鈴木茶苑 鈴木健二

 鈴木茶苑 鈴木健二

最近の記事

もう12月(と途中まで書き年を越す…)

またも時間を空けてしまいました… 秋番が終わってやれやれ、ようやく時間が出来るかと思えばその後イベントが続きなんだかんだと用が有った、というのはもちろん言い訳です。 東京のイベント、地球に優しい中国茶交流会、通称エコ茶会では静岡百銘茶協議会と当苑としては大変な盛況を頂き大変ありがたく存じます。 それに先立つ川根本町のイベント川根時間は、日程の変更や周知の遅れという面もあり集客面では課題が残りましたが、イベント内容的には先進的で今後の形態としては多いなる可能性を感じました。

    • お久しぶりです

      毎週書く事を自分に課しながら、前回の更新から2か月弱過ぎてしまいました… 10月は秋冬番茶のお手伝い。知人の工場に通っていました。 私が行っているのは碾茶、つまりは抹茶の原料となる物を作っている工場です。 碾茶は煎茶と製造工程が大きく異なります。言葉のみで説明は難しいので調べて頂ければと思いますが、様々な製法を経験出来るという事は自分が為す事へのフィードバックも多々有り中々面白いです。 秋冬番茶ですが、当苑は収穫しません。秋の整枝はしますがそのまま刈り落とします。収穫に対

      • 日常のお茶

        友人農家が会長を務める「ふじのくに山のお茶100選」銘茶コンテスト、に今年も出品させて頂きました。 今年も認定されると嬉しいなぁ。 当苑は在来煎茶「神すゞしめ」を出させて頂きました。 コンセプトは「日常のお茶」です。 皆さんが日常、普段飲むお茶ってどんな物でしょうか? 人によって様々でしょう、今ならペットボトルドリンク茶が多いかもしれませんし、ティーバッグも便利。 ほうじ茶や番茶など、熱いお湯で頂くお茶が美味しい季節なる予感がようやくしてきましたね。 「いやいや私は毎回良い

        • 釜炒り茶について

          先行販売した「香り釜茶 三光鳥」に引き続きまして、先日「香り釜茶 山翡翠 在来」と「香り釜茶 山翡翠 ふじみどり」を発売しました。 釜炒り茶との出会いは先の記事 でも書いた様に、台湾の講師の方との出会いからでした。 当時勤めていた荒茶工場の処理量一日10トンからすれば相当少ない生葉量、自分達は最大で一日100キロくらい、これは無理筋で次第に50〜60キロでしたが、午後収穫した後に一晩掛けて萎凋し翌朝釜炒りに入る。 始めた当初はこのプロセスが面白くてたまらかったです。 釜

          仕上げ、火入れという事。

          繰り返しになってしまいますが、私は元々製茶工場、つまり収穫した生葉を一時加工し荒茶を生産する事から茶に関わり初めました。 しばらく荒茶加工のみに専念と言いますか、正直なところそれのみに関心がありました。 私にとって“仕上げ“という工程は何と言いますか、捉えどころの無いものと言えば良いのか。 荒茶の様に見るからに分かりやすく大きな変化は無い訳で、なんなら比較した上でも火入れする前の香りが好きだったりもしました。 そんな私にとっては、何の為に必要で何の為に行うのか?正直そんな工

          仕上げ、火入れという事。

          いやホントに、私達はどう生きるか、なんですよ

          お盆も過ぎました。今週、じゃなくてもう先週か、から私は家業ではなく外に働きに出ています。 兼業農家では最も多いかもしれない建設関係の仕事です。 初日から幹線道路の草刈りです。家業でもそれ以外でも草と戦うとは。なんの因果でしょう。 でも、ここでの草刈りは結構好きな仕事です。分かりやすくスピーディーに結果が見えますから。 建設系の仕事って、進捗に時間が掛かるケースが多く、まだまだその点に馴染めていなかったりします。 と言いますのも、元々私は冬場の稼業は舗装屋、つまり道路のアスフ

