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【インド】Attention:クンブメーラに行く方は万全の危機対策を
クンブメーラは情報がほとんどないのですが、興味を持ってくださる方が多いのは嬉しく、私の体験を面白がってくださる方もいらっしゃるのはとても有難いことと思っています。
ただ、私がしたいのは参加の推奨ではなく、書いている情報も旅の参考ガイドになる類ではありません。というのも、非常に危険性が高く、それこそ旅よりも冒険といったジャンルになるからです。
それでも行ってみようと思われる方に向けて注意を記しますので、ご参考になさってください。そしてどうか安全に楽しまれてください。
まず、昨日発生した参拝者たちの圧死について。
日本でも一部ニュースになりました。サドゥから圧死した方を弔う映像が個人的に送られてきていまして、正直ショックを受けています。
とはいえ、これまでもほぼ毎回起きています。特に今回は144年の節目ということもあり、過去最高人数だった前回の1億人を軽く超える4億人が沐浴のため6週間で集まります。
これまで生きていて見たこともないような人数が溢れ返っています。東京のスクランブル交差点や有名神社の初詣などとも全く違い、想像を超えています。抜け出せない無限ループ満員電車に永遠に紛れ込んでしまったような感覚です。
インド政府もIT技術を駆使したりと対策に奔走していますが、相当数の人たちの聖なる川で沐浴をしたいという純粋な思いと信仰がそれを上回っている状況と見ています。
私がクンブメーラに行った開始直後は1日あたり1,000万人でまだ空いていた方で、1月後半にかけて人数が急増しています。2月はさらに増える見込みです。
(なお、私は既にクンブメーラを抜けていますのでご安心ください。記事投稿には時差があります。)
24時間人が詰めかけますので、夜遅くや昼間も関係ありません。
何がどこにあるのか、インド政府が公式HPなどで発表もしていますが、刻々と状況が変わり情報の入手が非常に困難です。
必ず、一度体験したことがある方や、現地の“信頼できる”コーディネーターと共に行ってください。
インド人は、素晴らしい人格者もいれば、信頼できない人や詐欺行為をする人もいます。見極めには十分注意が必要です。
私は6年前にアーダ・クンブメーラを日帰りで体験してはいますが、今回も長い時間かけて背景を調べ、参加の半年前から本格的な現地に関する調査を開始、4か月前から実際に準備し、紹介窓口との面談やコーディネーターとのオンラインでの顔合わせ等も行った上で参加しています。
第二に、テント18個が炎上した事故について。
先週発生しました。テントは15万個あり、そのうちの1つから火が出ました。これはサドゥのテントなどではなく、現地の報道機関のテントがガイドライン違反をしていたことによって発生。火元はテントの中で使っていたガスだそうです。
こちらは政府と行政と軍の即時対応と消火があり、死傷者は出ていません。インド国内では、非常に素早く良い対応だったとの評価になっています。
第三に、サドゥとのコミュニケーションについて。
サドゥのいる場所を探すのは非常に困難です。サドゥ自身ですら迷って辿り着けなかったり、25km×25kmを隈なく歩いても見つけられない場合があります。テントの入口には一応看板がありますがほぼ全てヒンディー語。スマホの通訳アプリや読み取り翻訳を使いたくても、人が多いので通信がスムーズにいかない場合が多いです。
さらに、自由でいること、わがままでいることを良しとされているところがあるので、サドゥから不快な対応を受ける人もいるようです。日本人で意図せずサドゥの手下にされてしまい、テントから逃げられなくなってしまった人もいると聞いています。
また、出家したくなりサドゥになってしまう日本人もいます。私が注目していたサドゥ取材をしていた方は、今は連絡が取れないのでどうもサドゥになったのではないかと見ています。日本人サドゥに会ったことがある人もいますし、クンブメーラの初期の頃のトップページの写真にはナガサドゥの中に日本人らしい顔が映っているのを見たこともありました。
とはいえ詳細は分かりません。サドゥになったら一切を捨てねばならず、家族とは二度と会えません。死んだことになっているのでパスポートも取得できず日本に二度と来られません。相当な覚悟が必要です。
最後に、迷子のリアルな状況について。
毎回相当な数の行方不明者が出ます。前回の行方不明者は分かっているだけで13万人。
沐浴場では常に迷子の放送があります。子どもの悲痛な声も流されます。
ただ、放送があるのは限定された1km四方くらいのメインの沐浴場だけで、今そこに辿り着くのは困難です。そこ以外で迷子になるともう手がつけられません。
どんなに面白いものを見つけて目を奪われても、一緒に行った方とは絶対にはぐれないでください。
なお、これはインドの闇でもありますが、意図的に置き去られる人も多いようです。家族でやって来て、子どもを捨てたり、面倒を見切れないお年寄りを置いてきたり。日本にも昔存在した姥捨て山の代わりになっているという話もあります。これだけの人数が参加しますから、もちろん善意だけではない人だって多く存在しています。
おそらく必要なのは、二極化しない考え方とスタンスです。
素晴らしいところもあれば、最悪なところもある。最高の経験もあれば一生忘れられない最低最悪の胸クソ悪い思いだってする。リゾートへの旅行とは違います。それを踏まえておいていただければと思います。
西洋的な論理やロジックはほとんど通用しません。もちろん他国の社会文脈に理解があったりそれらを留学して身につけたりプログラミングに秀でたりするインド人もいます。とはいえ、説明がされない、説明できる事象がそもそも存在しない、ルールがどんどん変わる、整備されている部分と放置されている部分と変更されていく部分が混在している、誰も理解や認知を待ってくれない、清潔の観念が全く違う、隙を見ては意図的に騙してくる人が大勢いる。でも、怖いとかあり得ないとか正しい悪いではなく、すべては存在していて、清濁を分けずに全て包含して吞み込んでしまうのがガンジス川でありインドです。
あとは直感。「あ、これ危ないな」と思ったら勇気を持って引き返す・逃げる、「あ、これは何かに呼ばれているな」と思ったら気をつけながら寄ってみる。直感が鈍っていたら何よりもまず心身を整えてください。
全ては自己責任です。よくお考えの上で、しっかりとした準備をして、楽しまれてください!
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