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アメリカの黒人差別問題の根深さを理解するために、おすすめのNetflixドキュメンタリー7選

3月頃からウイルスの感染拡大ではじまった外出自粛期間。

何となく夜や休日は、激しいゲームをする気分にもあまりならず、原稿とか書きながら、Netflixをながら見することが多かったんですが。

現在、全米を揺るがしている黒人差別問題について、いかに自分が理解してなかったか、Netflixのいくつかの番組を見ながら痛感することになりました。

自分のメモのためにも、記事にまとめておきたいと思います。


まずは軽いやつから。

マイケル・ジョーダン:ラストダンス

言葉はいりませんね。
マイケルジョーダン最高です。

私はスラムダンクとマイケルジョーダンに影響を受けて、大学生からバスケを始めたという典型的なマイケルジョーダン信者。
当時マイケルジョーダンのビデオは全部買ってましたし、当然バッシュもエアジョーダンでした。

バスケは下手でしたけど。

まさかブルズ最後の年にドキュメンタリーのカメラが張り付いて、こんなに時間が経ってからドキュメンタリーが公開されるとは。
当時の感動がついこの前の出来事のように思いだせます。

最高です。

で、興味深いのは、マイケルジョーダンが世界における黒人のイメージを変えたという話を、オバマ元大統領が語るシーンとかが挿入されることです。

このドキュメンタリーだけを見ると、マイケルジョーダンによって黒人差別の問題は大きく改善したとも見えるのですが、それだけでは全く足りてないという現実がNetflixの中には山ほどあります。


まず最近見て、衝撃を受けたのがこちら

13TH 憲法修正第13条

2016年公開の作品のようですが、いま、全米を揺るがしているアメリカの黒人差別問題の1つの根本的な理由を知ることができます。
人種差別問題が「犯罪者」というレッテルによって、巧妙にすり替えられていると考えると、一部の警察がなぜあそこまで黒人を差別的に扱うのかがちょっと理解できてしまった気がしました。

このドキュメンタリー映画は、その性質からか、なんとNetflixはYouTubeに全編公開しています。

全編YouTubeで見れますので、Netflix契約してない方も是非どうぞ。

マルコムX暗殺の真相

日本ではあまり有名ではないですが、アメリカの著名な黒人公民権運動の活動家の1人です。

実は私は社会人になってから、一時期マルコムXのオーディオCDを買って、彼のスピーチを聞き続けていたことがあります。
本当に独特で、印象的なスピーチをする人なんです。

その関係で、マルコムXの暗殺事件については何となく理解していたつもりだったんですが。
このドキュメンタリーを見ると、実は単純に暗殺されました、で終わっていないことが指摘され、アメリカの警察とか地域社会の難しい構造問題を感じてしまいます。


ボクらを見る目

やわらかいタイトルに見えるかもしれませんが、超重い作品です。

1989年に実際にあった、5人の黒人の少年に対する冤罪事件をテーマにした実話を元にしたドラマ。
とにかく前半は救いようがない展開に、見るのが辛くなる作品です。

Netflixが凄いなと思うのは、このドキュメンタリーが公開されたことで、当時この事件を手掛けていたリンダ・フェアスタイン検事への批判が沸騰するなど、実際に米国の司法制度への問題提起として機能していること。

1989年の事件にもかかわらず、この問題が現在進行形であることが良く分かります。


ジェフリー・エプスタイン: 権力と背徳の億万長者

黒人差別問題とは直接関係ないんですが、黒人に冤罪事件が多発するのと真逆で、白人の金持ちがいかに法律を守らずとも野放しにされてしまうかという意味で印象的なのが、このドキュメンタリー。

私自身は、ジェフリー・エプスタインというと、伊藤穣一さんがMITメディアラボの所長を辞任するきっかけを作った人物、ぐらいしか知らなかったんですが。
このドキュメンタリーを見て、あまりの衝撃にようやくその問題の大きさを理解できました。

しかも、この事件、2006年とかから問題になってたはずなのに、逮捕されたのようやく去年の2019年とかですからね。

ドキュメンタリーを見終わって、なんともいえない嫌な気持ちと無力感にさいなまれます。

裁判とメディア

米国における実際の事件と、それをメディアがどう報道したか、それが裁判にどう影響したかというテーマのドキュメンタリー。

まだ私も見たばかりですが、確か3作目が、アフリカ系移民のアマドゥ・ディアロが、4人の警察官から41発の銃弾を受け射殺された事件を取り上げてました。

この事件は1999年に起きたもので、この際にも大きな抗議行動が各地で起こったそうです。

ツイッターのこの動画が日本でも先週大きな話題になりましたが。

アメリカで類似の警察による黒人の殺人事件がおきるたびに、同じことの繰り返しに終始してきたという意味が思い知らされる番組でした。


ハサン・ミンハジ: 愛国者として物申す

このシリーズは、アメリカで活躍するインド系移民のコメディアンであるハサン・ミンハジが、辛辣なジョークを組み合わせて時事問題を解説してくれるスタンダップコメディ。

アメリカの空気感を知るのに役立つので毎回見てるんですが。
特に印象的だったのが、今回のジョージ・フロイド事件を取り上げた回です。

もちろんジョークはおりまぜてるんですが、普段の笑いながら明るく進行する雰囲気はなりをひそめ、彼の怒りが伝わってくる回になっています。

12分ほどの短い番組で、YouTubeにも公開されていますので、上に紹介した番組を見てる暇がないという方はこれだけでもどうぞ。


この現実を知ったから、私たちに何かできるか、というと何もできない気もしてしまうのですが。

知っているのと知らないのとでは、大きな違いがある気がしますし、日本人の外国人に対する姿勢を考える上でも、向き合うべき話ではないかと思います。

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徳力基彦(tokuriki)
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