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2024年の最新IT&エンタメのトレンド変化5つのポイントを、超個人的な視点からまとめてみました。
今年も再び、さとなおさんからお声がけ頂き、Good Eldersのセミナーでお話しさせていただくことになりました。
さとなおさんから頂いたお題は「エルダー向け最新IT&エンタメ事情2024」
去年のITに加えてエンタメもタイトルに入れていただきました。
ということで、足立塾から恒例となっているスタイルで、個人的に最近注目している話題を自分の記事をベースにまとめてみました。
徳力の独断と偏見による
2024年のIT&エンタメのトレンド変化
■1位 「日本語」のコンテンツが世界から注目される時代に
去年から明確だった日本のコンテンツの世界展開が、今年は大きく花開く1年だったと振り返っています。
【映像編】
特に映像コンテンツにおいては、2023年はワンピースやスーパーマリオなど日本のIPをハリウッドが映像化したもののヒットが目立ちましたが、2024年は日本の映像製作会社制作の作品が海外でヒットできることが「ゴジラー1.0」で証明された上、「SHOGUN」が日本語の台詞が7割を占める作品でエミー賞18冠の快挙を成し遂げました。
さらにNetflixでも「忍びの家」(TOHOスタジオ)「シティーハンター」(ホリプロ)「地面師たち」(日活ブースタープロジェクト)と、日本の制作会社の作品が世界的ヒットを記録しています。
【音楽編】
また、音楽の世界でも昨年のYOASOBI「アイドル」に続き、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が世界的ヒットを記録。
さらには世界最大級の音楽フェス「コーチェラ」に日本人アーティストが過去最大の5組出演という快挙もありました。
また、米津玄師さんや藤井風さんが米国でゴールドディスクを獲得。ミーガンジースタリオンさんが千葉雄喜さんと日本語ラップでコラボして話題になったり、BABYMETALが世界でライブ動員100万人突破を発表するなど、日本のアーティストの日本語の歌が世界に拡がり始めています。
こうした中、個人的にはSKY-HIさんが日本の音楽業界に投じていた問題提起が非常に重要だと感じています。
実はこれまで日本のアーティストの音楽が世界に聴かれていなかったのは、日本の音楽業界が自らの利益を最大化するために、その可能性にあえて蓋をしてしまっていたからかもしれません。
■2位 ファンを巻き込むSNS活用が日本でも増加
こうした国境を越えた成功が増えてきた背景の一つには、日本のアーティストや事務所が、ファンのSNSの投稿を禁止するのではなく、推進する方向に変化している点も大きいと考えられます。
特に昨年、ファンに寛容なSNSガイドラインを公開したTOBEが、Number_iの活動や東京ドーム公演などでトレンドの1位を頻繁に獲得しているのが象徴的でしょう。LDHも同様のガイドラインを公開するなど、同様の動きは徐々に拡がりつつあります。
また、私自身もXGのライブに参加した際に、撮影OKどころか拡散推進の雰囲気だったのに驚きましたが、その後藤井風さん、Mrs. GREEN APPLEと大手アーティストもライブでの撮影OKを表明し始めています。
一方で、プロ野球は逆にSNS投稿を厳しくする方向に舵を切っており、こうした判断が今後プロ野球人気に影響をもたらすのか、プロ野球のような地位にあれば問題ないのかにも注目です。
■3位 「テレビ」「映画」「配信」の境界線が消えていく
2024年を象徴する変化としては、明確に「テレビ」や「配信」、「映画」という境界線が消え始めており、それに呼応する動きを各社が取り始めている点だったと振り返っています。
特に象徴的だったのは「シェアード・ユニバース」をかかげ大ヒットした映画「ラストマイル」のドラマと映画と配信を繋げるアプローチです。
すでにNetflixが会員1000万を突破し、Netflixドラマ「地面師たち」が「もうええでしょう」という流行語大賞トップテンに入る流行語を生み出すなど、その影響力は地上波ドラマと変わらぬ位置まで来ています。
