仮面ライダーの悲劇
こんにちはトクです。
本日も訪問くださりありがとうございますm(*_ _)m
今回も拙い文章ですが創作物語(ショートショート)を書いてみたいと思います。
仮面ライダーには悩みがあった。
それは1号だけではなく、2号やV3も同様であった。
せっかくショッカーを倒したと思ったら今度はゲルショッカー、それも倒したと思ったらデストロンと敵は果てしなく現れる・・・。
1号である本郷猛、2号である一文字隼人それにV3である風見志郎も歳をとった。
体は、改造されているので、衰えは感じないのだが、脳は改造手術は受けていない・・・。
普通の人間と同じように脳も歳をとるのである。
ちょっとしたことを思い出せなくなったり、忘れることが増えて来た。
このままでは、悪の組織との戦いにも影響が出るだろう・・・。
仮面ライダーの変身後の目が泣いているように見えるのは、改造手術を受けて普通の人間ではなくなってしまった悲しみを表していると言われている。
しかし、最近では歳をとって物忘れが酷くなったことを嘆く為に目が泣いているように見えるのであった・・・。
さすがの仮面ライダーも年齢には勝てないのか・・・。
このままでは変身ポーズまで忘れてしまいそうである。
とすれば、悪の組織との戦いは不可能になってしまう。
幸いなことには、後輩の仮面ライダーが続々と現われていることであった。
「もう、ワシらは引退せんといかんのかな・・・」
本郷猛が一文字隼人につぶやいた。
「俺も最近、サイクロンに乗るのが怖くなってな・・・」
「このままでは事故を起こすのでは、と思ってるんだ」
一文字隼人は答えた。
二人の後輩である風見志郎も同様な悩みを抱えていたのである。
「私も時々変身ポーズを忘れてしまうことがあります」
そんな時であった。
仮面ライダー1号、2号それにV3に対して損害賠償金請求の裁判が申し立てられた。
ウルトラマンが訴えられたのと同様に、仮面ライダーが悪の組織との戦いの際に、壊れた建物などの損害賠償請求である。
幸いなことに、仮面ライダーの戦ってきた場所は
民家屋ビルなどが建っていない場所であった。
しかし、ダムで戦った際には、怪人が最後の時に爆発した時にダムにも被害があったのだ。
仮面ライダー達は、いくつかの電力会社から損害賠償請求の裁判を起こされたのである。
裁判長の判決が出た。
ダムの破壊のすべての責任が仮面ライダーにある訳でなく、半分は怪人にもある。
しかし、怪人は既に死んでいるので、死人に罪は問えない。
従って損害賠償請求されたお金はすべて、仮面ライダー達が支払うこととなってしまったのである。
「こんな年齢になってから、こんなにも辛い仕事をすることになるとは思いもしなかった・・・」
と本郷猛がつぶやく。
「しょうがないな・・・。今の脳の状態では事務仕事は無理だ。力仕事を数こなすしかないな・・・」
一文字隼人が答える。
風見志郎も同様である。
「まったく、これじゃあなんの為に改造手術を受けたのか分からない・・・」
3人は、嘆きながらも変身後の姿で、建設工事現場で働いていた。
その時にである。
ある老人ホームで、本郷猛、一文字隼人、それに風見志郎が居なくなったと大騒ぎななっていたのである。
どうやら、損害賠償請求をされたというのは、彼らの妄想のようであったのだ。
そう彼らは徘徊していたのである。
仮面ライダーは今も泣いていた。
それは改造人間になった悲しみではなく、改造人間ありながらも認知症になってしまったことの涙であった・・・。
それでは、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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