愛しあってもいないのに、獣の気持ち
最近 note に投稿し始めた男、なにげなくテレビを見ていた
昼間のドラマだった
病院の一室らしいところで、医師らしい人が机に向かってカルテを書いていた
どこか若いころの田村正和に似ていた
少し後ろには、なぜか綾瀬はるか似の看護婦が立っている
何か用事があるなら早く言いなさい、わたしは忙しんだぞ、と医師は言いたげだった
綾瀬はるか似の看護婦がもじもじしながら言うと、田村正和似の医師は即座に切りかえすのだった
「以前から、先生のことを」
「やめたまえ、非常識じゃないか、愛しあってもいないのに」
うーん、かっこいいな、とテレビを見ていた男
オレも一度でいいから言ってみたいよ
やめたまえ、愛しあってもいないのに
でも、あっそう、と言ってどこかに行っちゃっう可能性もある
そうじゃなくて、そんなにすぐ
そう、せっかくだからいただきますとか、一度言われたからといって、そんなにハイハイしていたら軽い男に見られそうで
あと一度ばかり言われたら、じゃあ、しようがないな
それに女が早くーと言っているのに、黙って見ているのは男じゃないぞ、とおじいちゃんに怒られそうだから、などといい訳できるし、
本人にちっともエンのない妄想を描いていた
男は思った
もしオレがシナリオを書くのなら、逆パターンをねらうな
「先生、やめてください、そんなことするのは」
「先生も人間だと言うことですよ」
「ええ、先生も人間だということはわかります、でも」
「でも ?」
「でも、わたし、獣になりたくありませんわ」
すると男医師は静かに綾瀬はるか似の看護婦に近づき、肩を優しくふれながら、そおっと耳もとでささやくのです
「でもキミ、獣になると気持ちいいぞ」
ふむ、これって若い男にウケても、
きっと女性の読者にひんしゅく買って、サイテーとか言われそう
やめよう、ボツにします