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ゲームと疑似恋愛ー『リア恋』を考える

ゲームの楽しみ方

スマホやネット環境の普及に合わせ、さまざまなゲームがより身近なものになりましたが、プレイヤーが増えるほど、その楽しみ方も増えています。
ゲームそのものをそのままプレイする楽しみ方だけでなく、キャラクターへの愛着、効率の良い育成で上位プレイヤーを目指す、二次創作など、各々が好きなスタイルで楽しむ時代になってきました。
今回の記事では、特に『キャラクターへの愛着』から、疑似恋愛などについて考えてみます。

恋愛シミュレーションゲームとその他のゲーム

まず、ゲームといっても今回取り上げるのは恋愛シミュレーションゲームと育成ゲームです。
それぞれの特徴についてざっとまとめておきましょう。

恋愛シミュレーションゲーム


恋愛シミュレーションゲームは、「うたの☆プリンスさまっ」のようないわゆる乙女ゲーム、「ときめきメモリアル」のようなギャルゲームと言われるもので、前者は女性向け、後者は男性向けと分類されます。
ソーシャルゲームとしては「スタンドマイヒーローズ」などがありますね。
ゲーム内でプレイヤーは主人公として、1人称視点でストーリーを読み進めていき、分岐点の選択肢やゲーム要素でのスコアなどによって変わるストーリー内容やエンディングを楽しむというもの。
登場キャラクターたちと、どんなストーリーを送り、どんなエンディングを迎えるかはプレイヤー次第なので、様々なルートをプレイして楽しみます。
リアルな人間関係としての恋愛ではなく、あくまでキャラクターとの恋愛シミュレーションを楽しむといったゲームです。

育成ゲーム
次に育成ゲームは、最近になって特に増えてきたスマホのソーシャルゲームに多いジャンルです。
「アイドリッシュセブン」や「ウマ娘 プリティーダービー」などがこれに当たります。
育成ゲームでは露骨な恋愛要素が少ない場合が多く、特に恋愛シミュレーションとしての機能は備わっていません。
恋愛シミュレーションゲームと同じく、プレイヤーは一人称視点でストーリーを読み進めていくことが大半ですが、ストーリー上で固定のキャラクターとの恋愛模様が主軸になることや、エンディングが複数用意されていることはほとんどありません。

リアコ・夢思考・同担拒否・なりきり

さて、今回注目する2種類のゲームについてわかったところで、次はゲームに対する思考のうち「リアコ」「夢思考」「同担拒否」「なりきり」について。
ゲームと疑似恋愛において外せない単語たちなので、ひとつずつ紹介していきます。

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リア恋
1つ目、「リア恋」は「リアルに恋している」という言葉の略からできた単語です。ゲームのキャラクターや俳優さん、声優さん、アイドルなどの芸能人に対して、一般人のファンが本気の恋愛感情を持っている場合に当てはまります。

夢思考
2つ目の「夢思考」は、リアコに近い言葉で、キャラクターや有名人などに対してファンである人がリアルな恋愛を思考したり求めたりすること。まさに「夢を見ている」という状態を指しますね。
リアコとの違いというと、リアコは恋愛感情であるため、自分と相手の1対1であるのに対し、夢思考は自分が相手のいる環境や世界に入り込むという思考のため、必ずしも1対1ではないというところです。
また、リアコの場合は片思いの感情を持つ人を指すのに対し、夢思考は両想いである世界線を考えたり、自分が相手の世界に入り込むという思考を指すという違いがあります。

同担拒否
3つ目は「同担拒否」。まず、担当というのは自分の好きな相手のことや、相手を好きである自分のことを指します。Aくん担当のファン・担当はAくんといったイメージでOK。
同担・他担というのは文字通り、同じ担当、他の担当ということなので、今回は同担=同じ人を好きな人ということになります。
つまり、同担拒否とは「同じ人を好きな人は拒否する」ということ。
リアコや夢思考の持ち主には多く、つまり同じ人を好きな人と仲良くはできません、ということです。

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なりきり
最後に紹介する単語は「なりきり」。これは、主にSNSで行う遊びの1つで、自分がキャラクターや有名人になりきって会話などを楽しむというもの。
子どものごっこ遊びをイメージしてください。それのSNSバージョンという感じです。
なりきりの中で、実際とは違う関係性=恋人などを築いていくということも多く、そこからなりきりではなくユーザー本人どうしが仲良くなったり、パートナーになるというケースもあります。

ゲームジャンルに関わる?

ゲーム内のキャラクターや世界観に対する様々なスタンスを、特に恋愛が絡むものをピックアップしてご紹介しましたが、これらのスタンスに落ち着くのにゲームジャンルは関わるのでしょうか?
最初に出した2ジャンル、恋愛シミュレーションゲームと育成ゲームがありましたね。ゲームにはもちろん他のジャンルもあります。
ゲームの中に対して、強めの思考を持つにはこれらのゲームジャンルは関係ありません。
学園ものであれ、ファンタジーRPGであれ、リアコになったり同担拒否になったりということはありえます。

楽しいだけならOK、ただし…

ゲームの楽しみ方として、疑似恋愛に関わる様々な要素を書いてきました。
ゲームやその他の娯楽コンテンツの楽しみ方は人それぞれ。リアコであろうが、同担拒否であろうが、ファンとして許される範囲であれば、楽しみ方に制限はありません。
しかし実際問題、やはりどんな界隈でも人間同士のトラブルは起こってしまいます。
同担拒否どうしの晒しや掲示板への書き込み、夢思考やなりきりにおける権利問題などはなかなか消えない問題です。

晒し・掲示板
SNSや掲示板への晒しは表に出にくい問題ではありますが、当人の間では大きな問題です。
SNS上で知っていた同担の容姿などをけなす文言や写真を掲示板・SNSに匿名で投稿するといったものは、された側としてはかなりショックなもの。
書き込まれた場所の運営に問い合わせるのが最善手ですが、ここで当人同士の喧嘩などに発展することもしばしばあり、煽り合い、晒し合いなどの問題は後を絶ちません。

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権利問題
権利問題は莫大なユーザー数・アカウント数のあるSNSでは特に大きな問題として認識するべき問題です。
夢思考やなりきりの界隈では、特に画像の権利問題が取り上げられます。
例えば夢思考の人の投稿やアイコンなどの画像が、自分の写真と対象キャラクターのコラージュ画像だった場合。これは対象キャラクターの制作元のガイドラインによってペナルティの対象になります。
また、なりきりでもアイコンやプロフィール画面のヘッダーなどに他者の描いたイラストや、過度に加工した公式画像を利用している場合がありますが、これらも多くの場合はペナルティの対象です。

ただ、公式側やSNS運営側がひとつずつ対処してもイタチごっこになってしまうことがわかっているために放置されているというのが現実ですね。

いずれも、何かのきっかけで対策がとられれば一掃される対象ですので、好きであればこそ、権利問題についてはきちんとガイドラインを守りましょう。

まとめ

いかがでしたか?今回はゲームと疑似恋愛、加えて界隈にある問題について書いてきました。
大前提として、ゲームなどの娯楽コンテンツの楽しみ方は人それぞれ。誰かに迷惑をかけたり、ルール違反をしたりしなければ好きな楽しみ方をしてOKです。

リア恋夢思考同担拒否なりきりなど、様々な楽しみ方をするユーザーを特別視せず、疑似恋愛もいいよね!というくらいの優しい世界になるといいですよね。

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