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【シンガポール】温暖化で陸地が消滅した暁に
元オランダ領東インド総督で、1819年ジョホール王国からシンガポールを獲得したラッフルズ。
彼の名前を冠し、バトラーの慇懃さと共に、山盛り出てくるピーナッツの殻を豪勢に床に撒き散らしながら飲むシンガポール・スリングというカクテルでも有名なラッフルズホテル。
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…の前に長く伸びるビーチ・ロードは、もともと海岸沿いにあった通りだという。
とすると、それより海側の陸地の多くは人工的に作られたことになる。
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さらに、シンガポール川から流れ込むマリーナベイ(湾)は実は堰き止められており、淡水だという。
つまり、マーライオンが吐き出しているのも淡水だし、アイコニックなマリーナ・ベイ・サンズが建つあたりに見えている水はすべて人工的に作られた淡水の貯水池ということか。
水が貴重とはいえ、発想が斜め上だなと感嘆する。
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園芸家の聖域と呼ばれる人工庭園であるガーデンズ・バイ・ザ・ベイは、スーパーツリーグローブが上昇を表現するかのように空に向かって手を伸ばし、見るからに人工的なのにまるで半獣の生き物のような不思議な存在感を放っている。
指輪物語のエントやRPGのトレントよりも、相当に洗練されて都会的だ。
スーパーツリー同士は高所が橋で繋げられて散歩道になっており、そこを歩くと近未来的な浮遊感がある。
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中空から見渡すと、透化された王蟲のような有機的なガラス張りのドームが2つ見える。クラウド・フォレスト、フラワー・ドームと呼ばれるそれらは、未来感の演出に拍車を掛ける。
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各スーパーツリーの上部にある太陽光パネルがこの2つのドームの冷房、スーパーツリーの夜間ライトアップ、ガーデン全体の動力の電気供給源となっている。光合成による酸素生成はしないが、太陽光発電はするという意図のよう。
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マリーナ湾の上に建つロータス・オン・ウォーター、水の上の蓮の花(折しもきちんと淡水の上に咲いていることになる)は数多あるシンガポールの魅力的な建物の中で私が最も好きな建築だったが、アートサイエンスミュージアムの機能を果たしている。
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ちょうどセザール・ユング=カラダの国際海洋ステーションの展示があり、水上の浮遊都市の模型があった。クリーンな海洋電力のオープンソースプロジェクトを提唱している。チームラボも都市のアイデンティティと人間と自然の調和をテーマにしてインスタレーションの展示をしていた。
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温暖化による海面上昇は確実に起きるだろう。人類は半数近くが都市に住むと言われるが、日本をはじめ沿岸に近い都市に住む市民が内陸への移動か、新たな水上都市、はたまた宇宙ステーションに住むように思う。
発電が制限されず、海上輸送の利便性が都市環境と密接に関連しているとすれば、水上都市→内陸都市→宇宙都市の順に発展する気もする。
内陸都市以外では、豊潤な土壌に屹立する木々や森は非常に贅沢なものとされるだろう。スーパーツリーやセザールの水上都市構想のように、森を模した環境で人は自然に想いを馳せ、慰められるようになるのだろう。陸地が制限されるがゆえにその原寸大の表現を先取りしたシンガポールで、やってくる未来の感覚を想像した。
※マーライオンの横顔はよく知られているが、正面顔は?
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結構眠たげ(笑)。実は2代目らしい。
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