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<知っておくべき>家庭における火事対策 第三十二回 消火器による死亡事故に注意

家庭での火事を予防するためのシリーズ第三十二回。
今回は「消火器による死亡事故に注意」の話です。


火事の際の初期消火に役立つ消火器は住宅内などに複数個設置しておくべきアイテムですが、消火器破裂により重傷を負ったり死亡する事故が過去に何度も起きています。

消火器は消火剤を噴射するために内部にガスで強い圧力がかかっていて、その圧力を金属容器が受け止めています。

しかし経年劣化などにより金属容器が腐食したり、消火器にダメージを与える(消火器を転倒させたり落下させる)などで金属容器の堅牢性が損なわれると、突然破裂してしまいその破裂の勢いで近くにいる人が大怪我を負ったり、死亡する場合があります。

消火器には「何年まで使用可能」みたいな記載が必ず外側にされていて、その間なら通常の保管方法では金属の腐食が大きく進まないだろうと考えられています。
この使用可能年数を超えて消火器を家庭に起き続けてしまうと、金属容器がやがて腐食が進み内部の圧力に耐えられなくなったり、あるいはガスが抜けて火事の際に消火剤が吹き出せなくなる場合があります。

使用可能期限を過ぎたらその消火器は回収窓口に持っていったり業者に回収してもらい、新しいのに交換しましょう。



また、設置個所にも注意が必要です。

・室内ではストーブの近くや窓際の高温になる場所、結露する場所、湿度がずいぶんと高くなる場所などには置かない
・集合住宅の廊下などの屋外に置く場合は、雨が直接かからない場所に置く
(近くの道路を通る車の水はねにも注意)
・近年は夏場は高温化が進んでいるため、直射日光が当たる場所や、コンクリートやアスファルトの上などに消火器を置いておかない(金属の劣化が進んでしまう)
・ぶつかってしまってよく倒しそうな場所には置かない

など設置場所にも気をつけてください。

消火器は一度の転倒ならともかく繰り返し倒すとか、ある程度の高さから落とすなども金属容器を損傷させて破裂事故が起きかねないため、自分はもちろん家族やお店の従業員達にも注意するよう定期的に言っておきましょう。

消火器は内部の圧力を示すゲージが付いていて、この部分の定期チェックもするようにしましょう。
この圧力ゲージが低下してしまうと消火剤が想定通りに噴射されなくなります。

  

家庭における火事対策シリーズの第一回目はこちら
自分の大切な物や家、自分や家族の命を守るために一回目から順番に読んでいきましょう。

<知っておくべき>家庭における火事対策 第一回 序章


次回は「避難梯子で命が助かる場合がある」です。