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藤井風さんの英語版NHKスペシャルの配信に感じる、「日本の音楽を世界へ」届けようとするNHKの本気度

いやー、これちょっと面白い試みですよね。

年末にご紹介した、藤井風さんのNHKスペシャル「藤井風〜登れ、世界へ〜」の英語版が、NHK国際放送で配信されるという取り組みなんですが。

アーカイブも1年間残るし、専用アプリを入れなくてもブラウザから普通に視聴できることが確認できました。

視聴回数は表示されないので分かりませんが、NHK WORLDの「Shows」のコーナーでもトップでプッシュされているのが分かります。

このNHKスペシャルは藤井風さんの英語歌詞アルバム制作がカミングアウトされた番組として、歴史的にも意義が大きいと思っていたので、日本でしか放送しないのはもったいないと個人的にも強く思っていたのですが。

日本語版すらアーカイブを視聴できない状況になっている中、こうやって英語版で1年とは言えアーカイブが世界中から視聴できる状態で公開されるのは素晴らしいことだと思います。

で、ふと思い出したのがNHKにおける“tiny desk concerts JAPAN”の取り組みの記事。

この記事でもタイトルに「日本の音楽を世界へ」と明確に入っているんですよね。
(この記事にはtiny desk concertsの日本版にかけるNHKの中の方々の熱い思いが詰まってますので、是非ご覧下さい。)

実はtiny desk concerts JAPANにおいても、NHKは番組のアーカイブをNHK WorldのサイトやYouTubeにアーカイブで公開しています。

日本のNHK MusicのYouTubeからは期間限定で削除されるのとは対称的です。

しかも、藤井風さんや稲葉浩志さんのパフォーマンスは本家のNPRの方にアーカイブとしてアップされてますからね。
藤井風さんの回は再生数も1400万超えしていて圧倒的です。

おそらく、tiny desk concerts JAPANは海外向けの戦略コンテンツとして最初から海外向けに公開する前提で作成をしているのだと思われます。

今年は残念ながらNHK紅白歌合戦のアーカイブも、昨年の2週間より短い1週間で削除されてしまったんですが。
おそらく昨年新聞協会からNHKのネット活用に横やりが入った関係で、基本的にはYouTubeはNHKプラスに誘導する宣伝として活用する方針に変わってしまったんだと想像してます。

ただ、これって、アーティストのパフォーマンスをYouTubeにアーカイブとして残すのが普通になりつつある世界のトレンドとは真逆なんですよね。

そこで、NHK Musicの人たちが、世界のトレンドに合わせて、日本の音楽を世界に届けるためのプラットフォームとしてNHK Worldを活用されようとしているということなのかなと想像してます。

まぁ、NHK WorldでもYouTubeのエンベッドが写真になってしまうのはNHKルールでもったいないなと思いつつも。
最初の一歩としては許容範囲内かなと思います。

理想的には藤井風さんのNHKスペシャルの英語版もYouTube側にアップされるともっと視聴されるはずなので、密かに期待したいところ。

※1月13日追記
 いやー、YouTube側に45分フルでアップされました!
 これは世界で見られて欲しい番組ですよね、みんなで拡げましょう。


さらに、YOASOBIとNewJeansの回や新しい学校のリーダーズとNumber_iの回のNHKスペシャルとかも英語版出して欲しいですよね・・・


もちろん、NHKスペシャルの英語化はコストもかかりますし、あくまで今回は藤井風さんが英語歌詞アルバムを制作していることもあり、tiny desk concertsの反響も大きかったから、特別扱いでNHK Worldに配信されているんだとは思いますが。

是非今回の実験がきっかけで、他のNHKの音楽番組も、もっと海外から視聴しやすい形で公開されるようになっていくと良いなと思います。

なお、今日の雑談部屋「ミライカフェ」は13時開始です。
皆さんとこのあたりの雑談もできればと思っていますので、タイミングが合う方は是非ご参加下さい。


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徳力基彦(tokuriki)
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