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短編/現代の寓話 メディア・トップのすてきな面々、わたしたちはこうやって出世しました



 こうやって…


1. 

 ジャニーズ問題と木原事件からわかるメディアの心模様

 ジャニーズ問題で新聞やテレビが黙殺した責任というよりも、むしろ加担した犯罪ですので、それで出世したものが木原事件でも黙殺するのは当たり前です。

マスコミ関係者の誰でもが、部署が違っても、うすうす感じていているのに見て見ぬふりして、この手の犯罪の重要性を気づいていなかったとか、これからは気をつけますとか言いつつ、ジャニーズ問題の舌の根の乾かないうちに、もっと大事な政治事件の「木原事件」も同じように黙殺している。

ジャニーきたがわの性犠牲者である少年たちを、「商売取り引き」してきた新聞社やテレビ局の犯罪は重い。

四十年から五十年もかけて、発表は数百人でも、じっさいは数千人ともいわれ、明治以降というか日本歴史上まれに見る「性犯罪者」と蜜月関係を結び、なんの罪の意識もなく、ジャニーズで金儲けしたり、出世した営業関係者とか番組製作者が、今の新聞社やテレビ局のトップについているのはまちがいなかった。

疑問に思い批判したら、ジャニーズ事務所からクレームが来て担当をはずされたら出世も望めないし、積極的に加担し、あるいは見ぬふりして出世して来たことが誰にでも想像され、ジャニーズ批判があっても、いましばらくはジャニーズタレントを使わざるを得ないだろう。

新聞社や、特にテレビ局の社員は普通のサラリーマンよりはるかに多額の報酬をもらい、高級車を乗りまわし贅沢なマンションに住んでいられるのは、毎夜「恐怖で」おびえていたジャニーズ少年たちの犠牲の上で報酬を得ていた。

だからこそ、
そんな連中がいるトップが今の不祥事だらけの木原事件についても、何も言えないことは当たり前で、たぶん明日にでも国難になったら一言も政府に言えないのはもっと当たり前だった。
国民がジャニーズの少年みたいに犠牲になっても、見て見ぬふりするのは当然のことだろう。

新聞とテレビの仕事はなんなのか、誇りもなく危機感がまったく感じられない、北朝鮮と中国の国営新聞や国営テレビもきっとかたなしです。

あたかも国の秩序の保全をもっともらしく守る顔して、ほんとうは自分たちだけの身の保全と利害だけを守ることに専念しているのは誰が見ても明らかだった。

いましばらくは
芸よりギャラ儲けする芸人や金持ち愛人募集中の女子アナ、人のいい田舎のおじいちゃんおばあちゃんに支持されても、もうすっかり平安末期や幕末の大奥状態。

シロウトのわれわれからも見透かされているのに、本人たちの頭の中はいまだに夢の花園で、じっさいは淫らな格好でマグわっているのに、頭の中は花いっぱいで愛しあっている楽園だった。

ここで
まったく平和ボケしたメディアのトップを記念として見ておこう、のちの笑い者にされる人はどんな顔をしているのか、覚えておこう。

2.

 誰でも公平に見れるwikipediaから

(NHKの会長は数人の生え抜きがいたけど、ほとんどプロ野球のコミッショナーと大相撲の横綱審議委員長と同じで、体裁のいい飾り)

入社後は
報道部あるいは報道局などの各所に配属され、部長や編集局長あるいは編成局長を経て、めでたくトップになるのは官僚と同じパターン。

日本テレビ社長の場合
入社後は報道局社会部に配属され、
日本テレビ報道局政治部長、2003年に編成局チーフ・プロデューサーとなり、その後は同社編成局長、執行役員、常務取締役、専務取締役などに就いている。

