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新プロポ 「ホームズ君、事件だ」

 そこはかとなくて、なんとなく、相対的パースペクティブ( perspective )

 最近、歴史学の研究では国民文化史にも視点が変わり、さまざまなアプローチがなされている。出典は分からないけど、こんなエピソードがあったそうです。伝えられる所によると、
“一四五六年、ブルゴーニュ地方のサヴォニー村で、五歳になるジャン・マルタン が近所のブタに食い殺されるという事件が起こった。ブタは現行犯で捕らえられ、 裁判の結果、裁判所内で後ろ足を吊るされることになった。”


/「ホームズ君、事件だ」

 作家の本を読めば、作家がそこはかとなく知れて、
2冊読めば点と線がつながり、作家の人となりがわかり、
さらに続けて読んでいけば、角ができ多角形になって円になり全体像が現れてきます。

本をよりわかりやすく読むために
難しくて主題がつかめないとき、
数学の「問い」が分かれば方程式が使えて、答えが導けるように、
推理小説ではそもそも「どんな殺人事件」か分からなかったら内容も分からない、事件をつかんでいたら、探偵の無理な犯人当てにも多少は納得するでしょう。

なので、主題の答えより先に「問い」を、犯人より「事件」を探しましょう。

それでも難しい論評など
一人の話を黙って聞いていてもさっぱり、でも二人の論争を聞いていたらなんとなく論争点がわかり、
作家や思想家を理解する場合、ライバル関係の人の本を読めば、その人の作家や思想家像がそこはかとなく理解できるってものさ。


「いったい何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか (Just What is it That Makes Today's Homes So Different, So Appealing? )」 1956
ハミルトン( Richard Hamilton、ロンドン1922ー2011)
Collage on paper. h26 x w25 cm.   (Kunsthalle, Tübingen)


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