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【インド】最強ナガサドゥの大行進
木星が牡牛座に入った満月の真夜中。今日2025年1月14日はマカル・サンクランティーと呼ばれるヒンドゥー暦における冬至(太陽暦とは地軸の捉え方がずれている、詳しくは前記事参照)で、儀式が行われる日だ。
クンブ・メーラは前日入りして、初日はAM1:30起床で歩き、2日目で儀式がある今日はAM0:30に起床してAM1:00出発。人生で一番の早起きかもしれない。
臨時で浮きの上に架けられた橋は、すでに沐浴目的のインド人が大勢歩いていた。AM1:30時点で凄い人!!!
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肩車された幼い子どもや大きな荷物を頭に載せて運ぶおばあさんもいる。目指すは約8km先の沐浴場の中心サンガム。
とんでもない時間帯にも関わらず、みな嬉しくて上機嫌。「ハレハレ、マハディール!(シヴァ神バンザイ!)」と陽気に叫びながら歩いていく。
中心に行くほど混雑が増し、どこを見渡しても人・人・人。人を掻き分けないと歩けないほどだ。
AM3:00、サンガム到着。
東京の満員電車よりも混雑しているかもしれない。サドゥたちのために道は大きく空けられて柵が設けられ、軍人、警察、臨時警備、さらにはボーイスカウトまで駆り出されて人員整理にあたっている。私たちは柵の外にぎゅうぎゅうになり、サドゥたちが来るのを今か今かとインド人たちと待つ。
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不思議なことに、人口密度は満員電車並みなのに、雰囲気が全く違う。
ここで立って待つのは辛くても、押し合いへし合いしていても、誰もストレスを溜めていない。疲れてはいるがみな顔が明るくワクワクしている。今、自分はクンブ・メーラに来ているんだ!という高揚感と、ここに一緒にいる全員はシヴァ神を敬う仲間だという一体感と同胞意識がある。
待つこと3時間、AM6:00。仙人サドゥの中でも最強の派閥・ナガサドゥの全トップのグルジであるマハラジが確かな足取りで歩いてきた。まず彼が沐浴を行う。
この方がマハラジかあ…!としみじみと感動する。
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そしてしばらくして、ナガサドゥたちの大群が沐浴のために行進してきた!
やはり、圧巻。凄まじいエネルギー。ただただ見とれてしまう。
ナガサドゥはサドゥたちの中でも特殊な地位にあり、真っ裸で過ごし、白い灰を全身にまとう(灰は、火葬場の灰を塗る場合が多い。また、弟子たちはグルジの許可が下りないと白い灰を塗り始めることはできない)。最も勇敢で強く、厳しい修行を好む者もいる。
シヴァ神は闘いを司る神。今回は闘いの儀式はナガサドゥたちだけでやったようだ。後日、仲良くなったサドゥに動画を見せてもらったが、みなシヴァ神を象徴するミツマタの武器を優雅に振り回して威嚇し合う様子があった。
ナガ派のサドゥたちの行進に続いて、他の13の派閥のサドゥたちも大量に沐浴に向けて行進してきた。多くがオレンジ色か赤色の服を身にまとっている。
6年前はこれを枯れ葉色と表現したが、実は炎色らしい。サドゥになろうと思ったら、現世での自分はいったん死んだことになる。死亡届を出したり、葬式をしてから山に入るサドゥもいる。そのため、自分は俗世を捨てて既に死んでいる=火葬されていることを表すため、炎の色を身にまとうそうだ。
たまに赤を着ているサドゥもいるのは、そのためか。
初日の昨日は、カースト制度最上位のバラモン(ブラフマン。王族クシャトリャよりも階層が上)の家に生まれた子どもたちが川に向かって延々と儀式をしていた。しかし、ヒンドゥー教で最も重要な儀式クンブ・メーラの主役は、サドゥなのだ。社会で最も偉い人たちよりも上、階級制度を飛び越えて、既に死んだことになっている存在。これがインドの面白いところ。
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このクンブ・メーラの間には、各グルジの下に入門し正式に出家する儀式も開催される。頭を剃って川に入って沐浴し、これ以降髪は決して切らず、ヒゲも剃らない。仲良くなったサドゥからの動画を見ると、今回は数千人以上が出家したようだ。
そして自分を解放して自由であること、自分の魂を見つめることに集中していく。
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さて、次は沐浴へ…。
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