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文章5 "お墓まいり"

文章5 "お墓まいり"

妻の家族の墓参りに、息子を連れて三人で行きました。

電車を乗り継いで、神奈川県北部の小さな町へ。

駅からタクシーに乗り、10分ほどで敷地の広いお寺に着き、空は雲ひとつなく、これ以上ない程のお墓まいり日和でした。

私たちは手を合わせ、お墓の前で祈りました。
息子が柄杓を持ち、それが不思議と似合っていました。

東京の喧騒から離れ、お墓はただただ静かで、厳かで、結界のように守られ

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文章4 "新しい人生"

文章4 "新しい人生"

新しい人生をさがしたい。
新しい人生をみつけたい。

世界的に大成功したラッパーのエミネムは、アルバム「マーシャル・マザーズ・LP2」の中の「ヘッドライツ」という曲で、「新しい人生が欲しい」と歌いました。

あんなに成功しているのに、そう歌う彼の言葉には重みを感じます。

彼は家庭が悪く、母親を憎んでいました。
母親をディスる曲を出し、母親から訴えられたこともあります。

彼は、もしかしたら、

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文章3 "東京"

文章3 "東京"

中野区にはもう7年ほど住んでいます。
この街が好きです。
上京してから2〜3年は、地元が恋しかったけど、今ではもう東京に慣れました。

先日の帰省のとき、群馬のライブハウスでライブを終え、楽屋でひと息ついていると、中野にいる妻が恋しくなり、帰りたくなりました。

上京して、はじめて住んだ街は上板橋でした。そのあと、八王子で暮らし、中野に落ち着きました。

はじめ、東京はコンクリートだらけの冷たい街

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文章2 "家族"

文章2 "家族"

夕方、中野区の自宅に帰りました。
妻はやさしく迎えてくれました。
三人で、近所のおいしい中華屋さんに行きました。私は炒飯を、妻は上海やきそばを、息子はお子様ラーメンを食べました。



昨夜は、ライブをしました。
地元、群馬のライブハウスに呼ばれて、凱旋のつもりで、はりきっていました。
お客さんは5人ほどでした。
私は世界最先端の音楽を全力でやったつもりでしたが、お客さんにはあまり刺さってな

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文章1 "帰省"

文章1 "帰省"

小説ともエッセイともつかぬ「文章」を書いてみます。ただの近況報告のような。自己紹介のような。自分のための覚え書きのような。

私は群馬県出身の29歳です。
18歳からはじめた音楽活動が暗礁に乗り上げ、今後の人生をどうしようかと考えています。
4歳年上の妻がいて、3歳の息子がいます。
いまさら人生を白紙にもできません。

音楽を一旦趣味にして、何か新しいことをしてみたい。そんなことを考えている。

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