【2024年秋アニメ】12~13話を見た感想(全10作品)
※2024年秋アニメの12~13話の範囲のネタバレを少なからずしているのでネタバレを見たくない方は注意!
2024年秋アニメ12~13話の感想を書いていきたいと思う。いつもはそれぞれのアニメの1話分だけ感想を書くが、今回はクール終わりということで13話がある作品については最終話の13話まで感想を書いていこうと思う(連続2クールについても13話の感想を書こうと思う)。
初回と前回の記事は以下。
アオのハコ(12話)
12話は雛と一緒に夏祭りに行ってデートするという回。途中トイレに抜け出した大喜はたまたま千夏とも遭遇し迷子の子どもを届けたりもする。
今回は雛の描写が特に良かった。トイレに行く大喜を雛が待っている最中に、雛に思いを寄せる男子生徒が「一緒に花火を見たい」と誘ってくるという場面。「一緒に見たほうが楽しい」「席がなかなか取れない」といった小賢しい理屈を使う卑怯な男子生徒に対して「否」と答えるシーンこそ描かれなかったが、大喜が戻ってくるときには1人ぽつんと待っているという余白のある描き方がなされる。このシーンが本当に良い。どう断わったのかはわからないが雛の大喜への想いがじんわり伝わってくる良いシーンだと思う。
今回意外だったのは千夏の側も大喜に嘘を吐かれたと思い込んでおり落ち込んでいるという点だ。たしかに千夏視点だと大喜が嘘を吐いているように見えなくはない。ここで千夏が曇るとは完全に予想外。大喜と千夏が子どもを挟んで歩いているシーンでは「雛が待ってるから早く帰ってやれよ……!」と思っていたが、千夏も陰ながら傷ついていたという意外な話。わりと三角関係が進展してきたので今後の関係性の変かも気になる流れだと思う。
アオのハコ(13話)
今回は針生の大会に応援に行く大喜が、針生の彼女である花恋と出会い、針生と花恋のなれそめを聞くというのが主な内容となっている。
花恋が魅力的すぎる。メインヒロインではないのでこんなに掘り下げられるとは思っていなかったが、正直千夏や雛よりもかわいいかもしれない。恋人という立場が与えられているので千夏や雛よりも相手との絡みの濃度が高いのでそう感じるのだろう。とにかく1話だけでも魅力で魂を持ってかれたので来季はより彼女の描写が見られることを期待したい。
チ。―地球の運動について―(12話)
12話はノヴァクに疑われたオクジーたちが家宅捜索される回。一旦は難を逃れるが、ノヴァクが兵を引き連れ襲来しどうするかという内容となっている。
今回はノヴァクが怖いというサスペンス的な面白さもあるけど、自分はそこではなくオクジ―とバデーニの会話が本作の中でも屈指の名シーンだと思った。
「自らが間違っている可能性を肯定する姿勢こそが学術とか研究には大切なんじゃないかってことです」というオクジ―のセリフには鳥肌が立った。ポパーの反証可能性らしきことを言っている。反証可能性を持ち出してバデーニに反論するオクジ―の姿がとても誠実だと感じた。地動説を信仰するのではなく、実証データを積み重ねた結果の解釈が地動説であるという姿勢を崩さないのは大事だと思うし、それこそが科学のあるべき姿だと思う。現代においてもそういった姿勢を持たず科学だからと実証データを抜きにして怪しい結論を信仰する人は無数に存在する。なので今だからこそ刺さるセリフでもあると思う。
さらに言えばそういった姿勢を表明するときにオクジ―がグラスや最初の異端者の話を持ち出して「託す」という言葉遣いをしたのがとても好きだ。「反証可能性を保つ」という表現が「他者に託す」と言い表せることが本当に感動もので、自分にはこの言い換えがとても響いた。この作品は面白いが話自体は重いので正直観るのが億劫になる時期もあったが、ここまで見てきて良かったと思う。次回が山場だと思うので次回も期待したい。
チ。―地球の運動について―(13話)
オクジ―がノヴァクと戦うも矢が刺さって気絶してしまい結局捕まってしまう。そしてバデーニも捕まってしまい共に拷問を受けるというのが13話の主な内容となっている。
今回は拷問回なので繋ぎの回という印象だった。13話でキリよくオクジ―編が終わるかなと思っていたがそういうわけでもなかった。というかそもそもオクジ―編の次の編があるのだろうか?ラファウ編がすぐ終わったのでなんとなくオクジ―編もそろそろ終わりかなと思っていたが意外と長く続く可能性もある。とにかく続きを早く見たい。
ネガポジアングラー(12話)
喧嘩後に躑躅森と初めて遭遇し一緒に釣りをするという話。気まずい雰囲気の中釣りをすることになるが、釣りを通して和解することができるという流れ。
釣りを通してコミュニケーションが円滑になるというのを描写だけで魅せてくる感じが個人的には好きだ。本作はところどころ粗もあるけどそういった細かい描写の良さがときどき刺さることがある。常宏の「だから貴明に会えたんだろ」というセリフは沁みた。様々に悪いことはあったけどだからこそ釣りにも出会えたし今楽しく生きられている、それは常宏だけでなく躑躅森も同じでそういった人生観は面白いと思う。
