新型コロナの“収束”とは? -都民インタビュー結果から
こんにちは。東京iCDCリスコミチームです。
リスコミチームでは、新型コロナ流行から3年以上が経過した時点における都民のみなさんの意識や現状を知るため、2023年2月にアンケート調査を実施しました。その結果を6回にわたりお届けしました。
第1回 流行から3年。感染防止対策、どうしていますか? -都民アンケート結果から(1)
第2回 これからの感染防止対策、どうしますか? -都民アンケート結果から(2)
第3回 マスク着用のマイルール-都民アンケート結果から(3)
第4回 私たちが医療従事者のためにできること-都民アンケート結果から(4)
第5回 新型コロナへの気持ちの変化-都民アンケート結果から(5)
第6回 新型コロナと後遺症 -都民アンケート結果から(6)
さらにリスコミチームでは、2023年3月に都民を対象としたインタビュー調査も実施しました。アンケート調査では多くの量的データを得たわけですが、インタビュー調査では調査対象者数は多くはありませんが、深く、きめ細やかな質的データを得ることができます。
インタビュー調査の概要は下の図のとおりです。
インタビュー調査では、新型コロナ流行によってどんな影響や変化があったかをご自身の言葉で自由に語ってもらいました。みなさんの語りから、コロナ禍によって、ネガティブな影響とポジティブな影響とがあったことが分かります。下の図をご覧下さい。
ネガティブな影響としては、「旅行や遊びに行けなくなった」、「人との交流が減った」といった、外出自粛や人との接触を減らすこと等にともなう影響についての意見が多く聞かれました。また、医療機関や高齢者施設の面会制限による影響、教育環境の悪化の深刻さについての声もありました。
ポジティブな影響としては「テレワークで勤務環境が良くなった」、「ネットでの楽しみが増えた」など、オンラインの活用・普及による変化についての意見が多く聞かれました。
続いて、どのような状況になったら新型コロナが「収束した」、「コロナと共生している」と思うか、やはり自由に話していただきました。下の図をご覧下さい。
「コロナの収束」や「コロナと共生」のイメージは、人によって様々でした。既に収束していると考える人もいました。
収束や共生の条件としては、感染者数が十分に減ったら、治療薬が普及したら、どの医療機関でも診てもらえるようになったら、といった客観的状況のありように加えて、普通のことと思えるようになったら等、人々の気持ちの落ち着きがもたらすものだと受け止められていることが分かります。
さらに、今後行政に望むこととして、発信してほしい情報、取り組んでほしいことについて、自由に話していただきました。結果は下の図の通りです。
インタビューでは、全数把握がなくなったとしても、例えば「増減の傾向」がどうなっているか等、感染者数について目安となるような情報を発信してほしいとの声が聞かれました。また、感染したらどうすればよいか(連絡先、受診先など)に関する情報を、引き続き発信してほしいとの希望もありました。
さらに自分たち個人に向けてだけでなく、人びとの働きかたや学びかたを左右する事業主や病院、学校に対する情報発信をしてほしいという意見も見られました。
そして、医療体制の整備を含めて、今回のコロナ禍での経験を今後に活かしてほしいとの声も聞かれました。
ここまでをまとめると、今回の都民インタビュー調査の結果からは、
○ コロナ流行によって、都民のくらしにはポジティブ、ネガティブの両面で様々な影響があったこと。
〇 収束についての捉え方は様々であるが、医療提供体制の進展だけではなく、人々の 気持ちの落ち着きによってもたらされるという考え方も示されたこと。
〇 行政に対しては、情報発信の継続、コロナ禍での経験の今後への反映を希望していること。
が分かりました。
以上、都民インタビュー調査の結果をお示ししました。
今回もまた、都民のみなさんの新型コロナによるくらしへの影響、収束のイメージ等についての理解を深めることができました。この結果は、今後の情報発信や体制整備に生かしていきたいと思います。
ご協力くださった回答者のみなさまに感謝いたします。
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