ガンヴォルトの音ゲーは何故ここまで映像がひどく汚くなったのか?

ガンヴォルトの音ゲー、GUNVOLT RECORDS サイクロニクルがswitch,steam、PS、XBOX各ハードでリリースされた。
今はsteam版でユーザーレビューがストアにどんどん挙がっているが、レビュー内できちんと「映像があまりにも汚なすぎるのでアップデートで改善して欲しい」としっかり書くべきだと思う。
外国人は映像の汚さを指摘している人もいるが、今のとこ日本人はシリーズファンの贔屓目でレビューしていてあまりそれに触れていない。
(X上ではこの画質の悪さについてポストする人が増えてきている。アマゾンレビューでも画質の悪さに言及しているレビューが多い。)
本来はもっとこのゲームを良くするためにマイナス点もきちんと書くべきだと思う。
この問題点をユーザーがレビューできちんと書いていかないとメーカーがこの問題を放置して、ずっと汚い映像でプレイ中はもちろんPV鑑賞モードでもげんなりさせられる事になってしまう。ゲームの売れ行きにも影響が出てくる。
PV鑑賞でも楽しむつもりだった自分にとっては、「なんで金払ってここまでひどく汚いPV映像を見せられるの?」と残念感がものすごいし。


上記はPS5実機のスクリーンショット機能でキャプチャした画像。
クリックしてフルスクリーンで見るとその汚さがよくわかると思う。

こんな感じで、あまりにもビットレート低すぎる映像になっていて画像がぐちゃぐちゃになっているシーンが頻繁にある。
大きい画面で見ると特にその映像のひどさに驚くと思う。

このゲーム音ゲーとしてはプレイしていてだいぶ楽しい。
しかし最初にも書いた通り、「背景に表示される動画がビットレートが低すぎてあまりにも汚すぎる」という大きな問題点がある。
綺麗に映る時もあるが、誇張抜きでPS1時代のようなものすごく汚い映像になる事が非常に多い。映像の動きが激しいシーンは特にブロックノイズがあまりにもひどすぎる。
音ゲーとしてプレイしている時は背景の動画をのんびり観ている余裕がないだろうが、PV鑑賞モードで観るとあまりもの汚さに絶句するレベル。

今の時代、昔よりCPUやGPUが高性能化してより圧縮効率の良いエンコーダーを使えるようになったり、動画の容量も大きくなって色々なゲームプレイ中に「ムービーが汚く感じる」という事はもうほとんど無くなっただろう。
大作ソフトはもちろんインディーゲームでさえ挿入されるムービーは最近は綺麗なのばかり。
それが時代を何十年も逆行したかのようにこのゲームはムービーが凄まじいほど汚い。

この理由はゲーム容量が少ないからというのがある。
ダウンロード版は今のとこ15曲収録されているバージョンのみが販売されていて、各ストアの表記を見るとswitch版がインストール容量1.1GB、PS5版が1.9GB、PC版は容量表記があいまいで「5GB以下の空き容量」となっている。
ちなみに実際のインストール容量は自分が買ったPS5版は3GB弱だった。PC版もおそらく同じくらいなのでは。
switch版が容量が少ないのはムービーの解像度がswitch版は720p、PSやPC版は1080pだからだろう。
パッケージ版の容量はわからないが、パッケージ版は35曲収録でswitch版は後述の理由で4GB以下におさめていると思う。

自分もゲーム制作をしているので容量については「今はもうゲーム制作で容量はあまり気にしない。ただしswitch版はのぞく」というのを知っている。
PS4,PS5版やPC版の方は容量はいくらでも大きくしてムービーをもっと高画質にしても問題なかっただろう。
しかしswitch版も同時にリリースしないといけないとなるといくつかの問題があって、そのために今回このゲームの映像はびっくりするくらいひどく汚くなったのかもしれない。

switchでパッケージ版を出そうとすると、「4GB以下に収める」というのをまず考えるメーカーが多いと思う。
4GBを越えてしまうと使えるゲームカードの容量を一ランク上げないとだめで、ゲームカードの製造コストが上がって1本売るごとの利益が減ってしまうからだ。
4GB越えたゲームの場合は「コスト上昇分は値段を上げる」にするか、「値段上げず自分らの利益を減らす」のどちらかを選択するはめになる。
と言ってもコスト上昇でも一気に上がるわけではなく、そこまで大きな額ではないのでユーザーの満足度を考えるならswitch版でもこのゲームの容量は今の二倍にしてムービーの画質をもっと上げるべきだったと思う。

「switch版はパッケージ版の容量は4GB以下に抑えてアップデートで大容量のゲームデータをダウンロードさせて対応したら?」と考える人もいるかもしれない。
パッケージ版は4GB以下におさめて、アップデートで4GBくらいダウンロードさせるみたいな。
でも実はswitchは一部のソフトをのぞき、アップデートで配信できる容量に制限がある。これを越えたアップデータは配信できないのでインディーゲームによってはこの制限に結構泣かされたりする。
green hellみたいにPC版やPS版では配信されている追加要素がswitch版で一向に配信されないのは、他にもスペックの問題などもあるだろうがこれも原因の一つだと思う。
このアップデータの容量制限は結構面倒くさいのでswitchの次世代機では他プラットフォームみたいに是非解除してもらいたい。

「PS版とPC版は容量大きくしてムービーを綺麗にし、switch版はムービーの画質は諦めてもらう」という案もメーカー側にあったのだろうが、このゲームって一番switch版が売れるだろうからそれをやると「switch版は他機種版より大幅に動画の画質が悪い」となって売れ行きに影響が出てしまう。
そもそもキャラが踊る背景映像はPS版やPC版なら余裕でリアルタイムで綺麗にできる感じなのに、それをやらず全部プリレンダ映像にしたというのは、「switch版と他プラットフォーム版であまり映像に差を出さない」ためにこの方式を採用したのではないだろうか。

個人的にはPS版やPC版、XBOX版などはアップデータの容量に制限がないので、アップデータでこのムービーの画質の悪さはきちんと解消して欲しいと思う。
本当にげんなりするくらいこのゲームはムービーの画質が悪すぎる。
他機種版を改善してもswitch版はどうやってこの画質の悪さを解消するかメーカーも悩ましいとは思うが。

steam版では今のとこレビューを早期に書いているのはシリーズファンだ。
でも今後レビューを書くのはそうでない人が増えていき、普通に映像のあまりもの汚さを指摘して辛口レビューが増えていくと、長く売り続けるこの手のゲームでは売り上げの大幅なダウンを招きかねない。
steam版のレビューってswitchやPS、XBOX版で購入を検討している人も結構見るから、他機種版の売り上げにも影響を与えてしまう。
メーカーも真面目にこの問題の対応を考えるべきだと思う。

待ち望んでいたソフトだっただけに、あまりもの映像の汚さに本当に残念に思った。