ED前のハナと別れるシーンは良かった。ハナは最後まで良い釣り友だちとして重要な役割を果たしていた。不自然に恋人関係とかにならないというのが逆に良かったかもしれない。
ただED後に2年後となり、常宏が普通に生きているのはちょっとご都合主義すぎると感じた。死んでいて欲しいわけじゃないけどもっと描写がないと、なぜ生きられたのかという説得力がないような気がしてしまう。病院のネットレビューが星2点台だったのでそれが伏線と言えなくもないけど、それもちょっと薄いと思う。明確に躑躅森たちと出会うシーンはないので浜辺の光景も天国だという解釈も可能かもしれないが、それでもどちらかというと生存寄りの演出がなされているように思うのでCパートは駄作だったんじゃないかと思う。仮にハナとの別れのシーンで終わっていたらもっと評価していたと思う。
最後まで見た総合的な感想としては「面白くないわけではないが良作とも言い難い」という感じの微妙な評価だ。店長の回とかは良かったけど10話からの方向転換がちょっと遅すぎたような気がする。常宏が最終話まで「ありがとう」と言わずに最終話で言うというカタルシスも正直そこまで感動しなかったし評価が難しい出来。でも個人的には刺さるセリフも結構あったし好きな作品ではある(面白い作品と好きな作品は違うと思うので個人的には結構評価している)。
結婚するって、本当ですか(12話)
12話はようやく告白して結婚を前提にして付き合うことになるという話が描かれる。
正直ここまで引っ張ってきたので付き合う感動よりも「ようやくか……」という気持ちの方が大きい。前回も書いたが、流石に引っ張りすぎというか「なぜそれで付き合ってないと言えるのか」という気持ちになっていたので最終話もどこか遠い目で見てしまった。
2人で計画を終わらせた後に片付けをしている時の拓也の心情が理解できなかった。ここにきて本城寺さんと結婚することに後ろ向きというのがどうにも解せない。権田のマッチングアプリのエピソードの時にあれだけ本城寺さんと向き合おうと決意していたんだからもっと積極的じゃないと違和感がある。「別れるかもしれない」と1回タメを作っておいて、拓也が追いかけるという流れの方が話としては起伏があるのでこのようになったのだとは思うが、やはり物語の都合にキャラが流されているような気がしてしまう。
ここまで引っ張るなら10~11話あたりでくっついてあとはイチャイチャ描写で良かったんじゃないだろうか。やはり全体的に引き延ばし展開に見えてしまったのが正直なところ。本作は序盤中盤は面白かったけど終盤はあまり楽しめなかった気がする。
新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP SEMIFINAL(12~13話)
新テニの12~13話はともに平等院VSボルクの試合が描かれるのでまとめて書こうと思う。
平等院とボルクの試合はいつにもまして能力バトルものになってる気がする。平等院の能力はもう説明済みなのか、ほとんど解説がないまま進む。ボールが普通に大きくなったり分身したりするのでよくわからないまま見ているという感じ。
平等院はボルクに苦戦するも、それは平等院自身が自らの精神レベルをあえて下げたかららしい。負けたくない気持ちが強さを生み出すということで逆境に立たされた平等院が覚醒するという流れ。覚醒した瞬間、海賊がボルクの方を撃ち抜き点を取るという新技を披露する流れも面白い。
そしてなぜかわからないが平等院の内面世界が登場し、そこで崖から飛び降りる平等院。そこから覚醒し、命を削って戦う展開となる。途中、嵐の中を進む船の描写も挟まったりとカオスな絵面が続き平等院はボルクから点を奪っていく。他にも手塚ゾーンを使ったボルクが竜巻を出したり分身したりといろいろあったが最終的には平等院が倒れたところでたまたまラケットにボールが当たり日本が勝利する展開となる。
新テニスの王子さまはとにかく面白かった。決勝はまだ原作でも終わっていないようなので次が来るにしてもまだ先だとは思うが、個人的にも続きが気になるのでまたアニメ化されたら見たい気持ちが強い。いつになるかはわからないが、待ち続けたいと思う。
MFゴースト(24話)
24話は怪我をしたカナタがペニンシュラ真鶴に挑むところから始まり、怪我をして2速が使えない状態ながらもなんとか対抗していく姿が描かれる。
怪我でもなんとか頑張る姿も面白いとはいえ、前回も書いたけどやっぱり怪我は萎える面も大きくある。一応続きが決まったみたいだけど、1クール続きをやったところでペニンシュラ真鶴が終わるくらいまでしかやらないだろうしなんだか釈然としない気持ち。恐らく続きが来たら見るけどレース展開次第では切るかもしれない(面白くなることには期待したいが)。
2.5次元の誘惑(24話)
24話は前回の美花莉とリリサの話を聞き美花莉が自分のことを好きだということを知ってしまった奥村が、美花莉の気持ちとどう向き合うかというのが描かれる。
