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村上隆は転売ヤーをアートにして、アートを大衆ビジネスにする。
どうも、東京ぐらふです。ミーハー活動を通じて世界の幸せの総量を増やします。
村上隆のアート展で長蛇の列のわけ
2月3日から京都で開催
京都市は京セラ美術館にて、村上隆さんの個展が開催されています。
日本では8年ぶりの個展とのことでアート界でも盛り上がりを見せています。
コレクターの方が投稿されていた前日のレセプションも華やかです。
初日から行列、の目的は。。
そして初日2月3日(土)から大行列ができます。が、どうも様子がおかしい。
一度入ったらすぐに会場を突っ切り、そしてまた列に並び始めるのです。このグルグル回る動きは、アートを楽しみにしている方ではない。
この方々は転売ヤーだそうです。
京都市京セラ美術館の村上隆展初日、トレーディングカードの転売ヤー多数で長蛇の列。展覧会は到底見れる状況ではない。
— 小金沢智 (@koganezawas) February 3, 2024
カード購入希望者と、展覧会来場希望者は別々にすべきでは? というのは、美術館に対する異議申し立てですが、内覧会をベースにして記事を公開してるメデイアもどうかと思う。 pic.twitter.com/uZDfzUyskL
そう、今回の展覧会では入場券と引き換えにトレーディングカードが配られるのです。50000名限定と、希少性があります。
転売のおかげで成り立っているアート業界
アートにはプライマリとセカンダリがある。セカンダリは転売。
アートには作家がコレクターに販売するプライマリと、その後流通するセカンダリがあります。
株式市場に近いですね。
そして、セカンダリが大きいことも株式市場に似ています。
一見すると一次流通市場がまさにアートの売り場という感じを受けますが、実は二次流通市場の動向は一次流通よりも注視され、市場全体の鍵を握っているとも言えます。
例えば、世界の市場シェア45%を誇るアメリカでは、その中で二次流通での取引が50%を占めています。先ほど述べたように、その他の上位国でも二次流通での取引は活発に行われています。
アートが好きでも転売する。
ZOZO創業者の前澤さんがバスキアの作品を高額で購入したことでニュースになりましたが、これもセカンダリ。そして、その作品はより高い値段ですでに売却されています。
前澤さんはアート界に深くコミットされています。転売したことをもって非難されるものではありません。
村上隆はトレカを通じてアート作品を作った?
アート業界を風刺する作品はこれまでもある
アートと転売は切っても切れないわけですが、これを風刺する作品もあります。
謎に包まれたアーティスト・バンクシーはオークション会場にて自身の作品が落札された瞬間に、額に埋め込まれていたシュレッダーで裁断してしまいます。しかも、その作品はより高価になった、というおまけ話もあります。
収集家を風刺した作品もあります。
村上隆が作った転売というアート
この騒動を通じてXでは色々な意見が交わされています。
そして我々も考えてしまいます。
我々は美術館に並ぶ転売ヤーを見て、我々は何のために美術館に並ぶのか、転売ヤーよりもちゃんと作品を見ているのか、入場券と引き換えに入れた手に入れたトレーディングカードを転売しないと本当に言えるのか。
問いを投げかけることが現代アートだとすれば、バンクシーやオズボルトが問いかけるのと同様に、今回の騒動は村上隆の作った問い、すなわちアートなのかもしれません。
村上隆はアートビジネスをマスアダプションにするかもしれない
転売が多いと言っても、これまでのアート界はやはり富裕層を中心とした世界でした。金額感で言うと100万円以上でしょうか。
トレーディングカードはアートよりも二桁ほど下がります。それでも資産性があるとしてメルカリなどで転売が繰り返されています。
アートとトレーディングカード、この二つの世界を村上隆は自ら近づけようとしている、と私は考えます。
その結果、アートが大衆に受け入れられる、すなわちマスアダプションが起きる可能性があります。
アーティストでありギャラリストでもある村上隆さんの活躍が今後も目を離せません。