①出自 ②担当 ③前任の職場

朝日新聞
① 1963年、島根県出身、東大 ②報道 ③東京本社編集局長

中村 史郎(なかむら しろう)  朝日新聞デジタルより

読売新聞
①  ?、東京、早大文 ②政治 ③ 副社長・経営管理  1983年入社から生まれを計算して、浪人してるかもね

村岡彰敏 (むらおか・あきとし)
読売新聞オンラインより

毎日新聞
①1961年、岩手、東京外大 ②経済 ③編集編成局長、取締役

松木 健(まつき けん) 毎日新聞より

NHK
①1950年、静岡、東大経 ②担当は会長 ③日銀理事

稲葉 延雄(いなば のぶお) 毎日新聞東京朝刊より

日本テレビ
①1966年、福岡、東大文 ②報道 ③ 編成局長、専務

石澤 顕(いしざわ あきら) スポーツ報知より

テレビ朝日
①1962年、東京、東大文 ②報道 ③報道局長、常務

篠塚 浩(しのづか ひろし) 日本経済新聞より

TBS
①1959年、東京、早大法 ②報道 ③報道局長、常務

佐々木 卓(ささき たかし) 毎日新聞より

テレビ東京
①1957年、神奈川、一橋大社会 ②経済 ③専務

石川 一郎(いしかわ いちろう) 日本経済新聞より

フジテレビ
①1952年、北海道、早大一文 ②制作 ③常務

港 浩一(みなと こういち) 日本経済新聞より


 みんな、もっとらしいまじめな顔してるなあ。すなおに学校を出て、すなおに入社して、そしてすなおで、無神経な傍観者になった。熟した果実もいつしか腐り朽ちてしまう。社会的地位が上がって行くのに、いつしか内は空洞化して下って行くばかりだ。
ほんとはみんないい人で熱血漢でも、幕末や戦前と同じように、身内の組織の保全のため、つい、目がくらんでしまうとはじつに惜しいことだ。
みんなネクタイをして、みずから首を締めているのが特長です。

 とりあえず木原事件で、気骨さを見せないならばジャーナリストの看板を下ろしてもらいたい、というより害になるばかりで、ジャニーズ事務所と一緒に廃業してもらいたい。


( 後記、最初もっときびしく批判してやろうとして調べていたら、なんだかだんだん情がうつってきた。TBSの佐々木さん、宿沢広朗さんにあこがれて、大学時代ラグビーやっていたんだ、好感持てるぞ。
でもいつしか初心忘れ、出世してVIP優待席に座り甘い生活にも慣れても行き、批判力も必要ですね、と反対に現場で汗を流している部下から教えてもらった。
みんな大変だと思いつつ、だからこそジャーナリスト魂を発揮してほしい、お願いします。写真の大小は単なる偶然の効果です )

( 続・後記 )
この文章を書いているとき、内閣改造で木原サンが官房副長官を降ろされたと思いきや、意味のわからない幹事長代理になった。
そこで、これから展開される木原事件の予想。

1. 次の衆議院で議員を失職したとき
 テレビしか見ない田舎のおじいちゃんおばあちゃんならいざ知らず、国民がネットを見てない訳がなく、次の衆議院で当選できない恐れがある。派閥の岸田文雄ふみお首相もたぶんいないだろう。
やめてしまえば、国民の記憶から消えて行く日本の首相。

2. 後ろだてがいなくなるとき
 木原サンのダチで、元警察庁長官で事務かたの栗生くりゅう官房副長官が去り、当然、官房副長官の後がまを狙っているらしい現在の警察庁長官もいづれは代わってしまう。
 いつまでも地位にいる訳もなく、政府内部と同じく、警察内部の権力闘争もある。もしかして情況により、木原事件が再審議される。

 こうやって晴れて、政府与党や警察に対して利害関係やソンタクがなくなったら、例によっていつものように、昔から戦争責任などを出さなくても、いっせいに偉そうなニュースがあふれ出るだろう。
ジャニーズ同様に
いままで怖くて沈黙していた事件が正義感ぶって報道され、テレビの茶坊主評論家や芸人も元気に発言できる日がくるでしょう、よかったね。

木原サンの一発逆転としては
個人では議員当選は望めないので強引でも比例当選をめざす、岸田政権がしぶとく維持している、なぜか情況でまた新聞テレビがヒヨっている場合かな。


ねっおもしろいでしょう。
このように
日本社会の組織機構のあり方や、新聞テレビの礼儀作法、そして「常に勝った側」につくわれわれ国民大衆の心のあり方が、ひとつの事件から垣間見られて、小説は社会を映す鏡だとスタンダールの言葉を引用しなくても、本を読む以上に有意義でとってもおもしろいです、木原サンありがとう。

 新聞テレビのみなさん、卑屈にならないでサラリーの報酬に合う報道をしてください、というか他の業種より高額の報酬を得るために卑屈になっているんだ、そうかわかりました。




『付録』
 木原事件を知らない人のために、2つ

 1. ミステリよりおもしろい


 2. 興味珍々なスキャンダル

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