機関でも診療してもらえるか」と「入院先を探すのに混乱しないか」についても5割強が不安を感じておられます。
では、都民のみなさんは、新型コロナに関してどのような情報をほしいと考えているのでしょうか。下の図をご覧下さい。
![](https://assets.st-note.com/img/1680085029040-qi4tYOawVt.jpg?width=1200)
今後ほしい情報として最も回答の多いものは「医療機関を受診する方法」と「医療費がいくらかかるか」で、いずれも33 %です。これに「体調を相談できる窓口」、「治療薬の効果」が続いています。医療に関するわかりやすい情報を求める声が多いことが分かります。
ここまでの今回の都民アンケート調査の結果をまとめると、
○ コロナ陽性との判定を経験した人の4人に1人は後遺症を疑う症状があった。そのうちの多くの人は後遺症による日常生活への支障があったと回答し、仕事(学業)を休んだ人もいること。
〇 今後の流行によって感染し、医療を受ける可能性について、回答者の多くは認識していること。そして、「今後はどのように医療を受けるのか」、「どのくらいの医療費がかかるのか」について漠然とした不安を抱えていること。
が分かりました。
2023年2月に実施した都民アンケート調査結果報告は以上となります。
リスコミチームでは、2023年3月に都民インタビュー調査も行いました。その結果について、「新型コロナの“収束”とは? -都民インタビュー結果から-」として記載しています。こちらも是非ご覧下さい。