今回はまゆら先生が相談に乗ってくれるという回でもあった。そして他者が自分に向ける気持ちに関心をいだいてこなかった奥村がそれに気づき向き合うという決意をする。つまりは前回のアリアのシーン同様に奥村の内面が掘り下げられたという回でこれは意外な展開だった。この手の作品において主人公というのは添え物という場合が多いので奥村が掘り下げられるとは思っていなかったのだ。でもこういった描写がやっぱりいいというか、キャラクターに説得力が生まれる要因なのかなと思う。
まだいつかは決定していないが、続きもやるらしいのでその時が来たらまた見たいなと思っている。
甘神さんちの縁結び(12話)
夜重が一条寺澪子という名前が入った身分証明書をなぜ使っているのか問うために瓜生が夜重と二人きりになろうとするも、結局は夕菜と一緒に夜のお稲荷さんを回ることになってしまう。そして夜重は崖から落ちてしまいそれを探している最中に回想編に入るというのが12話の内容となっている。
今回の話の主は回想である。回想の途中で子どもの瓜生が出会っていないはずの夜重のことを知っているような描写もあるので単なる回想とはまた違うがそれについての詳細は12話ではまだ明かされなかった。回想においては主に一条寺澪子と瓜生の出会いが描かれるが、これについても次回以降明らかになるという感じ。
正直今回だけだと繋ぎの回なのでわからない面も多い。すぐ下に13話の感想も書くがこれを書いている時点では見ていないので次回も期待したい。
甘神さんちの縁結び(13話)
回想が終わり夜重を見つけ出す瓜生。そして夜重がどのようにして一条寺家から甘神神社に来たのかという経緯も語られるのが13話の内容となっている。来た理由は意外とあっさり説明されたが、これだけだとあっさりすぎるのでもしかすると今後も一条寺家の話は出てくるのかもしれない。
あと今回は瓜生のことが好きになったということを自覚する夜重の様子も描かれるが、本格的にそういう状態になってきたのでまたアニメの雰囲気も変わっていきそうな気がする。来期も継続して見ようと思っているので次回も楽しみである。
アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season(2期12話)
12話は最後のライブが描かれる。
ノクチルのライブパートが終わった後に、透が真乃に対して「まだドキドキしてる」「生きてる、いま」と言ったのは透GRADの文脈なので、そのコミュが好きな自分としては良いと思う面もありつつ、よく考えるとGRADでの透の場合、「ドキドキしてる」という言葉が持つ意味としては頑張れているかどうかということを透自身が発見できたというニュアンスなので、ライブでそれが発見できたというのはちょっと違う文脈なような気もした。
シャニPのポエムはアニメだとやっぱりちょっと鬱陶しく感じる。それっぽいことを言うだけの情報商材を売っているビジネスマンのような薄っぺらさがある。やはり全体を通してシャニPがアイドルと共に頑張ってきたという要素があまりにも少ないのでどうしてもアニメのシャニPをキャラクターとして好きになれなかったというのはあると思う。それゆえに反感しか抱かないのだろう。
2期は全体を通して1期よりはマシだったとは思うけどそれでもやっぱりまとまりを欠いている。やはりシーズとコメティックを除く23人もアイドルがいる作品なのでそれぞれの話を1話に分散させると1話ごとの満足感が薄くなっているというか全体的にそういう買いが多かった印象がある。1つのユニットや1人の話に絞った話の回はまだよかったのでそういった形式でやっていたらまた感じ方も変わったかもしれない。こんなことを言うのもなんだけど、正直アニメ発表の段階がピークだったなと思ってしまう。
魔王2099(12話)
前回女神が復活し、今回はそれを倒すところまでが描かれる。
やはり魔王2099は戦闘描写が多くなると途端に面白さが半減する。秋葉原編は全体的にコメディ描写が多くて面白かったけど今回は正直そこまででもなかった。ただ女神が意外と人間らしい恋心を抱えているというのは面白いと思う。グラムへの好意はしっかり持っているという意外な一面はかわいらしくもあり、こういった存在者にはあまりない設定だと思う。
どうでもいい描写かもしれないが唐突にクールポコを真似る高橋は笑ってしまった。この作品、ギャグが意外な方向から飛んでくるから面白い。12話も戦闘が多かったとはいえそれなりに面白かったし、今期の中でも個人的には一番のダークホースだったと思う。
総評
というわけで現在12月29日、今まで視聴してきた秋アニメの最終話までは見て感想を書き終えた。10話までは12作品見ていたものの、そのあたりでニナを切ってしまい最終話に入ってモブ皇帝も切ってしまったので全10本である。モブ皇帝は2クールっぽいので流石に来季も見るのは辛いかなと思い切ってしまった。でも10本も完走できたというのは自分的には相当アニメを見たという感じがする。
前回の記事では最終話の感想以外にも「総括する記事を書く」ということを書いたが、正直今は書くかどうか迷っている。年をまたぐとはいえ、3~4日後には新アニメも始まるし書いている時間があるかわからないというのもある。書きたいことがないわけではないが、現時点だと書くかどうかは半々といったところ。今から3日~4日の間に気分がのれば書こうと思う。