初めての原宿
東京に上京して来たのは4年前。20代に差し掛かると時の流れるスピードが早くなり、気づけばパリオリンピックも閉会していた。前回の東京オリンピックが3年前だという現実を受け止めきれない。
上京する前の筆者はまだ若かったので、「原宿」「ディズニーランド」などの言葉に強い憧れを抱いていた。「東京に住めば、毎週遊びに行けるのに」と夢見ていたが、いざ引っ越したら結局一度も行かない。そういう上京組は知り合いにも多数いた。
祝日に開催予定のとあるイベントで、10代インフルエンサー二人によるトークセッションの観覧席チケットを頂けたので、会場のある原宿に向かった。上京後初の原宿だ。
竹下通りと表参道
画面越しになら何度も観たことのある竹下通りは、夏休みが終わった後とは思えないくらいの賑わいを見せていた。
制服を着た子達は、カラフルな綿菓子を持って自撮りをしている。原宿の象徴でもあるクレープ屋の前には、外国人や子連れの観光客が並んでいる。新大久保や渋谷など、若者が集う街は他に沢山ある。コロナ禍に「原宿はオワコンだ」といった厳しい感想も広がったが、いざ竹下通りを歩いてみると、やはり原宿の一強感は否めない。地雷系衣装や痛tシャツの専門店が、通りに面して堂々と建ち並ぶ。建物の外壁や階段など至る所に、黄色やピンクなどのポップな配色が見受けられる。『若者の都』としては洗練され尽くしている。
探検して勿論楽しいが、疲労もすぐに溜まってきた。時々のトレンドをすぐにキャッチし、純粋な感性と共に楽しめる高校生達には、筆者はもう敵わない。
通りを過ぎて表参道の方面を探索した。別に見栄を張るつもりは無いが、竹下通りと比べると見応えは無かった。高級ブランドやアクセサリーにはまった経験が無いからなのだろうか。きっと社会人からすれば、自分はまだ幼稚なのかもしれない。竹下通りの若さにも追いつけなくなり、表参道の大人な端麗さにも追いつけずにいる筆者であった。
巨大な鳥居
ずっと新宿方面に住んでいた筆者は、原宿に関する知識は何も携えていないかった。そんな筆者がこの日一番驚いたのが、明治神宮の存在。神宮の名前こそ知っていたものの、それが原宿駅の真裏にあるなんて予想だにしていなかった。入り口に構えられた鳥居は人生で見た中で1番の大きさで、恐怖すら覚えた。
既に足を酷使し過ぎていたので、鳥居の先の調査は諦めたが、若者の街のすぐ近くにこんな神々しい光景があると知れただけでも、今日の収穫は大きい。
原宿は物凄く歩きがいのある街で、今までスルーしていた自分を責めたくなる。あんな異世界じみた場所へ電車でたった40分で向かえるなんて、東京は素晴らしい。つまり上京が素晴らしい。
written by Sign