僕は写真を撮ることが好き。
上手いか下手かで言えば下手だと思う。現像してもらったものを見ると、大体自分がイメージした写真とは違うから、本当に写したかったもののことを考える。でも、そんな写真が好きだったりもする、下手かもしれないけど、確かにそれは僕が見ていた景色で、そして僕が知らなかった景色だから。愛おしい。
写真も絵も、きっと文章も、下手は悪いことじゃない。
写真を撮るという行為は日常的なことだけど、やってることはとても特殊だ。視界に映るものの方が鮮明ではあるけれど、写真に映した僕の世界はとても広く、面白く感じる。光の色、ずっとそこにあった花、初めて見た雲の形、気づけなかった猫、この景色を作ってくれている全てを、僕は知りたい。
写真を撮って、見逃してしまった僕の一部を拾う。人生という単位で言えば、それはとても小さくて些細な一瞬かもしれないけど、だからこそ、ここに残していたい。