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新しい新年の過ごし方
昔はイベントごとがあまり好きではなく、クリスマスや年末年始などといった浮足立った雰囲気が苦手だった。
「家族が集まる日」「ゆっくり過ごせる温かい日」などといった、固定概念というか世間のイメージというか、そういった枠組みに自分が入ることができない環境だったのだ。その状況に強いコンプレックスを抱いていたし、周りと同じように振舞うために、友達に「楽しかった」と噓をつくのが子供の時は辛かった。
やっと家を出て一人暮らしを始めたばかりの時も、楽しみ方がわからず、「実家に帰らないの?」と聞かれるたびに「忙しいから」と、苦い気持ちを抱えながら誤魔化していた。
そんな私だったが、今はクリスマスも年末年始も大好きで、ちゃんと楽しむことが出来ている。いつどうやって克服したかは覚えていないのだが、気づいた時には、おせちを買おうか、年末の掃除はどこから始めようか、初詣はどこに行こうか。なんて、あれこれ考えながら新年にしっかりと向き合えるようになっていた。
運命の神社
中でも特に楽しみなのが、初詣だ。
地元では大きい神社が一つしかなかったので、初詣といえば「北海道神宮」。というように、毎年何も考えずとりあえずその神社へ初詣に行っていた。
だが、上京してからはどの神社に行けばいいのかわからず、まずどんな神社があるのか調べるようになった。
せっかく足を運ぶなら、ご利益とか雰囲気とか、お守りの種類とか、しっかりとこだわって意味を持って行きたいと思うようになったのだ。
最初の2、3年は、毎年その時の気分で行く神社を変えていた。本当は毎年同じ場所に行くのがいいらしいが、自分に合っているのか分からず模索していたのだ。
そんなある時、仕事運に強いという神社を見つけ、さらにお守りが可愛いというような少し不純な動機で日枝神社へ初詣に行った。
実際に訪れてみると、思ったよりも混んでいて賑やかな雰囲気があった。
参拝をしてから、お守りを買おうと思い向かうと、なんと長蛇の列で最後尾には「約90分待ち」の文字が。ここはテーマパークか?と思いながらも最後尾へ向かう。
なんとかお守りをゲットし、おみくじでは大吉を引き、最後に千本鳥居を通って帰る。
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千本鳥居の中は穏やかで綺麗な空気を感じた
日枝神社のご利益
実際、日枝神社に初めて参拝した年にこのWEBライターの仕事に巡り合うことができ、とても感謝していた。
その感謝を伝えるのと同時に新年のお祈りも込めて、翌年も日枝神社へ向かうことにした。
その年も、転職がスムーズに行っただけでなく、新しい職場環境にも恵まれ、これは日枝神社のおかげだと強く思ったのだ。
実際これらの出来事が、本当にご利益のおかげかどうかは、まさに神のみぞ知る。といったところだが、新年を迎えるにあたって新しい習慣が出来たのはとてもいい事だと感じている。
今年は一体どんな出来事が待っているのか、そんな期待を胸に新年を迎えられるようになった。
Written by HINA