          いやホントに、私達はどう生きるか、なんですよ

          君達はどう撒くのか

          前回に引き続き茶園の管理作業の話です。 夏の畑作業は何と言っても除草。そして当苑は今現在茶園にて農薬をほぼ用いておりません。なので次にやるべきは施肥です。肥料撒きです。 今現在、当苑の主力の肥料は米糠です。漬け物とかでお馴染みのぬかです。 ぬかの良い所は何と言っても安い事。このところの肥料高騰は農家に限らず多くの方が耳になさっているのでは無いでしょうか。 そこにくればぬかは精米の副産物という事もあって海外云々という問題も無く安定した供給がなされています。 そんなぬかですが

          君達はどう撒くのか

          日本の夏 草取りの夏

          夏ですね〜暑いですねぇ。 こう暑いと何もしたくないですよね。それも、木陰の下でのんびりと、というのは最早例えにもならない有り様です。空調の効いた部屋で過ごす、というのが呑気な例えでは無く文字通り生命線となってしまいました。 しかし、それでも農家は外へ、そして畑へ出なければなりません。 この時期三番茶の操業をしている所も有るかと思います。この辺ではあまり無いと思いますが。私も一〜二シーズンくらいしか経験ありません。 畑で直射日光を浴びるのも辛いですが茶工場の中で40度程になる

          日本の夏 草取りの夏

          釜炒り茶と私

          動機、きっかけというものは様々。 お茶作りで言えばそれが好きだから自分でも作りたい、というのが理想だと思います。 対して私が釜炒り茶を作り始めた理由というか出会いは少しイレギュラーかもしれません。 存在はもちろん知っていましたし父も既に作っていましたが、正直飲んだ事は殆ど有りませんでした。 そもそも僕はお茶に対しどの様なスタンスで居たかと言えば、茶工場を出たら少しもお茶の話をしたくなかった。あくまで仕事として以上の深い関心は無かったですし、売り先や売子さんと茶揉みの大先輩で

          初めましてTHE FINAL〜茶畑よ永遠に〜

          「**さんの理想のお茶ってどんな物ですか?」 と、一緒に揉んでいたベテラン農家兼お茶師に聞いた事があります。 なぜそんな事を言ったのか。はっきりとは覚えていないのですが、おそらく私はこう続けた気がします。 「僕には全然分からないんです。」 当時、茶工場に入って10年程経ったでしょうか。一応は製茶のキモである蒸し(むしというよりふかし、と呼びたい)から後工程まで全ての操作や判断を1人で決定する様になってはいました。 そして、茶商さんからの要求と現場からの実感に乖離を感じ始めた

          初めましてTHE FINAL〜茶畑よ永遠に〜

          初めまして2nd

          初めまして の続きです。 という訳で、別に興味を持ったという事でもなく何となく茶工場に入った私。 当時の茶況は、その少し前の最盛期に比べたら下り坂に差し掛かったとは言え現在とは比較になりませんでした。 とにかくお茶を、ここでは荒茶(収穫した茶の葉を一次加工した半製品)を作れば売れるのです。それも今となっては想像も出来ない様な値段で。 父やその友人である工場の社長は一日二日は寝られない様な事は当たり前。単なるバイトである自分は農家さんの持ち込んだ生葉を機械に投入するお手伝い

          初めまして。

          世人もすなるnoteといふものを、茶農家もしてみむとてすなるものなり。 始めまして。静岡の真ん中、川根本町という田舎町で茶を作っている鈴木茶苑の二代目鈴木健二と申します。 茶を作りながら送っていく農家ライフ、とそれとは特に関係のない趣味や日々思った事考えた事を徒然と書いていこうと思います。どうかお付き合い下さい。 当苑をご存じ無い方へ先ずは自己紹介を。 当苑は父勝彦が始めて私健二で二代目の、歴史の浅い茶農家です。歴史が無い分それに煩わされる事も無く好き勝手なお茶を作ろうと、