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新潟のダンスチーム「チビユニティ」が、AGTでゴールデンブザー獲得の快挙に学ぶこと

最近日本でも話題に上ることが多くなった世界的に人気のあるオーディション番組の「ゴッド・タレント」で、また日本人出場者が快挙を達成したのをご存じでしょうか。

「ゴッド・タレント」と言えば、昨年は「アメリカズ・ゴット・タレント」でTravis Japanが会場総立ちで予選突破したのが話題になりましたし、今年は「ブリテンズ・ゴット・タレント」で、とにかく明るい安村さんが決勝に出場したことが記憶に新しい方も多いでしょう。

今回「アメリカズ・ゴット・タレント」で快挙を成し遂げたのは、新潟のダンスチーム「チビユニティ」。

なんと、日本人初の「アメリカズ・ゴット・タレント」でのゴールデンブザー獲得を成し遂げたのです。

知らなかったという方は、是非、こちらの映像をご覧ください。

ゴールデンブザーとは、ゴット・タレントにおいて審査員と司会者が1シーズンに1度だけ押す権利がある特別なブザーで、ゴールデンブザーを獲得すると自動的に飛び級で準決勝に進出することができるという仕組みです。

そのゴールデンブザーを、「チビユニティ」は審査員の全員一致で獲得したのです。

映像を見て頂ければ伝わると思いますが、本当に鳥肌が立つ見事なパフォーマンスだったと言えるでしょう。

世界のダンス大会で4連覇の実力者

実は「チビユニティ」は、アメリカで開催されている世界最高峰のダンス大会「VIBE DANCE COMPETITION」のジュニア部門で2017年に初出場で初優勝から4連覇をはたし、今年はアダルト部門でも初出場で優勝を成し遂げるという、ダンスの世界では世界一を何度も取っているチームです。

「チビユニティ」はTravis Japanや安村さんのようないわゆる芸能人ではない関係で、今回のゴールデンブザー獲得も、あまり日本のメディアで取り上げられてはいないようです。

ただ、昨年「アメリカズ・ゴット・タレント」で予選突破を果たしたTravis Japanは、残念ながら決勝進出はなりませんでしたが、番組を通じて多くの人に知られたことが、アメリカのレコード会社経由でのデビューにつながりました。

「チビユニティ」も審査員から、ラスベガスで1時間のショーが見たいというコメントを得ていたように、今回の成功で世界から注目される存在になるのは間違いないはずです。
 

3組の日本のパフォーマーが予選を通過

しかも、今年の「アメリカズ・ゴット・タレント」で予選を突破した日本人は「チビユニティ」だけではありません。

大阪発のダンス集団「アヴァンギャルディ」は、岩崎宏美さんの「シンデレラ・ハネムーン」で日本ならではのダンスを披露し、スタンディングオベーションを受けて見事予選通過。

さらにガールズブラスユニットの「MOS」も、見事な演奏を繰り広げて予選を4つのYESをうけて通過しています。

また、携帯電話のセールスマンをされているというEnishiさんは、顔の早替えという実に不思議な芸を披露し、審査員のサイモンさんからNoが出たものの3つのYesで予選を通過しています。

他にも美顔ヨガ講師のKokoさんが惜しくも予選落ちになったりというシーンもあったようですが、4組が予選通過をしているのは、日本のパフォーマーにとって勇気をもらえる結果と言えるでしょう。

特に、「アヴァンギャルディ」は日本で開催された「ジャパンズ・ゴット・タレント」でのファイナル進出の実績をひっさげての「アメリカズ・ゴット・タレント」出場ですから、「ゴット・タレント」によって日本から世界へのルートが明確に開かれたことが分かります。

4組の中から決勝に進出するパフォーマーが出て、2013年の蛯名健一さんの優勝から10年ぶりの日本人優勝ができるかどうかも、期待したいところです。
 

日本のパフォーマーは海外の方が高い評価を得られるかも

ここでもう一つ注目しておきたいのは、日本のパフォーマーが「ゴット・タレント」で次々に高い評価を得ることに成功している点です。

わざわざ海外のオーディション番組に出るぐらいだから自信があるというのは当然ですが、観客の反応も含め、「ゴット・タレント」に出演して、日本よりも海外の方が高い評価を得られることに自信を深めたパフォーマーは少なくないはずです。

特に、日本では2015年に大ブレイクした後、日本では古い芸と扱われていた「安心してください、はいてますよ」がイギリスで大受けした、とにかく明るい安村さんは象徴的な存在と言えます。

また、日本ではながらくメジャーデビューができずに、ファンがヤキモキしていたTravis Japanのパフォーマンスが、「アメリカズ・ゴット・タレント」では高く評価され、米国のレコード会社経由でのデビューにつながったことも、同様に象徴的な現象と言えるかもしれません。

従来の日本の常識で考えると、つい日本でヒットしてから、海外に挑戦しようと考えてしまいがちですが、実は日本よりも海外の方が高く評価されるパフォーマンスが、日本にはまだまだ眠っている可能性があります。

しかも、今回「チビユニティ」が証明してくれたように、必ずしも英語でのコミュニケーションが完璧にできなくても、素晴らしいパフォーマンスは確実に言語の壁を越えます。

「アメリカズ・ゴット・タレント」に毎年のように複数組の日本人パフォーマーが出場するようになったのは、去年からのこと。

これまでの出場者に影響を受けて、これから世界に挑戦しようと準備をしているパフォーマーが日本にはまだまだたくさんいるはずです。

まずは、今年の「アメリカズ・ゴット・タレント」に出演している日本人のさらなる活躍が、日本のパフォーマーをもっと刺激してくれることを期待しましょう。

この記事は2023年8月17日Yahooニュース寄稿記事の全文転載です。


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徳力基彦(tokuriki)
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