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再開

前回の投稿から1年経ってしまいました…

いきなり言い訳。2024年は正に激動の年でした。
年始直後、比較的小康状態が続いていた父が体調を崩し入院。2月再度入院し3月初めに逝ってしまいました。
79歳で病を抱えているにも関わらず、年末まで畑に出ていて、親戚から貰ってきた40キロはあろうかという籾殻袋を一人で畑に撒いていたその姿に驚いていた直後でした。
最後の最後まで畑に出て、成園になる頃には80を大きく超えるだろう苗を植えていたその姿は正に農家として見本としたいと思います。
友人農家曰く、「マクロで茶を見ていた」人でした。先進的な面も多かったと思いますし、また父をそうしたのは多くの先人の教えでした。その影響は自分も受けています。
いずれ父の事もゆっくりと書いていきたいと思います。

どうにか父を送ってすぐさまお茶の時期です。精神的にも不安でしたし実際問題人手が減ったのも大きな問題でしたが、残った家族一同で何とか茶時期を乗り越える事が出来ました。
まだまだ悲しみが残る中、しかしなんとかなるという自信も少しずつ湧いてきたのでした。
一番茶を作り終えた後も畑の管理作業や茶工場のお手伝い、茶以外の職場に勤務しつつその仕事終わりに畑に通い気がつくと秋の番茶シーズン、直後の出店ラッシュ。
と、余裕がない事を口実にnoteを書くという事をすっかりサボっていたのです。すいません。

これではいけない。Xやインスタには載せきれない考えや思いをじっくりと伝えるにはやはりnote。
そして以前はそれらとの区分を意識し過ぎて文字数も少し欲張り過ぎていました。もう少しライトに、でもちゃんと伝える。2週間に一度は更新しようと思います。頑張ります。

代替わりして2年目、そして父が居なくなったという事で、改めて当苑とは?と思いました。
当苑が当苑としてお茶を作る意味です。
父は常々知人に「変なお茶を作りたい」と言っていたそうです。僕には言ってないのに。
変ってなんだろう。
確かに、日本の蒸し煎茶は個人的に基準がガチガチで許容差が少ない物ではあったと思います。
ではとにかく突拍子の無い製造方法を取れば良いのか?
それは違う気がする。例えば組み合わせとしてはイレギュラーかもしれないけれど、意図や骨子自体は真っ当というのが好みです。
イマイチ分かり難いですかね?では今後noteでじっくり書いていきましょう。
という訳で、当苑はやはりユニークである事を重視したいと思います。
面白い、と言ってもらえる。作り方やその意図、製造に至るまでの思考過程やそれを叶える為の製茶機等への拘りなど、色々な意味で「面白い」茶農家でありたい。そう思います。
良い物を作る人はいっぱいいます。コレは敵わんな、としょっちゅう思いますし、別に自分が作らなくても上手な人いっぱい居るし…とよく思います。
でも、少しでも多く、いやたった一人でも良いです。
「これを飲んでお茶って面白いと思った」と言って欲しいんです。そんな農家で居たい。
そう思います。

現「寺田製作所」製、四貫(16キロ)揉捻機。
おそらく60年ほど前に作られた機械だと思われる。

製茶時期まで少し余裕があるこの時期。
先ずは新しく仲間に入った機器達に登場してもらいましょうか。
コレは揉捻機。去年の年末にお越し頂きました。
既に揉捻は4台(!)有るのに、なぜこいつを招いたか。その意味は?
次回以降詳細に書いていきたいと思います。

そして去年ひょんな縁から構想がスタートした「ちょっと画期的かもしれない火入れ機」とかも書いていきたいですね。これはまだ実体がありませんが、様々な火入れ方法、現状当苑もざっくり四種の手段がある訳ですがその先の手法を目指して異種の焙煎方法を取り入れれ異業種との交流の中でそういう物を作り出す、という目標です。これも面白いと思います。

そしてそして発表しちゃうんだけど、来年の春に向けてプロジェクト、というには少し大袈裟ですが、「四貫機復活計画(仮称)」を発動したいと思います!
現代の蒸し煎茶ラインでは最小サイズの35キロ機を運用する当苑ですが、50年程前までは存在した四貫=16キロ機の粗揉機の再使用を図ります。
なぜ四貫機を復活させるのか、現代でそれをする意味は?それはじっくりゆっくり回を重ねて書いていくので(お茶機械マニアの方は)楽しみにしていて下さい。
※四貫機の使用は珍しいですが当苑が最初の復活とか画期的!という訳では無いのでご留意下さい。検索すれば使っている方出てくるかも。僕も数名知っています。

という訳でのっけから少し機械に偏り過ぎですが、とにかく「面白い」事をしていきたいと思います。
「良いお茶」を作るのではなく面白い事をして「面白いお茶」を作る。それこそが時代の要請であり当苑の使命であり、何より自分自身が一番やりたい事なのです。
どうぞご期待下さいませ。

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