インディーゲーム個人開発者と特許侵害の話
任天堂がパルワールドのポケットペアを特許侵害で訴えた件で、インディーゲームを個人開発している人達は「自分のゲームが色々な会社の特許を侵害していないか?」について改めて考えさせられたのではないでしょうか。
ゲームの特許については三年前の記事になりますがこちらで島国大和さんも解説されています。
一度読んでおくと良いでしょう。
島国大和さんのこの記事でも書いているように、「インディーゲームの個人開発者が特許の事を考えるのはなかなか難しい」というのがあります。
一般的なゲーム会社なら法律の専門家を抱えていて調べてくれる部署があるので、開発中のゲームで実装されている色々な要素ごとに日本や海外での特許の調査を行ってくれたりします。
しかし個人のインディーゲーム開発の場合はきちんと特許を調べるというのは難しい物があります。
日本でのみリリースする作品なら日本の特許検索で時間をかけて調べていく事は個人でも一応可能かもしれません。(でも実際やるとすごい時間がかかって死ぬほど面倒に思うでしょう)
しかし実際は複数の国でリリースするため、日本だけでなく色々な国で「自分のゲームで実装している色々な要素がその国で認可されている特許を侵害していないか?」を調べる必要があります。
日本の分だけでも調べるのは大変なのに外国の分までもやるとなると個人開発者にはあまりにも負担が大きすぎるでしょう。
パブリッシャーがやってくれるところもあるかもしれませんが、結局その手間やコストを支払わされるのは個人開発者です。
また、「一部の国で特許を侵害しているから、その回避のために仕様を変更する」というのは本当にアホらしい非生産的な行為と言えます。
普通のゲームメーカーは結局その阿保らしい行為を真面目にやらざるをえないのですが。
いくつかの会社が3Dゲームのカメラの特許を取ってそれが有効だった期間は、その特許を回避するために多くのゲームのカメラの挙動がいまいちになり、ユーザーにも不便や不快な思いをさせる事になってしまいました。
ゲームを作りもしない会社が色々なゲームシステムの特許を取り、それでライセンス料を請求してくる(パテントトロール)というのが起こる事もあります。
色々なアイデアを盛り込むゲーム開発においては特許という形でアイデアに縛りをかけられると、自由なゲーム開発を妨害する事になってしまいます。
「考え出したゲームアイデアがパクられないよう特許がある」と言っても、実際は特許システムがあっても回避策はあるので色々なゲームのアイデアはパクられまくってますよね。
アイデアのパクりを防ぐ効果が薄く、それでいて特許のせいで色々手間や不便を多くの開発者達に強いる特許システムはゲームには全然あっていないのではないでしょうか。
漫画とかでわかりやすくたとえると、「漫画のアイデア」が法律で制限されてしまい、すでに認可されている色々な漫画のアイデアを回避するために漫画の内容を色々変えざるをえないし、また認可されているアイデアをいちいち調べていかないといけない------みたいな物です。
ゲーム開発の場合、こういう足をひっぱる要素が当たり前のように存在しているのが本当におかしい。