【インド】マハ・クンブ・メーラ144年ぶりの大祭
いよいよやってきた、クンブメーラ! 私個人では6年ぶり、2回目の参加だ。
クンブ・メーラは世界最大の平和祭典とされ、世界無形文化遺産に登録されている。
中でも2025年は144年ぶりの大祭、期間中の1月13日から2月26日は実に沐浴を目的としたヒンドゥー教徒4億人(!)の人出が見込まれている。もちろん、私が敬愛する修行者の仙人サドゥたちもヒマラヤから降りてきて沐浴を行う。
少し細かくなるが、144年ぶりとは一体どういう仕組みか書いてみる。
※面倒な方は★マークまで読み飛ばしてね。
ヒンドゥー教では、木星と太陽(ときどき月)が特定の星座と同じ場所に位置するときは聖なる期間とされる。要は占星術に近い。
地球が太陽を一周(公転周期)するのが1年なら、木星が太陽を一周するには11.86年。そのため、基本的にクンブ・メーラは各所で12年に1度開かれることになっているのだ。
開催場所はヒンドゥー教の神話に出てくる不死の霊薬アムリタが4滴それぞれ滴り落ちた4か所になる。クンブには「壺」という意味がある。
木星がおうし座で太陽がやぎ座に入るときは最も神聖なプラヤグラージ、木星と太陽がしし座ならナシク、木星と太陽がさそり座ならウジャイン、木星がおうし座で太陽がやぎ座ならハリドワール。
そしてその合間に、各所6年に1度のハーフのアーダ・クンブ・メーラ等もある。
※とはいえ細かい話をすると、ヒンドゥー暦は地球の地軸の傾き(専門用語で歳差=さいさ)を考慮していないニラヤナシステムという暦(こよみ)を採用しているので太陽暦とはだんだんズレは生じる。
プラヤグラージは、以前は英国統治時代の名称アラハバード/イラハバードと呼ばれたが、インド政府が2018年に元の地名に戻した。ガンジス川、ヤムナー川、神話上に存在するサラスバティ川が合流するプラヤグラージでのクンブ・メーラは、特にマハ(偉大な)・クンブ・メーラと呼ばれる。
そのマハ・クンブ・メーラが2乗分、つまり12回繰り返されると、さらに特別なクンブ・メーラになる。
12年^2(12x12)=144年
2025年はまさに144年ぶりのマハ(偉大な)・クンブ・メーラ、というわけです!
(結構調べましたので、参考になった方は“いいね”お願いします~^^。これ読んで行きたいと思った旅人の方!ぜひ楽しんで!!)
★
クンブ・メーラの起源は紀元前1000年頃に遡るのではないかと言われ、最も古い文献は孫悟空と共に印度に行った三蔵法師の記述になるそうだ。三蔵法師もクンブ・メーラを見たとはなあ。
クンブ・メーラにはインド政府も力が入っており、普段は川砂しかないだだっ広い巡礼場所であるプラヤグラージのサンガムに急遽20km四方の巨大テント村をつくっている。予算は1,000億円近いらしい。
今回の144年ぶりの大祭にあたり、新たに電気と水道を敷き、テント16万個、トイレ15万個、高架道路14本、川の上に並べた浮きを繋げた橋1km×30本を準備。
インドは相変わらず、桁が違う…!
もうね、音楽フェスを規模100倍にしたような、期間限定の一つの村をつくっちゃうような、そんなレベル。
さらには政府が占星術に基づいた説明を付記した公式HPを開設し、運営には最新IT技術を駆使している。前回私が参加した2019年のプラヤグラージでのアーダ・クンブ・メーラではAIによるビデオ監視が導入されていたようだが、今回2025年は列車の切符をブロックチェーン技術で発券しているとニュースになっていた。
これくらい、インドにとっては非常に大きな祭典である。
意外にもヨーロッパからの注目も高い。
さて、2019年の参加を経て、今回はさらに144年ぶりのマハ・クンブ・メーラという巨大祭典に行くにあたり、まずは仲間を集って冒険者パーティを立ち上げた。
・勇者(笑):ワカコ
・戦士(宗教写真家):ヨウコ
・賢者(コーディネーター/通訳):ショビット
・魔法使い(バラナシ案内人):アキコ
魔法使いアキコ(6年前もお世話になった晃子さん)導きでヒンドゥー教のやり方に倣い、まずは聖地バラナシで事前詣でへ。
カルバイラヴ寺院で額にシヴァ神の印を入れてもらい、オイルを頭の上で7回回して花を供え、自分にも花輪をかけてもらい、複数箇所に額をつけて祈りながら内部をぐるっと回り、最後にカースト最上位のブラフマン(バラモン)に祝詞と共に首と手首に糸を巻いてもらって現世の穢れを落としていたただく。糸の色は選べるが、黒が1番良いらしい。
さらに、ヴィシュワナート寺院(通称ゴールデンテンプル)にて、精液と愛液に見立てたギー(ヤギのミルク)とガンジス川の水をヒンドゥー教のシンボルであるリンガ(男性器と女性器の組み合わせ)にかけながら歌うインド人たちと共にシヴァ神に祈りを捧げ、ブラフマン(バラモン)に赤と黄色の糸を手首に巻いてもらう。
花はガンジス川に流し、糸はクンブ・メーラ終了後にガンジス川に流すかつけたままにする。
これで準備OKだが、たった6年でゴールデンテンプルが様変わりしていて驚く。周りが一新されてアングラ感が消え、真新しい巨大な回廊が追加されて観光地化されていた。モディ首相のバラナシに対する力の入れ方がすごい。
サドゥにお賽銭として渡す10ルピー札(18円)、20ルピー札、50ルピー札を大量に準備し、魔法使いに見送られ、戦士ヨウコ、賢者ショビットと共にバラナシから約120kmを移動する。道の途中で荷物運びの象を追い抜きながら。
続く…