またディズニーは明らかに配信サービスDisney+をベースに、シリーズものの映画館への動員数を更新するノウハウを身につけつつあります。
そうした中で個人的に注目しているのが、ネットと距離を取り続け、テレビの顔として君臨してきた旧ジャニーズ事務所のアーティストの動向です。
今年明確にSTARTO ENTERTAINMENTとして再スタートを切った彼らは、4月と5月にはドームでの「WE ARE!」というライブを実施。
当日オンライン配信をしただけでなく、そのアーカイブもNetflixに配信されています。
またSnow Manは昨年の紅白歌合戦の裏で、YouTubeライブ配信の日本記録更新をしていますし、来年はディズニープラスと日テレが配信する旅番組に出演することが発表されました。
NHKが最近までSTARTO ENTERTAINMENT所属アーティストの出演を見送りつづけているのが象徴的でしたが、その結果STARTO ENTERTAINMENT側が早々にデジタルシフトを進める結果になっているように見えます。
■4位 大手メディアに対する社会的批判が大きくなっている
一方でSNSの普及とともに明らかに潮流として生まれつつあるのが、大手メディアによる報道や番組作りの「常識」に対する疑問や批判です。
象徴的なのは大谷翔平選手の新居報道や、「セクシー田中さん」を巡る番組制作における悲劇的な出来事だったと思います。
また、ジャニー喜多川氏の性加害を巡る問題や、最近の選挙報道等でも発生しているように、そうした大手メディアによる従来の「常識」に基づいた行動が、頻繁にネットでも批判の対象になっています。
米国大統領選挙でも、いわゆる大手メディアが民主党寄りの指示をしていると、一般大衆からそっぽを向かれたことと構造的には似ていると言えます。
大手メディア側が早期に今の時代の「常識」にあわせて行動を変えていかないと、次に大きな批判の矛先が向かうのは大手メディア自身になる可能性が高い気がします。
■5位 炎上が簡単につくられてしまう時代に
この項目は毎年外したいなと思ってはいるんですが、今年もいろいろあったので、5位に入れることにしました。
ツイッターがマスク氏に買収されXになり、明確に「対戦型SNS」を標榜するようになったうえ、収益化の手段が導入されたこともあり、残念ながら「炎上」が一部の人間にとっての収益になるようにもなってしまいました。
その結果、今年はこれまで以上に、これまでだったらそこまで大きな炎上にならなかったであろう騒動が大きな騒動になるケースが増えている印象です。
特に象徴的だったのは、星野源さんに対する根拠なき誹謗中傷を誘発した炎上系インフルエンサーによる憶測投稿でしょう。
憶測であっても残念ながらその投稿が拡散されると、その投稿主には収益が入りますし、その憶測を更に拡散させるアカウント群にも収益が入ります。
この構造が少なくともX上の投稿の可燃性を高くしていることは間違いありません。
Xの代わりとして「Threads」「Bluesky」「mixi2」など様々なサービスが注目されてはいますが、当面のところこの状況は変わらないでしょう。
■番外編 限界に来ているネット広告の問題
個人的に記事にはあまりしていませんが、どうしても気になっているのが、最近のネット広告問題の悪化のひどさです。
詐欺広告の被害額は驚くほどの金額でしたし、それにたいするメタ社の対応も自民党が本格的に問題提起するまでは放置に近い印象もありました。
またウェブメディアを閲覧する際に表示される広告の表示方法は、もはや罰ゲームに近い状態のようになっているところが増えてしまっています。
誰も幸せにならない選択だと思うので、そろそろ底打ちするイノベーションの誕生を祈りたいです。
なお、Good Eldersは、現在のところ少しずつメンバーを増やしている状態だそうなので、しばらくは入会が難しいかもしれませんが、こういった活動に興味があるという50代以上の方はこちらをどうぞ。
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